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平成14年度 「伊吹嶺」総会・俳句大会
 
 
 10月5日(土)6日(日)の両日、俳人協会三重県支部長宮田正和先生をお招きし、「伊吹嶺」総会・俳句大会が伊賀、赤目四十八滝を吟行して行われた。総会会場となったホテル対泉閣に東京、静岡、岐阜、宝塚、沖縄などから百十余名が参集し、和やかな中にも緊張感のある盛会となった。総会では新同人14名が推挙され、主宰から激励のお言葉があった。
 
【一日目のようす】

万寿寺を吟行する連衆
綾子先生「虹の句碑」の前で
関根近子さんと下里編集長(母娘で)
都美恵神社での第一回句会
夏目隆生さん、宮田正和先生、栗田主宰
百十余名全員集合
対泉閣での懇親会風景
栗田主宰もくつろいで
沖縄から参加の桃子さんの琉球舞踏
カラオケも飛び出して
【第一回句会】
宮田正和選
特選 虹の句碑伊賀秋天を映しけり 福永 京子
秋惜しむみな手を触れし虹の句碑 福田 邦子
栗三粒供へてありぬ綾子の碑 朝比奈照子
句碑を訪ふさやけし柘植の小道かな 新川 晴美
昼ちちろ啼きつぐ中や虹の句碑 高橋 悦子
搦手の風に乗りくる草の絮 宇野美智子
芭蕉さんの径に落穂を拾ひけり 長谷川郁代
木の実落つ利一遊びし城の跡 新美 琴恵
冷まじや石垣粗き城の跡 中村修一郎
籾焼の匂へる風の伊賀に入る 上江洲桃子
栗田やすし選
特選 栗供へ話しかけたり綾子句碑 国枝 隆生
菊月の日に温もれり虹の句碑 矢野 孝子
芭蕉墓前不揃ひの秋なすび 鈴木真理子
臍の句碑見上げて秋の蚊にささる 田畑   龍
実り田に伊賀の日和の定まれり 武田 稜子
虹句碑の文字の真白や萩の風 奥山ひろみ
萩は実に城址に残る釣瓶井戸 花村すま子
剥落の芭蕉像守る秋簾 平松 公代
臍の句碑前に睦みし赤とんぼ 幸村志保美
城址の井戸の暗さよ秋の声 若山智子
夏目 隆夫特選 虹句碑の文字の真白や萩の風  奥山ひろみ
巽 恵津子特選 穂芒のつやめく伊賀の日和かな 山本 正枝
清水 弓月特選 秋澄むや顔を写して句碑拝す 森  靖子
下里美恵子特選 秋茄子の尻錆びてゐし翁寺 栗田やすし
鈴木みや子特選 秋草を草で括りて虹句碑に 大石 久雄
増田 昭子特選 草の花二十歩はなれ師弟句碑 江口ひろし
夏目 悦江特選 秋澄むや顔を写して句碑拝す 森  靖子
水田 悦子特選 木の実落つ利一遊びし城の跡 新美 琴恵
澤田 正子特選 師の句碑にま見えし伊賀の紅葉晴れ 橋本 紀子
若山 智子特選 綾子師の句碑へ近づくさはやかに 中川 幸子
【二日目のようす】

総会で挨拶される栗田主宰
熱心にメモをとる伊吹嶺の連衆
勢揃いした新同人
新同人を代表して挨拶する田畑龍さん
新同人に励ましの言葉を述べられる主宰
同人会長片山浮葉さんの締めの言葉
伊吹嶺新同人

 石原進子、金田義子、後藤春子、
 近藤文子、関根近子、谷口千賀子、
 田畑 龍、丹羽康碩、長谷川郁代、
 日野圭子、二村美伽、牧田 章、
 矢野愛乃、矢野孝子
やや緊張して新同人の記念写真
【第二回句会】
宮田正和選
特選 夕紅葉滝音が消す滝の音 江口ひろし
滝音や釣瓶落しの行者径 中村修一郎
行者滝野菊の径を濡らしをり 山下 善久
秋日濃し風百日の句碑の辺に 夏目 悦江
滝壺の水より昏るる釣舟草 福田 邦子
水澄むやはんざき泡を一つきり 長谷川郁代
滝三つめぐりて釣瓶落しかな 山本 悦子
滝壺のにはかに暗し秋の暮 梅田  葵
はんざきの頭の見えて露の秋  中川 幸子
滝水に指立ててみる秋の暮 栗田やすし
 
栗田やすし選
特選 赤目滝大盤石の冷まじき 新川 晴美
碑の裏ゆるりと抜けし穴まどひ  中山 敏彦
滝水に研がれ細身の紅葉鮒 竹中和子
鵙高音正和句碑の男ぶり 武田 稜子
山椒魚ひそむ滝壺水澄めり 牧野 一古
師の唄ふ母さんの歌秋思濃し 豊田紀久子
滝風に花びらの反る野紺菊  若山 智子
滝風にほゝけ淋しき秋薊  渡辺 洋子
翁寺背山の柿の色づきぬ 多々良和世
滝めぐり滝の上ゆく秋の人 鈴木みや子
 
夏目隆夫特選 をちこちに籾焼の煙伊賀盆地 池村 明子
巽恵津子特選 滝音を高めて釣瓶落しかな  坪野 洋子
片山浮葉特選 大海人の進軍の道籾を焼く 福永 京子
梅田 葵特選 滝水に研がれ細身の紅葉鮒 竹中 和子
栗田せつ子特選 野草売り釣瓶落しに荷をたたむ 林  尉江
中川幸子特選 沢音を聞きゐてつるべ落しかな 加藤けい子
山下智子特選 水澄むやはんざき泡を一つきり  長谷川郁代
江口ひろし特選 滝みちの釣瓶落しに茶屋閉ざす 宮田 正和
森  靖子特選 鵙高音正和句碑の男ぶり 武田 稜子
福永京子特選 ひつじみな穂となりゐたり翁道 下里美恵子
平松公代特選 蟷螂のつるみしままに日暮たり 下里美恵子
福田邦子特選  薄紅葉瀧しろがねに落ちにけり 坂本 操子
都合ナルミ特選 沢音の高し日暮の紅葉宿 大平 敏子
中根多子特選 大海人の進軍の道籾焼けり 福永 京子
武田稜子特選 滝みちの釣瓶落しに茶屋閉ざす 宮田 正和
長江克江特選 滝壺の水の碧きに散紅葉 武田 稜子
国枝隆生特選  野草売り釣瓶落しに荷をたたむ 林 尉江
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