さる
3月
26日に伊吹嶺二十周年記念事業の一環として、栗田やすし主宰の句碑除幕式および祝賀会が、主宰の故郷である岐阜市伊奈波神社境内にて執り行われました。
前日からの雨模様で、心配された式典でしたが、参列者一同の祈りが通じたのか、除幕には雨も上がり関係者一同胸を撫でおろしました。
大きな拍手の中、凛とした姿を見せた句碑は少し青みがかった「揖斐の石」で、その姿は堂々として主宰直筆の白い文字がまことに美しいものでした。
寒月が鵜川の底の石照らす やすし
主宰が「風」に入会されてから三年目の句です。午後から催された祝賀会の席で、河原地副主宰より「凛然と月が光を放ち、鵜川のその底の石までも照らしている。若々しさと厳しさが感じられる一方、主宰の大きな決意と今ある主宰の原点となる一句である。」と期待の込められたお言葉も頂きました。
午後からの祝賀会は伊奈波神社参集殿で行われました。都合ナルミさんの司会で始まり、丹羽同人会会長の開会の辞、副主宰の挨拶と続きました。お二人はともに、第二句碑の前で多くの集いがもたれ、伊吹嶺以外の人たちにも親しんで貰えることを祈りたい、との期待に満ちた挨拶でした。
神尾朴水氏の乾杯のご発声のあと、来賓の方たちの暖かいお言葉に中で「みんなでこの句碑と長く長く付き合っていきながらマンネリを除き、人柄という作品を出す。その人柄とはよいことを褒めることはあっても人を傷つけることはない」と言われた元「俳句研究」の編集長、石井隆司氏のことばが心に残りました。まさに栗田やすし主宰の姿、そのもののような気がしました。
武田明子さんからの花束贈呈、主宰の謝辞と続きました。謝辞は「皆さんの力を借りて、恩返しのつもりでここ伊吹嶺の地でもう一度花を咲かせたい」と謙虚ながらも力強いご挨拶に、出席者一同の大きな拍手が湧きました。
それぞれが思い思いの感動を胸に、今後の作句に励んでいかれることを祈り、当日の報告をさせていただきます。
写真を添えて当日の様子をお届けします。 (内田陽子記)