立冬を迎えた11月8日(日)、時雨の中、京都平安ホテルにおいて、全国からの伊吹嶺の仲間150名程が集まって伊吹嶺全国俳句大会が開催されました。
大会は堀一之さんの総合司会で始まり、まずは丹羽同人会長の開会のことば。丹羽同人会長は平成30年に迎える伊吹嶺20周年記念事業の計画を伝えてくださり、そのためにも伊吹嶺の俳句を進めていきましょうと鼓舞されました。
主宰あいさつでは、会場に掲げてある上杉和雄さんの書かれた、堂々とした力強い文字『伊吹嶺全国俳句大会』の垂れ幕の前で、「天候の悪い所、沖縄からの2名をはじめ全国から沢山集まっていただき、楽しく明るい二日間にしたいです」と述べられました。
第一部は総会。議長は関東支部長の中野一灯さん。組織・部会の中でインターネット部の中に「ジュニア俳句会」の追加と特別会計規約の中に「会員が卒寿になった時には祝い金一万円」の新規約が提案され承認されました。また、来年度に限っては卒寿以上の方すべてが対象になるとのことでした。
続いて小島千鶴さんによる今年度各賞の発表と表彰が以下のようにありました。
伊吹嶺賞『鎚の音』関根切子さん
新人賞 中斎ゆうこさん
秀句賞 北村美津子さん 加藤ゆうやさん
主宰からのお祝いの言葉の中、「伊吹嶺賞は卒寿のお祝いに最も遠い人が選ばれました。日頃からスランプになった時にそこに行けば句ができるという俳句工房を持ちましょうと呼びかけていますが、まさに切子さんはその俳句工房での句でした。また、新人賞は何の迷いもなく断トツで中斎ゆうこさんが選ばれました。」とおっしゃられました。
続く新同人の方8名には主宰より「新同人は大学を卒業したようなもの、これからは社会人として活躍をして・・」と沢木欣一先生がおっしゃた言葉を引用されて励まされました。また、句集出版の方4名のお祝いで大会前半は終了しました。
第2部の俳句大会、披講は荒川英之さん、岡田佳子さん、今里健治さん。
「今年は戦後70年の節目、自分の体験として語れる人がいなくなっていくことを考えて、あえて戦争の句を多くとりました」とは河原地副主宰。主宰は「伊吹嶺のものさし=即物具象で選句しました」言われました。結果は写真と共に文末に掲載します。
第3部の講演会は主宰とは50年近くの親交があり、伊吹嶺誌に『奈良の綾子さん』を連載されている、奈良大学名誉教授の浅田隆先生による演題「正岡子規ー法隆寺の句の背景―」。子規の「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の句を通し、いろいろと考証され、結果やっぱりこの句は名句であると結ばれました。
第4部は懇親会。内田陽子さんの進行で楽しく和気藹々と会は進みました。最後に今回いろいろと全国大会や翌日に行われる吟行会に関わってくださった、関西支部の方々全員が壇上に上がられ、挨拶されました。中には若いお母さんもみえ、今後の伊吹嶺の発展が楽しみだと強く思いました。
以下大会模様の写真を栗田主宰、河原地副主宰の入選句をアップしました。大会の余韻を味わって下さい。(長崎眞由美記)