25年1月16日「第二回自然と親しむ吟行会」が雪解けの東京港野鳥公園にて行われました。昔は浅い海であった埋め立て地へ、自然にできた池や草原に野鳥が集まるようになり、蘇った自然を守るための運動が始まり、この公園を作ることになりました。おおげさな公園ではありませんが、地元の人たちにとって、海と山中を連想させる憩いの場所になっているような気がしました。
計画、当日のスケジュールなどは関東支部の援助を得てスムーズに進み、「伊吹嶺」の結束の強さをしみじみ感じました。大森駅(京浜東北線)での出発から、「伊吹嶺」の旗を持っての公園までの移動、受付などの作業もきちんと役割分担がなされ、参加された皆さんも短い吟行時間を有効に使い、俳句作りに集中できたようです。
潮入りの池の「ネイチャーセンター」では備え付けの望遠鏡をのぞく人、手持ちの双眼鏡を構える人、じっと目を凝らして浮寝鳥を見つめている人、皆さんの真剣な観察の姿に見とれている自分がいました。
集合後、大森駅そばの句会場へ。中華弁当を前に「投句した人から食事してください」との注意が恨めしく、真剣にならざるをえなかったようです。投句した後の安らぎの弁当の味は格別でした。
句会はそれぞれ3句投句、3句選で、主宰は10句選でお願いしました。新同人の石川紀子さんは主宰の句を2句選句され、「うれし~い」と喜んで見えました。その上、主宰の特選にもはいり、隣の席の私まで喜びの声を張り上げてしまいました。文末に本日の特選句、高点句、写真を掲載しましたのでご覧ください。
緻密な時間配分のおかげで、思いがけず主宰からは投句全体についての講評とともに「吟行の心得」の講義も受けることができました。特選句、並選句の講評の中で、「吟行へ出かけるときのポイント」は「まず常識というコレステロールを外すこと。俳諧は3歳の子に作らせよ、と言われるように、観たものをそのまま言葉に置き換えるトレーニングが必要である」と説かれ、虚子の「じっと眺めいる」、誓子の「俳句は嗚呼という驚きである」の言葉を引用して、本日の特選句の「枯葦の原へかはせみ飛びこめり」の「飛びこめり」の有り様を評価され、鑑賞されました。
15日の俳人協会新年賀詞交換会、関東支部新年俳句大会から続いての吟行会への参加で、主宰はじめ関東支部のみなさま、ネット部の皆さん大変お疲れ様でした。私たちおのぼりさん6人組は丸ビルの7階から眺めた東京駅を楽しみながらの、反省会に花を咲かせて帰路につきました。 (内田陽子記)
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