1月21日(土)、平成24年伊吹嶺愛知支部新年俳句大会が、中日パレスで行なわれた。
インフルエンザの蔓延が気がかりだったが、大会は159名の参加で、和やかな中にも真摯に進行された。
会は桜井支部長の「沢木欣一先生の句碑建立の初夢」からお三人の句碑が「文学の要」として、また「文学的聖地」として確立されることを祈念するとの開会のことばで始まった。主宰の挨拶では「いつも『高齢化』の問題を取り上げているが、今年は十五周年記念行事を控えての大事な年であるので、皆さんの年齢から二十歳を差し引いて、気分を若返らせて皆さんの力を結集してください」とのうれしいお言葉に、会場から大きい拍手が沸いた。
第1部の後半では出席同人、主宰の入選句発表と、選評が行なわれた。同人を代表して河原地さんと都合さんが選評され、主宰の選評へと進む。主宰の構えることなく、優しく淡々と話される選評が心地よい。特選は伊吹嶺の重鎮、梅田葵さんの「大鷹の眼鋭く冬に入る」で、葵さんの謙虚で凛とした着物姿が美しかった。
第2部の講演会の演題は栗田主宰の「碧梧桐雑感」であった。剣道一筋であった学生生活での俳句との出会い、碧梧桐研究の一人者となられるまでの人との出会いなどを交えながら、子規との師弟関係の中で碧梧桐と虚子がどのように自身の俳句を確立していったか、ということを分かりやすく講演された。飾らない主宰のお人柄を垣間見たようで心が和んだ。
第3部の懇親会は会場もかわり、主宰の挨拶、上杉同人会長の十五周年記念行事に向けての力強い乾杯で会場の雰囲気も盛り上がりを見せた。続いて新同人おふたりの挨拶、新句会の紹介、句集出版者の挨拶が続き、「伊吹嶺」の偉大なる底力を感じ、身震いする思いであった。閉会のことばは武田さんの響くような清らかな声で締められた。
十五周年に向けて「伊吹嶺」発展のために、それぞれが力の結集を促すことを誓い合う大切な大会であった。
以下は大会模様の写真と栗田主宰選の句です。(内田陽子)
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