この度、大島知津さんが、燦文舎より第1句集『舞稽古』を上梓されました。心よりお喜び申し上げます。この句集は1993年から2025年までの作品のうち、河原地主宰選の334句が収められています。句集名は、四季折々に配されている「舞」の句から選ばれました。また、主宰は前書きで「家族への情愛が満ちた作品が多い」と記しておられます。
句集名に関連した舞の句を紹介します。いずれも情景がよく伝わってきます。
舞扇かざす窓辺に春の雪
夏帯を男結びに舞稽古
舞稽古終へし火照りや酔芙蓉
ご家族を詠まれた句を紹介します。あたたかなご家族像が浮かんできます。お義父様の介護もなさいました。
初髪の子の純白の花飾
夢語る瞳涼しき農学生
子は遠し夫と見上ぐる冬木の芽
泊り着に父の名を書く虫の夜
カンバスに室咲の影やはらかし
「室咲」の句は、2014年中日俳壇年間最優秀賞を得られました。画家でもあるご主人様のカンバスと室咲の影を詠まれて穏やかな冬のアトリエの様子が描かれています。
1993年~2012年の作品から紹介します。知津さんは初期のころから的確な写生句や感性豊かな句が多くあります。
上靴を真白に洗ひ春近し
短夜の絵筆を洗ふ水の音
寒鰤のかま断つて出刃曇りけり
冬ぬくし弾けて匂ふ藍の泡
2013年~2016年の作品からです。吟行句も多くあります。知津さん独自の表現力に新鮮さがあり惹かれます。
富士の水吸つて飛びたつ川とんぼ
丹波まで綾子日和よ秋の晴
無言館出て今生の汗拭ふ
こーいこい師が白鳥を呼び寄する
2017年~2025年の作品からです。河原地主宰は、近年の作に闊達さがみられると述べておられます。今後もさらに表現力が磨かれてゆくことでしょう。
目借時須恵器の壺に耳四つ
ガムランは天上の楽曼珠沙華
白日傘ルノワールの絵抜け来しか
知津さんの句歴は長く、「風」入会後、結婚、出産、子育てをしながら俳句を続けてこられたのは、栗田やすし先生、栗田せつ子先生の励ましと句友のおかげと、あとがきで感謝を述べておられます。句集の表紙や扉絵はお嬢様が描かれたものです。この一冊に知津さんの歩んで来られた道が爽やかに凝縮されています。皆様ぜひお申込みください。
令和8年1月 伊藤範子記
発行所:燦文舎
発行人:廣中美和子
B5版 198頁(並製)
定価:本体1,100円(税込) |
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『舞稽古』

大島知津さん
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【申込み方法】
著者へ直接、葉書または電話、Eメールでお申し込みください。
〒463-0011
名古屋市守山区小幡5丁目3-23
大島知津
携帯電話 080-3064-6596
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