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「伊吹嶺」東京吟行会
 
平成20年4月5日(土)
 
 去る4月5日(土)に「伊吹嶺」東京吟行会が行われました。東京支部の皆さんの業力で41名もの参加を得て、盛大に行われました。欅句会の佐藤とみおさんから吟行記を、中野一灯さん、武藤光晴さんから写真をいただきました。以下吟行模様を紹介します。東京支部の皆さんご苦労様でした。

「伊吹嶺」主催東京吟行会が四月五日(土)に、 映画「男はつらいよ」の寅さんの故郷 「柴又」と、 ヒット曲で有名な都内に残る唯一の渡し場、 「矢切の渡し」を中心に開催されました。
  十時三十分、公園は丁度満開のJR上野駅集合、主宰はじめ愛知・岐阜・三重・静岡などの同人・会員をお迎えして 総勢四十一名で柴又へ。
  まず、「寅さんモードの主宰」 と駅前に建つ「寅さんの像」との記念写真で盛り上ってスタート。参道を、寅さんの実家の名物「草団子」など頬張りながら吟行。
  「帝釈天」では丁度花祭、甘茶を頂戴し、大勢のお稚児さん、寺院の壁面を飾る木彫などなど句材も豊富。
  寅さん記念館脇の小高い丘から江戸川一望、「矢切の渡し」まで歩き、手漕ぎの渡し舟を見て名句続出。
  川魚料理の老舗割烹 「川甚」で昼食、その後句会、主宰のユーモア溢れながらも厳しく、そして懇切丁寧な選評を頂き、午後五時前散会となりました。栄えある主宰特選は、石川紀子さんでした。(詳しくは後日、伊吹嶺誌上で武藤光晴さんがご紹介くださいます。楽しみにお待ちください。)  欅句会 佐藤とみお記)

江戸川べりで全員集合

柴又行きの電車は「伊吹嶺」が一人じめ

寅さん像の前から出発

ごった返す帝釈天参道

帝釈天では花祭り

江戸川へ移動

江戸川べり

江戸川べりで句作

矢切の渡し(乗らなかった)

句会模様1

句会模様2
当日の1句(順不同)
主宰特選 帝釈天稚児が帯解く花筵 紀子
板のれん掲ぐ老舗の草だんご 啓子
救急の講習のある春法会 映子
彰義隊の墓や桜の散り急ぐ 克江
参道に飴切る音ののどけしや 秀子
大楠の下で稚児受く花吹雪 敏子
夏近しだんじり足袋の渡し守 尉江
碧眼の僧が落花の中に入る 美音
獅子舞のみくじ中吉春深し 一弘
白蝶が棹にまつはる渡しかな 美智子
柴又や寺の境内楠芽吹く 悠遊
花まつり束子で菩薩洗ひけり 愛子
東京に残る渡し場風光る 法子
船頭がゆるり舵取る春の川 富美子
日を受くる稚児の簪風光る 今日子
艪捌きや舳先かげろふ渡し舟 光晴
旅立ちの寅さん像や夢見月 とみお
長閑けしや仏具屋に売る招き猫 佳子
桜東風渡船の舳先揺らしけり 昭一
青柳や声のとどかぬ向かふ岸 みどり
船頭の櫂のひと押し風光る こころ
春の風あと振り返るお寅さん 晴夫
柴又の低き家並みに春日差し 龍人
刻み目の銅羽根板や甘茶仏 好夫
対峙する説話の彫りのうららけし いく子
賑はひや門前で買ふ草団子 切子
江戸川の戸船場沿ひに青き踏む 修一郎
吃水の深き渡舟や桜どき 操子
大道芸風船配り終りけり 岳人
葛飾の川の匂ひや揚雲雀 筑波
飛花落花回廊に風吹きぬけり みすず
連翹に日差し溢るる時の鐘 一灯
獅子舞より受くるおみくじのどけしや 紀久子
球逸れて少年駈くる苜蓿 たか
彫深き説話彫刻楠芽吹く 惠子
つばくらや矢切の渡し混み合へり 洋子
芽柳や百円で乗る渡し舟 千賀子
江戸川の風の匂ひの土筆つむ 邦子
弧を描き止まる渡しや桜東風 悦江
柴又に来てほほけたる土筆つむ せつ子
へそ小さき風神雷神桜散る やすし
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