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倉敷「風」同人会・倉敷オフ句会
 
 
▼ 「風」同人会総会 平成14年3月23・24日 於:倉敷国際ホテル ▼
林同人会長の挨拶
欣一先生を語る沢木太郎氏
130余名の参加同人
▼ 倉敷オフ句会 平成14年3月24日(日) 於:旅館倉敷 ▼
 一昨年の子規庵、昨夏の犬山、初冬の浅草に続いて、第四回のオフ句会を倉敷で行いました。15名の参加を得て、盛会となりました。倉敷のひとみさん、かおるさんにたいへんお世話になりました。
大原美術館の前で
左から碧、悦子、山去、甘楢、典子の各氏
アイビースクエアー中庭、牛二さん、
かおるさん
にこやかに見学する連衆
初参加の嶽山さん、牛二さん、香さん
選句中の甘楢さんと山去さん
香さん、悦子さん、典子さん
かおるさん、ひとみさん、碧さん
【参加者名】

伊藤旅遊(名古屋)、小原甘楢(尾張旭)
亀村山去(守山)、河原地露草(草津)
谷口碧(愛知)、平原嶽山(山口)
藤田岳人(愛知)、二村紫月(各務原)
松原香(金沢)、水田悦子(東京)
山口かおる(倉敷)、山崎典子(名古屋)
米元ひとみ(倉敷)、渡邉牛二(津山)
江口ひろし(瀬戸)
紫月さん、岳人さん、露草さん
【オフ句会第一回句会入選句】

 花冷や閉ざす町屋の忌中札      牛二
 花嫁の長きベールや下萌ゆる     ひとみ
 ままかりを頭より喰ふ花の冷      悦子
 春風や志功の仏みな笑ふ        山去
 味見せし古来の酒や春寒し       岳人
 蔦若葉抱つこで回す手風琴      牛二
 露座売りに借りる手鏡山笑ふ     ひとみ
 花曇る街に明治の黒ポスト      碧
 蔦若葉倉街に風吹き抜ける      悦子
 花なづな日の温みあるれんが塀   悦子
 春光や止まりしままの風見鶏     悦子
 風光る唐三彩の屋根瓦        香
 手回しのオルガンの音のどけしや  山去
 船よりも小さき島々春夕焼       山去
 ガス灯に触れつ離れつ糸柳      岳人
 芽柳や仇名で呼ばる似顔絵師    ひとみ
 花冷えやメタセコイアは天指せり   碧
 鯉に麩を撒く石橋のあたたかし    紫月
 雪柳こぼれ倉敷蔵の街         旅遊
 シャガールの青を淡くし春の空    かおる
 蜷の道見ゆるまで澄み倉敷川    碧
 格子窓揺らして柳の丈高き      かおる
 青柳や川面に映るなまこ壁      岳人
 ストリートオルガン回す堀日永    ひとみ
 朝東風やゆつくり向き変ふ風見鶏  典子
 甲羅干す赤耳亀や水温む       甘楢
 春愁やモディリアーニの鉛筆画    香
 大空に台湾楓の芽吹きかな      香
 絵の中は死も憧憬や花の冷え    甘楢
 卒園の子等の演奏川舞台       香
 つばくらめ川燈台を掠め飛ぶ     紫月
 手まはしの風琴鳴らす花の下     碧
 柳萌ゆ倉敷川の川風に         旅遊
 人力車に婚の二人や春うらら     碧
 芽吹きたる柳のたもとホルン聞く   嶽山
 エル・グレコ見て来し庭に春の雲   露草
 蔵街の火の見櫓に囀れり       ひろし
   ひとみさん
 「睡蓮」のその水色の春服で     ひろし
 倉敷の花冷えに友集ひたり      ひろし
 美術館がんじがらめに蔦芽吹く    ひろし
▼ オフ句会終了後、二回目の吟行へ!
   会場を倉敷駅前の「白壁」に変え、夕食をいただきながら、二度の句会を行いました。
阿智神社へ向かいました
夕食を取りながらの句会

【参加者】

露草、香、碧、山去、岳人、旅遊、
紫月、かおる、甘楢、ひろし

         句会場「白壁」

二度目の句会もなごやかに
【オフ句会第二回入選句】

 産みたての卵が三つ春の暮       山去
 槍傷の残る山門桜東風          香
 鍵かたく閉じられ花の芭蕉堂       かおる
 囀りや掌ほどの芭蕉像           露草
 古寺の長き石段山桜            旅遊
 春燈や老婆一人の理髪店        露草
 見下ろせば白き町並み春霞       旅遊
 白壁の路地を曲がりて若葉寒      紫月
 花茣蓙に笑ひころげる女かな       山去
 トンネルが腹貫ける花の寺        山去
 狛犬の背に貼り付く春の蝿        甘楢
 絵馬殿の怪しき時計暮遅し        露草
 丸窓を額縁とせし柳かな          かおる
 白壁の街彩れり花馬酔木         旅遊
 倉街の低き軒並み初つばめ       碧
 真青なる倉敷の空花日和         紫月
 花陰や三寸ほどの翁像          山去
 花冷えや黒く沈める埴輪の目      甘楢
 春昼に猫が横切る能舞台         岳人
 汐入川ゆるき流れに花埃         碧
 みやげ屋のわらじに吹ける春の風    岳人
 壁に這ふ芽吹きの蔦や幹太し      碧
 あたたかや厄除坂に米寿坂       ひろし
 春寒しあまりに小さき芭蕉像       ひろし
 恋猫の過りて行けり能舞台        ひろし
 芽柳に舫ふ荷船や蔵の町         ひろし

【オフ句会第三回入選句】(兼題:「鰆」「すみれ」)

 俎板をはみ出す鰆さばきけり       甘楢
 刻々と変はる潮目や鰆船         山去
 鰆食ぶ能登の真塩のほの甘し      碧
 鐘楼の影の長さや花すみれ        旅遊
 犬連れて歩く小道やすみれ草       岳人
 すみれ草苔むす木曾の石畳        甘楢
 古備前に活〆鰆目を剥けり        紫月
 石垣に淡きすみれや東慶寺        碧
 すみれ咲く山寺の僧年若し         旅遊
 山すみれ百五十間の石畳         ひろし
 かがやきて波間を戻る鰆船        ひろし

【オフ句会第四回入選句】
(会場:ターミナルホテルロビー)

 花疲れ言葉少なに別れけり        紫月
 工房の窓三椏の花明り           碧
 菜の花をどさと活けをり備前焼      甘楢
 よく止まる特急電車目借り時       香
 駒つなぎ残りし路地や春寒し       香
 白壁の並ぶ川筋長閑なり         甘楢
 ままかりを食べ春の夜を別れけり     紫月
 旅人に道を問はるる春の暮        甘楢
 内濠に菖蒲芽吹けり陣屋跡        碧
 今橋の菊の御紋や風光る         甘楢
 格子戸を開けて通せり木の芽風      碧
 春燈や厨子天井の黒光り         甘楢
 苔むせる石灯籠や春ともし         紫月
 あたたかや粗壁に浮く貝の殻       ひろし
 蔵街の空の青さに桐芽吹く        ひろし
 花冷えの闇の寄り来る能舞台      ひろし
 大欅芽吹きて空を狭めたり        ひろし

▼ 3月25日はタクシーで吉備路を回りました。
宝福寺山門にて
備中国分寺
桃の花をバックに
【オフ句会第五回入選句】
(岡山駅前食堂にて)

 吉備路来て風土記の丘に青き踏む   甘楢
 首塚に鳧高鳴ける日和かな   紫月
 雪舟寺丸き窓より若葉風   碧
 国分寺裏に畑打つ老女かな   みどり
 穏やかなガイドの語り花菜風    甘楢
 水攻めの戦の跡や花の宴    碧
 うぐひすや利玄生家の井戸古りて    香
 鬼の城の伝説聞きし山笑ふ    甘楢
 門前の七福神や春浅し    岳人
 菜の花のかすかに匂ふ国分寺    岳人
 山寺の小さき山門春寒し    旅遊
 池の面に散る雪柳吉備の寺    旅遊
 加賀人と歩く吉備路やあたたかし    ひろし
 禅寺の大方丈や鳥帰る    ひろし
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