大寒の1月20日、中日パレスにて、152名の参加者で愛知支部の新年俳句大会が行われました。
第一部の俳句大会、司会は着物姿の美しい伊藤克江さん。
開会のことばは愛知支部長の都合ナルミさん。転がるような優しい声で年頭の挨拶をされました。
次に、河原地新主宰が抱負を3つに絞って話されました。
1.まずは私自身が俳句を楽しむ。俳句の原点に戻り、一日に5句俳句を作り、多作多捨、推敲をする。
2.会員の方が俳句をやって良かったなあと思ってもらえるようにしたい。
3.俳壇,俳句界の中で「伊吹嶺」の存在を益々発展させていきたい。俳句の応募があったら、どんどん出してもらって、伊吹嶺の方の句が世に出るとよい。
入選句発表の披講は梶田遊子さん、玉井美智子さん、新井酔雪さん、伊藤範子さん。
選評は栗田顧問と河原地主宰。主宰は「選ばれた句は耳で聞いて、目に浮かぶような句が多かったと思う」と話されました。その後、特選句の作者は壇上で表彰されました。
栗田やすし顧問の特選 家中に第九響かせ煤払 上杉 和雄
河原地英武主宰の特選 窯小屋で搗くや海苔餅豆の餅 山本 光江
第二部は毎月の伊吹嶺誌に「二十世紀の百人一首」を執筆されている加藤孝男先生の講演でした。
演題は「カフェオーレの法則」–短歌・俳句に生命を与える–
カフェ(コーヒー)+ オーレ(ミルク)・・既にあるものを合成させることによって新しいイメージを作る。文学は陰と陽を組み合わせて混沌を作り出すこと(命をつくる)を以下の短歌と俳句を上げて説明してくださいました。
「清水へ祇園をよぎる梅月夜こよひ逢ふ人みなうつくしき」 与謝野晶子(鳳晶子)
「三味線や桜月夜の小料理屋」 河東碧梧桐
「女身仏に春剥落のつづきをり」 細見綾子
「鮎吐きし鵜を殺生の場に還す」 栗田やすし
「稲びかり父の墓前の妻照らす」 栗田やすし
「緑蔭の鳩みな影のごとくをり」 河原地英武
「群青の水の球体浮かびゐてその網膜にひとら諍ふ」 加藤孝男
「もうすでに廃墟とまがふ新棟の鉄骨の上に淡雪流る」 加藤孝男
第三部は場所をヴィスタホールに移し、加藤ゆうやさんと中斎ゆうこさんの司会で進行。
栗田顧問の挨拶では「記念号の発行で20周年の行事も一区切り。新生伊吹嶺が動き出しました。各支部の新年大会に参加したが、天候にも恵まれました。関西支部の新年大会では百まで頑張ると言ってしまいましたが、そのつもりでいます」と力強いお言葉をいただきました。乾杯の挨拶は同人会長の小長哲郎さん。
新同人の五名の方(新井酔雪さん、工藤ナツ子さん、櫻井勝子さん、田嶋紅白さん、西村信子さん)には壇上で一言づつ抱負などを語っていただきました。
新句会紹介は赤池句会(指導者 都合ナルミさん)、藤句会(指導者 市江律子さん)。
句集出版者の『星月夜』中川幸子さん、『線描』矢野孝子さんにも挨拶を頂きました。
宴たけなわの頃、服部鏡子さんの指揮のもと、152名の俄か合唱団で「バースデー」「いつでも夢を」を歌詞カードを見ながら楽しく歌いました。
閉会のことばは愛知副支部長の武田稜子さん。「20年来、主宰と呼んでいた栗田先生が顧問と呼ばれ、ショックでした。しかし、今日の懇親会の挨拶では確かに顧問の顔になっていました(笑)。何かほっとした様子でした。これから、全員で新しい伊吹嶺を応援していきます。」と会場を沸かしていました。
最後には新年大会幹事の松永敏枝さんから締めの言葉をいただきました。
以下は大会の模様の写真と主宰、顧問の選を載せました。 (長崎眞由美記)