河原地英武 編
『栗田やすし俳句鑑賞』
東京四季出版
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本書は「伊吹嶺」で学ぶ私たちが、栗田やすし先生(「伊吹嶺」創刊主宰、現顧問)の作品を通じ、さらに学びを深めるべく作られた書物です。
そして、第10回俳句四季特別賞を受賞という栄誉に輝きました。
俳句鑑賞と評論の2部構成になっており、巻末に栗田先生の主要著作目録と略年譜が付してあります。
第1部では、先生の主要句集から150句を厳選し、執筆分担者が初出にまで遡って推敲過程をも明らかにしつつ、それぞれに入念かつ真摯な鑑賞文が寄せられています。
第2部では、主として句集に即した評論と栗田先生ご自身の講演記録を掲載してありますが、東京四季出版社前社長・松尾正光氏のお心のこもった文章をそれに加えてあります。
○第1部 俳句鑑賞 150句収録
鑑賞とありますが、ただの鑑賞ではありません。句が詠まれた背景やその句の意義。そして、その句を詠まれた栗田先生の状況なども書かれています。
・句集『伊吹嶺』
鮎吐きし鵜を殺生の場に還す 昭和43年
冬の蜂這ふ漉き紙の生乾き 昭和44年
・句集『遠方』
初時雨影やはらかき女身仏 昭和58年
野仏に余呉の雪解の音やまず 平成4年
・句集『自註現代俳句シリーズ九期⑭』
冷房の強さ骨透く熱帯魚 昭和42年
墨うすき母の便りや秋深し 昭和52年
・句集『霜華』
花ゆうな錆びて転がる祝女の島 平成10年
梅雨寒や灯して探す多喜二の書 平成12年
・句集『海光』
滝凍てて全山音を失へり 平成18年
蜥蜴這ふ砲火に焦げし洞窟の口 平成20年
・句集『半寿』
ふるさとに旅人めきし冬帽子 平成21年
己が影踏めば音する寒さかな 平成23年
○第2部 栗田やすしの世界 前半は、単なる句集の紹介ではなく、「論」とある通り、句集を通しての「栗田やすし論」となっています。後半は、河原地主宰と東京四季出版の前社長松尾さん、栗田先生自身による、栗田先生の俳句業の考察です。
・『伊吹嶺』論―「ふるさと」への想い
・『遠方』論―3つの「遠方」の視点から
・『霜華』を読む・『海光』論―社会性を中心として
・追慕と鎮魂の句集『半寿』―「母郷」から沖縄へ
・孤心と憧憬・新作家訪問 栗田やすし
・自作を語る―俳句は追慕と鎮魂
発行所:東京四季出版
発行者:西井洋子
四六判 269頁
頒価3080円 送料別 |
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【申し込み方法】
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