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2019年9月号 俳日和(20)
 
  松の会

                             河原地英武

 毎月「主宰日録」に出てくる「松の会」とは何ぞやと興味をお持ちの向きもあるかと思うので、すこし説明しておきたい。

 一昨年の春だったか、「円座」主宰の武藤紀子さんが「松の会」の吟行に来ませんかとお誘いの手紙を下さった。ご自身は名古屋にご在住だが、毎月第四日曜日に、関西の俳人と吟行句会をしているとか。吟行場所はたいがい京都、滋賀、大阪、兵庫のどこからしい。せっかくのお誘いでもあり、近場でもあるので参加してみることにした。

 メンバーは武藤さんのほか、浅井陽子さん(「鳳」主宰)、大島雄作さん(「青垣」代表)、柴田多鶴子さん(「鳰の子」主宰)、曾根毅さん(「LOTUS」同人)、花谷清さん(「藍」主宰)、ふけとしこさん(「椋」所属、「草を知る会」代表)、宮谷昌代さん(「天塚」主宰)、山口昭男さん(「秋草」主宰)である。全員初対面だし(実は武藤さんともこのとき初めてお会いした)、俳壇でよくお名前を拝見する方ばかりなので少々気を呑まれたが、皆さんびっくりするほど気さくで、たちまち打ち解けることができた。

 句会はこんなやり方で行われる。十時から二時間ほど吟行し、昼食後、午後一時に句会場に集合。それから二時半まで推敲タイム。出句数は吟行句で十句、席題で二句の計十二句。出句後、短冊をシャッフルして清記し、清記用紙を回しながら選句するのは伊吹嶺の句会と一緒だ。十二句選、内二句を特選とする。名乗りはいちばん最後にとっておき、まずは各人が自分の選と選後評を述べるところがミソだ。特選にした句であっても、遠慮なく注文を付ける。この自由な空気が慣れるとまことに心地よい。

 九月はわたしが幹事だが、吟行地と句会場さえ決めておけば、みな吟行のベテランだから、それ以上お世話をする必要もない。この手軽さもありがたい。