快晴の11月5日(日)、立冬間近だというのに26℃の夏日。この日、インターネット部主催のオフ句会(吟行)を3年ぶりに開催しました。吟行地は岡崎(八丁味噌蔵・岡崎公園)で、河原地主宰、栗田顧問にもご参加いただき24名で吟行しました。
集合は、八丁味噌蔵近くの中岡崎駅(愛環)・岡崎公園前駅(名鉄)の前で、吟行の行程を説明して、八丁味噌蔵のカクキューに向かいました。
カクキューでは、係の人が蔵を案内してくれました。そして、歩きながらまた資料館でカクキューの歴史、八丁味噌づくりの工程などを説明してくれました。甲子蔵の扉を開けてもらい中に入ると、味噌の香りが立ち込めていました。高さ六尺の桶に6tの八貯味噌、そしてその味噌の上に3tの重石。重石はすべて20cmぐらいの玉石で、見事に円錐形に積み上げられていました。この石積みはどんな地震があっても崩れたことがなく、この技を習得するのに5年かかるそうです。案内の最後に八丁味噌で作った味噌汁とこんにゃくの味噌田楽を試食しました。そして、皆で記念写真を撮り、岡崎城のある岡崎公園へ向かいました。
岡崎公園では、岡崎在住の私(酔雪)が案内役となりました。長さが1mにもなる五万石藤の藤棚から出発し、内堀を渡り天守閣に向かいました。そして、岡崎城が戦国時代第3位の規模の城であることや、岡崎城の歴史と城の別名が竜城である謂れを説明しました。その竜が住んでいたという井戸を案内し、さらに家康公の遺言碑、遺訓碑、山岡荘八「徳川家康」文学碑、家康公胞衣塚、於大の方(家康公の母親)の産屋跡、家康公産湯の井戸、野外能楽堂などを案内してそれぞれ説明しました。昼食は、「どうする家康 大河ドラマ館(家康館)」のある広場で、それぞれ持参のお弁当をグループに分かれて取りました。
昼食後は、からくり時計の家康公の舞を見て、大手門をくぐり句会場である市民ホームに向かいました。句会は3句投句、4句選で、司会は伊藤範子さん、披講は長谷川妙子さんと伊藤みつ子さん、点盛は長崎マユミさんと玉井美智子さん。成績優秀者には記念品を贈呈しました。そして、最後に栗田顧問と河原地主宰の選評を頂きました。少しの緊張と和やかな雰囲気の中、楽しく俳句を学ぶことができました。3年ぶりのオフ句会を無事終えることができ、ほっと一安心でした。
★八丁味噌蔵
味噌桶の積石丸し秋日和 新井酔雪
味噌桶の箍の張り詰め欣一忌 伊藤みつ子
味噌蔵に射し入る秋日やはらかし 兼松啓広
味噌蔵の厚き土壁冬近し 久野和子
秋惜しむ味噌の息づく樽に触れ 熊澤和代
沖縄の塩使ふ味噌欣一忌 栗山紘和
ゆく秋や寝かせて匂ふ仕込み桶 酒井とし子
秋日濃し六尺桶を並べ干す 沢田充子
桶師の名しるす味噌蔵秋の声 野島秀子
味噌桶の重石はケルン秋深む 長谷川妙好
深秋の味噌蔵に在る薄明かり 服部鏡子
味噌蔵の竹天井や冬ぬくし 平松公代
★岡崎公園
菰巻の松が囲めり産湯井戸 伊藤範子
茶の花や家康生れし小屋の跡 内田陽子
秋晴や城址に石の展示会 大須賀純
薦巻の藁匂ひけり城の松 小柳津民子
根の太き大黒松や鵙高音 玉井美智子
丹精の懸崖菊や大手門 恒川知子
からくりの家康舞へり城小春 豊田紀久子
顔合はすネットの仲間や菊日和 長崎マユミ
忠勝の名槍尖る秋の天 廣中みなみ
秋祭りジャズを奏でる能楽堂 松原和嗣
忽然と高鳴る鼓城の秋 栗田やすし
通りにも龍の名紅葉且つ散れり 河原地英武