選句結果 選者 新井 酔雪 |
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和5年12月号 |
☆特選☆ |
丹 羽 |
小三 |
長崎 陽 |
スキップで大通りまで秋の風 |
選評 |
この俳句から多くのことを感じ取ることができました。それは良い俳句だからです。晴れ渡った爽やかな秋の日、作者の心は明るく澄んでいます。そんなときは、歩いていても思わずスキップしてしまいます。人通りの少ない脇道はスキップできますが、大通りはそうはいきませんね。 |
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☆秀逸☆ |
岡 崎 |
小五 |
江坂 紗彩 |
はらわたを取ってもらって初さんま |
選評 |
初さんま、苦いはらわたを取ってもらって美味しかったことでしょう。初さんまの喜び、でもはらわたは苦手、と対照的にうまく表現されましたね。
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岡 崎 |
小五 |
竹田 清人 |
名月や隣の猫がやかましい |
選評 |
満月を静かに見上げていると、お隣さんの猫が騒がしい。せっかくのお月見が台無し、というためいきが聞こえてきそうな面白い俳句が詠めました。 |
幸 田 |
小六 |
本山 大地 |
筆柿を袖で磨いてかぶりつく |
選評 |
筆柿を取った大地くん。おもわず袖で磨いてかぶりつきました。きっと熟していて美味しそうだったんですね。行動的な表現がお見事です。 |
岡 崎 |
中一 |
貫山 瑠香 |
稲の香や鎮守の杜に幟立つ |
選評 |
稲が実りの時期を向かえ、鎮守の杜に幟が立ちました。豊作を称えて感謝の印また神様が降りてくるための目印とも。収穫への祈りが込められた御句。 |
豊 田 |
中二 |
間島 星来 |
枝揺らし鳥がついばむ熟柿かな |
選評 |
豊富に熟した柿。鳥たちにとっても嬉しくて我さきに、とバタバタ枝を揺らしますね。ついばむ様子をていねいに写生、うまくまとまりました。 |
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☆入選☆ |
蒲 郡 |
六歳 |
三井さつき |
こまいぬと目があいこわいかんげつかい
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愛 西 |
六歳 |
河村 優奈 |
ぺったんこ月で兎がお餅つき
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蒲 郡 |
小四 |
三井悠有里 |
児童会のえん説長いつくつくし
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安 城 |
小四 |
小田 美羽 |
新じゃがのバター炒めの匂いかな
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安 城 |
小四 |
水野 聖子 |
妹の背丈を超えて秋桜
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岡 崎 |
小五 |
海 藤 卓 |
運動会帽子を取って投げすてる |
岡 崎 |
小五 |
由良 来香 |
掛け声に合わせ綱引く運動会 |
岡 崎 |
小五 |
吉田 月渚 |
運動会転んでバトン落としけり |
小 牧 |
小五 |
稲山 若那 |
旗作るワクワクするよ運動会
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幸 田 |
小六 |
江 藤 美 |
よろよろとよろよろと飛ぶ秋のハエ
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幸 田 |
小六 |
久留木良々 |
鈴なりの筆柿の枝ゆさゆさと |
幸 田 |
小六 |
柚子 優香 |
稲刈や煙が匂うトラクター
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伊吹嶺ジュニア俳句 令和5年11月号 |
☆特選☆ |
豊 田 |
中二 |
新實 颯太
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ぶらぶらと鼻取れそうな案山子かな |
選評 |
案山子を見ると、顔や格好が面白くて思わず笑いそうになったり、反対に日照りでも雨でも立ちっぱなしで、服もぼろぼろで、かわいそうな気持ちになったりします。颯太君の俳句はどちらでしょうか。どちらにしても、様子がとてもよく分かる俳句です。
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☆秀逸☆ |
蒲 郡 |
六歳 |
三井さつき |
みぎひだりおしえてもらうすいかわり |
選評 |
目かくしをして周りの人たよりのすいか割り。具体的に「みぎひだり」との表現が良いですね。さて結果は?うまく割れて、はしゃいだことでしょう。
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安 城 |
小四 |
小田 美羽 |
まど開けて秋を感じる朝の風 |
選評 |
暑かった夏、窓を開けたらひんやりした風が入ってきました。美羽さんは、その風に秋を感じましたね。「秋を感じる」との詩的な表現が素敵です。 |
岡 崎 |
小五 |
丸 山 圭 |
おばあさん口をすぼめてブドウすう |
選評 |
近頃は種無しブドウが多く種を出さなくてもよいので、一気に食べられますね。おばあさんが口をすぼめて美味しそうに頂く様子を見事に捉えました。 |
幸 田 |
小六 |
木下 凛香 |
弟とスイカの種の飛ばしっこ |
選評 |
スイカって種を取って食べる人と食べてから種を飛ばす人がいますね。弟さんとゲームのように飛ばしっこ。楽しかった様子が句に表れています。
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幸 田 |
小六 |
船山 総悟 |
ナスにさす割りばし折れた盆用意 |
選評 |
盆用意の「送りの牛」に見立てた茄子の割りばし。折れて付け直したようですね。大丈夫です。ご先祖様はきっと、笑って見守ってくださいますよ。 |
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☆入選☆ |
愛 西 |
六歳 |
河村 優奈 |
じいじから桃が届いたうれしいな |
八王子 |
小三 |
長沼ひな子 |
大ぐもが走るお風呂場こわすぎる |
蒲 郡 |
小四 |
三井悠有里 |
夏休み宿題終わらずゲームやる |
蒲 郡 |
小四 |
廣中みくり |
どきどきで仔馬にえさやる虹きれい |
安 城 |
小四 |
水野 聖子 |
糸はいてゆらゆらゆれる毛虫かな |
岡 崎 |
小五 |
市川 康弘 |
かぶりつき冷えたトマトのしる飛ばす |
岡 崎 |
小五 |
矢田 健司 |
せん水で二十五メートル泳げたぞ |
小 牧 |
小五 |
稲山 若那 |
満開のひまわり畑どこまでも |
幸 田 |
小六 |
宇野佐久良 |
父に聞く火の起こし方キャンプ場 |
幸 田 |
小六 |
小川 翔太 |
ラムネ飲む顔をしかめてなみだ出る |
幸 田 |
小六 |
時田 智代 |
祖父と父酒のつまみのいり零余子 |
岡 崎 |
中一 |
桐山 玲子 |
仏壇のお供えの桃母がむく |
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吹嶺ジュニア俳句 令和5年10月号 |
☆特選☆ |
幸 田 |
小六 |
津田 莉里
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きゅっきゅっと手に吸い付いた茄子のつや |
選評 |
茄子は艶々で、触れば手に吸い付きそうで、こすれば音がしそうです。そんな茄子の特徴のひとつを本当によく捉えていると思います。
上五「きゅっきゅっ」、中七「吸い付く」のすべてを「艶」につなげた表現が上手だと思います。
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☆秀逸☆ |
丹 羽 |
小三 |
長 崎 陽 |
弟が顔をくすぐるねこじゃらし |
選評 |
花が子犬の尻尾に似ていることから「狗尾草・猫じゃらし」と呼ばれていますね。弟さんに顔にあてられ、さぞかし
くすぐったかったことでしょう!
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安 城 |
小四 |
加藤野乃花 |
弟がサルビアの舌ぬいてすう |
選評 |
サルビアの花冠はビュと飛び出している舌のよう。甘い蜜が含まれてるので、蜂のように吸いましたね。「舌ぬいてすう」の表現が面白いです。 |
岡 崎 |
小五 |
海 藤 卓 |
しわしわの梅酒の梅にかじりつく |
選評 |
梅酒づくりをすると梅がしわしわになりがちですね。でも、それこそ自家製のあかし。貴重な梅にかじりつく卓さん、俳句も現実味があり素敵です。 |
岡 崎 |
小五 |
原田 凛花 |
じゃんけんで順番決める茅の輪かな |
選評 |
夏越の祓とも云われる「茅の輪くぐり」左回り・右回りとあって結構忙しい。じゃんけんで決めた様子から仲良く楽しんでいる様子も伝わりました。
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幸 田 |
小六 |
江藤 美波 |
あたふたと下からなめる氷菓かな |
選評 |
氷菓を頂く時は忙しい。ちょっと油断すると溶けてしまいます。「あたふたと下からなめる」の具体的な表現と切れ字「かな」を上手く繋げました。 |
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☆入選☆ |
愛 西 |
六歳 |
河村 優奈 |
薄ピンクきれいなきれいな蓮の花 |
蒲 郡 |
小四 |
三井悠有里 |
初めてのトロフィーを手に夏試合 |
蒲 郡 |
小四 |
廣中みくり |
大笑いビニールプールの穴空いた |
安 城 |
小四 |
水野 聖子 |
もぎたてのキュウリのとげはちくちくと |
岡 崎 |
小五 |
江坂 紗彩 |
わき上がる山の向こうの雲の峰 |
岡 崎 |
小五 |
芽木 瑤子 |
炉のけむり両目にしみるキャンプかな |
小 牧 |
小五 |
稲山 若那 |
雨傘を日傘にかえて下校する |
幸 田 |
小六 |
成 田 肇 |
スイレンの葉と葉の間カメの顔 |
幸 田 |
小六 |
芳賀 綾香 |
ゆっくりの背泳ぎで見る空の雲 |
岡 崎 |
中一 |
山脇 有紗 |
ゆらゆらとプールの底の水のあや |
桜 川 |
中二 |
安田 陽郁 |
汗ばむやプールサイドの準備運動 |
豊 田 |
中二 |
高橋 智花 |
向日葵の反らずに揺れる根元から |
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吹嶺ジュニア俳句 令和5年9月号 |
☆特選☆ |
岡 崎 |
小五 |
竹田 颯貴
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新聞を丸めて連打油虫 |
選評 |
油虫(ゴキブリ)はすばしこく、丸めた新聞紙でたたいても、たたいても逃げられてしまいました。それを「連打」と表現したのがとても面白く、様子もよく分かりますね。また、上五・中七で何をしているかなと思わせて、その答えは油虫となりました。謎解きみたいでいいですね。
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☆秀逸☆ |
安 城 |
小四 |
近藤 流王 |
食べ歩くアイスキャンディー指ぬらす |
選評 |
暑い時の食べ歩き、最高ですね。私も「あずきバー」が好き。困るのは、ぼたぽたと溶けていくこと。溶けるまでに食べるか、指ぬらすかの勝負です。
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安 城 |
小四 |
丹羽早紀子 |
手をつなぎおじじとくぐる茅の輪かな |
選評 |
夏越の祓「茅の輪くぐり」。おじい様が手をつないでくださって良かったですね。切れ字の「かな」をうまく使いこなして句がまとまりましたね。 |
岡 崎 |
小五 |
江坂 紗彩 |
父と祖父ぷはーと言ってビール飲む |
選評 |
ビール飲むとき、あまりに美味しそうなので「ぷはー」と。泡が噴き出しそうだったのかな? 見たままを表現して面白い句に仕上がりました。 |
岡 崎 |
小五 |
原田 凛花 |
祖父に注ぐビールのあわがもり上がる |
選評 |
ビールを注いであげた凛花さん。泡が噴き出しそうに盛り上がる様子を素直に表現されました。勢い良過ぎるとこぼれるし、なかなか難しいですね。
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幸 田 |
小六 |
江藤 美波 |
トラックにあおられて飛ぶ夏の蝶 |
選評 |
蝶々も暑くてどこかに留まってお休みしてたのかな?急にトラックが通り過ぎあわてて飛び出した蝶。「あおられて飛ぶ」と中七の表現が見事です。 |
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☆入選☆ |
蒲 郡 |
五歳 |
三井さつき |
あめのおとかさにパチパチつゆたのし |
愛 西 |
五歳 |
河村 優奈 |
暗闇にぽつぽつ光るホタルかな |
名古屋 |
二年 |
石 川 凛 |
夏にはね虫がいっぱい虫さされ |
安 城 |
小四 |
梅田 愛華 |
かじったらアイスキャンディー落ちちゃった |
安 城 |
小四 |
遠藤 渚砂 |
あわてると頭がいたいかき氷 |
粕 屋 |
小四 |
飯田 晴仁 |
初めての野球練習あせ大量 |
岡 崎 |
小五 |
手島悠里愛 |
先生の話が長いプール開き |
岡 崎 |
小五 |
芽木 瑤子 |
水しぶきプールにひびくはしゃぐ声 |
小 牧 |
小五 |
稲山 若那 |
汗かいてクラスメイトと坂下る |
幸 田 |
小六 |
乗田瑠璃子 |
ナイターの父はビールを飲みまくり |
幸 田 |
小六 |
柚子 彩香 |
母さけぶゴキブリ出たと指をさす |
豊 田 |
中二 |
新實 颯太 |
冷麦の氷をかじる音ガリガリ |
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吹嶺ジュニア俳句 令和5年8月号 |
☆特選☆ |
磐 田 |
小三 |
齋藤 花凪
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青みどり絵の具のような初夏の山 |
選評 |
春から夏へと移る山の色の変化を上手に捉えています。春の山は、木々が芽吹いて柔らかい黄緑色ですが、夏の山は、木々の葉の色が深まり青緑色ですね。そして、その山の色の変化を絵の具に例えたのが見事でした。花凪さんの自然に目を向けて俳句を詠む姿勢が良いですね。
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☆秀逸☆ |
蒲 郡 |
五歳 |
三井さつき |
みどりからきいろになったミニトマト |
選評 |
ミニトマトは赤や黄色、オレンジ、グリーン、ブラック等カラフルですね。どれも花が咲き、緑の実から色づきます。その様子を上手く捉えました。
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安 城 |
小四 |
梅田 愛華 |
初夏や白くかがやく雲になれ |
選評 |
雲ってたくさん種類があり、どんよりした灰色は今にも雨が降り出しそう。夏が来て雲が白くかがやき、晴ればれしてほしい気持ちが込められてますね。 |
幸 田 |
小六 |
宇野佐久良 |
コップ手に父のさいそくビール注ぐ |
選評 |
佐久良さんが注いであげたのかな。ビールって人に注いで貰うと美味しいんです。お父さんのさいそくの様子「コップ手に」が具体的で良いですね。 |
岡 崎 |
中一 |
武藤 一生 |
歯磨きのミントの味や夏の朝 |
選評 |
ミント味の歯磨きで、夏らしく目覚めもすっきりでしょうね。一日の始まりの意気込みも伝わってきますし、ミントの味や、の切れ字がお見事です。
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豊 田 |
中二 |
間島 星来 |
母とするアイロン掛けや夏初め |
選評 |
アイロン掛けのお手伝い、お疲れ様。カッターやハンカチ等、夏は多くなりますね。お手伝いのひとこまを俳句に詠めるなんて素敵です! |
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☆入選☆ |
愛 西 |
五歳 |
河村 優奈 |
田んぼからカエルげろげろ歌ってる |
名古屋 |
小二 |
石 川 凛 |
夏休みはやくこないとないちゃうよ |
蒲 郡 |
小四 |
三井悠有里 |
夏ぼうしベンチにすわりジュースのむ |
安 城 |
小四 |
青木 獅子 |
ゴキブリがトイレに出たぞ姉の声 |
安 城 |
小四 |
築山妃美花 |
ほかほかの竹の子ご飯おいしいな |
粕 屋 |
小四 |
飯田 晴仁 |
ほたるってつかまえたのに熱くない |
岡 崎 |
小五 |
江坂 紗彩 |
お祭りのろ店に並ぶおもちゃかな |
岡 崎 |
小五 |
手島悠里愛 |
里山の木々のかがやき夏になる |
岡 崎 |
小五 |
由良 来香 |
母の日にかたたたきけん手わたした |
小 牧 |
小五 |
稲山 若那 |
グラタンを私が作る母の日に |
幸 田 |
小六 |
時田 智代 |
動かないトイレの窓のヤモリかな |
幸 田 |
小六 |
江藤 美波 |
母の日や弟と買うプレゼント |
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吹嶺ジュニア俳句 令和5年7月号 |
☆特選☆ |
幸 田 |
小六 |
久留木良々
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うずくまる庭のにわとりのどかなり |
選評 |
お家で鶏を飼っているのですね。私が小学校の頃も家で鶏を飼っていました。鶏も日向ぼこをするのか分かりませんが、暖かくなると時々地面にうずくまっていました。
良々さんの俳句は、そういった様子がよく伝わり、春らしいのどかな様子が素直に表現されています。
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☆秀逸☆ |
蒲 郡 |
小四 |
三井悠有里 |
春のかぜヨーグルト味の薬のむ |
選評 |
お子様用の風邪薬にヨーグルト味の顆粒タイプが有り、飲みづらい思いが少なくなりました。風邪のつらさをやわらげる様子を上手く表現されてます。
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篠 栗 |
小四 |
飯田 晴仁 |
こいのぼり泳いでいながら日光浴 |
選評 |
本物の鯉は池などの水中を泳ぎますが、こいのぼりは空中を泳ぎお日さまの恩恵を受け日光浴が出来ますね。一石二鳥のこいのぼり、羨ましいです! |
安 城 |
小四 |
加藤野乃花 |
すぐばれる友達のうそ四月馬鹿 |
選評 |
「うそ」って本当にすぐばれますよね。にやにやしていたり、態度や表情で。「四月馬鹿」という季語を上手に使いこなした俳句が出来ました。 |
岡 崎 |
小五 |
原田 凛花 |
息をするお玉じゃくしの立ち泳ぎ |
選評 |
お玉じゃくしは卵から出た頃はえらで呼吸、成長すると鼻や口で息をするため立ち泳ぎをして肺で呼吸する蛙に。陸に上がる日が近い様子を捉えました。
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岡 崎 |
小五 |
吉田 月渚 |
はちの土指であなあけ朝顔まく |
選評 |
朝顔の種をまいた月渚さん。そろそろ咲き始めますね。何色かな?毎朝確かめるのも楽しみの一つ。「指であなあけ」と、具体的な描写が良いですね。 |
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☆入選☆ |
愛 西 |
五歳 |
河村 優奈 |
風吹けば藤のカーテンきれいだな |
桜 川 |
小二 |
安田航太朗 |
ブランコや桜の雲に乗りたいな |
安 城 |
小四 |
石川 沙織 |
次の子へひしゃくをわたす花祭 |
名古屋 |
小四 |
牧野 璃久 |
沖縄のとばされそうな春の風 |
岡 崎 |
小五 |
市川 康弘 |
めんどうだ土筆のはかま取り続け |
岡 崎 |
小五 |
丸 山 圭 |
さがしても見つけられない揚ひばり |
岡 崎 |
小五 |
芽木 瑤子 |
弟と走って転ぶピクニック |
名古屋 |
小五 |
石 川 遥 |
花がさく色とりどりできれいだな |
桜 川 |
小五 |
安田 歩実 |
草餅や手芸のうまい男の子 |
幸 田 |
小六 |
津田 莉里 |
手つないで入場をする一年生 |
幸 田 |
小六 |
吉川 七海 |
朝桜もう散るのかと父が言う |
岡 崎 |
中一 |
根本 波瑠 |
山ごとに違う緑の春の山 |
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吹嶺ジュニア俳句 令和5年6月号 |
☆特選☆ |
岡 崎 |
中二 |
三沢 舞香
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のどかさや猫が寝転ぶ裏通り |
選評 |
猫は用心深い動物です。その猫が裏通りの道路に寝転んでいるなんて、本当にのどかな情景ですね。その裏通りに住んでいる人たちは、猫をかわいがっていると思います。
上五の季語「のどかさ」が、中七・下五の様子をまとめた形になっていて、句にまとまりがあります。 |
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☆秀逸☆ |
小 牧 |
小四 |
稲山 若那 |
追いかけてまた追いかけて花吹雪 |
選評 |
雪がふぶいているかのように舞い散る花びら。つい追いかけたくなる様子を「追いかけてまた追いかけて」とリフレインをきかせて上手くまとめました。 |
岡 崎 |
小四 |
戸田智恵理 |
友達のたんぽぽのわたふき飛ばす |
選評 |
咲き終わると綿毛をひろげ風に乗るたんぽぽ。智恵理さんは友達のをふき飛ばし、どこへ飛んでいったのかしら。仲良しのやりとりが目に浮かびます。 |
安 城 |
小六 |
石川 沙織 |
初ちょうの黄色をちらり窓の外 |
選評 |
何気なく窓を見たら視界に黄色がひらひらと。蝶々でした。「初ちょう」の季語を使い、今春はじめて見た嬉しさを素直に表現されました。 |
豊 田 |
中一 |
斉藤瀬里奈 |
独り立つ玄関先や春の暮 |
選評 |
「春の暮」は春の終わる頃と夕暮れの二つの意味が有りますが、玄関先に独り佇む瀬里奈さんは一体何を? にわか詩人になられたような雰囲気ですね。
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小 牧 |
中一 |
稲山 瑠莉 |
菜の花の小径を抜けて本屋行く |
選評 |
菜の花がいっぱい咲いている小径。華やかで晴々としていますね。そんなルンルン気分で本屋さんへ。きっと良書に巡り合えたことでしょう。 |
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☆入選☆ |
蒲 郡 |
五歳 |
三井さつき |
おひがんだひゃくのおじぞうさんならぶ |
愛 西 |
五歳 |
河村 優奈 |
棚田にはおたまじゃくしいっぱいだ |
桜 川 |
小一 |
安田航太朗 |
ジャンプしてさくらのくもにのりたいな |
名古屋 |
小一 |
石 川 凛 |
花びらがひらひらおちるさくらの木 |
名古屋 |
小一 |
宮田 倖名 |
しゃぼん玉いろんないろが光ってる |
扶 桑 |
小二 |
長 崎 陽 |
ぶらんこの立ちこぎとてもあこがれる |
篠 栗 |
小三 |
飯田はると |
校庭に開花宣言二十輪 |
岡 崎 |
小四 |
青山絵里香 |
早くさく今年のさくら青い空 |
岡 崎 |
小四 |
成瀬真一郎 |
弟と散りくるさくらキャッチする |
幸 田 |
小五 |
梶山 芽衣 |
よびかけに卒業生のなみだ落ち |
幸 田 |
小五 |
宮田 大地 |
先ぱいのなみだがゆかに卒業歌 |
安 城 |
小六 |
与田 愛乃 |
目をつむり日差を浴びる春の昼 |
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吹嶺ジュニア俳句 令和5年5月号 |
☆特選☆ |
蒲 郡 |
小三 |
廣中みくり
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スケートのかべにつかまりかに歩き |
選評 |
初めてスケートをする子供の様子が、この句からよく伝わります。初めてのときは、転んでばかりでうまく滑ることができませんね。ですから、スケートリンクを壁伝いに歩きます。その様子を「かに歩き」と表現したのが、とても良いと思います。 |
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☆秀逸☆ |
蒲 郡 |
五歳 |
三井さつき |
おひなさまごはんひとつぶだけのくち |
選評 |
おひなさまのくちって、ちいさくてかわいいですね。ごはんもひとつぶ食べるのがやっとかな。「ごはんひとつぶだけのくち」とうまく表現されました。 |
篠 栗 |
小三 |
飯田 晴仁 |
ね仏の足にさわって梅の花 |
選評 |
ね仏の足にさわった晴仁くん。きっとひんやりとされたことでしょう。梅の花見もされた初春のひととき、うきうきした気持ちが伝わってきます。 |
幸 田 |
小五 |
小川 翔太 |
春昼やそでたくし上げおにごっこ |
選評 |
おにごっこ、楽しいですね。私も小三の孫が遊びにくると三人で鬼ごっこやかくれんぼをします。「そでたくし上げ」に夢中な様子が伝わってきます。 |
安 城 |
小六 |
寺田ときよ |
薄氷をすくえばパリと割れにけり |
選評 |
薄氷を踏んだのではなく、すくったのですね。残念ながら割れてしまいました。「パリと割れにけり」に残念な様子も込められ上手く表現されました。
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岡 崎 |
中二 |
坂崎 詩織 |
足先からうつらうつらと春ごたつ |
選評 |
こたつに入ると足先から温かくなりますね。つい眠気を感じてしまうことを「足先からうつらうつら」とは、なかなか面白い表現で感心しました。 |
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☆入選☆ |
名古屋 |
小一 |
石 川 凛 |
ほっかいどうそとはシベリアなかハワイ |
蒲 郡 |
小三 |
三井悠有里 |
何枚も着物重ねてひな人形 |
岡 崎 |
小四 |
青山絵里香 |
ばあちゃんとこんにゃくにさす針供養 |
岡 崎 |
小四 |
根岸 智花 |
さがしても見つけられないひばりかな |
小 牧 |
小四 |
稲山 若那 |
母さんに早く出してとおひなさま |
幸 田 |
小五 |
神野 彩香 |
昼休み校舎まぶしき春日かな |
幸 田 |
小五 |
丸 尾 奏 |
春の朝自分で作る目玉焼き |
安 城 |
小六 |
木 下 巧 |
わらびもち黄粉こぼしてしかられて |
安 城 |
小六 |
長 沢 翔 |
春昼や給食食べてねむくなる |
豊 田 |
中一 |
斉藤瀬里奈 |
はらわたと頭を残す目刺かな |
小 牧 |
中一 |
稲山 瑠莉 |
リスニング無事聞き終えて大試験 |
岡 崎 |
中二 |
西田 宙生 |
真ん円の梅の花びら掃き集め |
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吹嶺ジュニア俳句 令和5年4月号 |
☆特選☆ |
安 城 |
小六 |
野本詩絵理
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玄関にくつがいっぱいお元日 |
選評 |
正月になって、親戚の人たちがたくさん集って来たのですね。それを玄関の靴の多さで表現したのが、とても上手だと思います。にぎやかで楽しいお正月でしたね。
親戚の子供たちと何をして遊びましたか。親戚の子と遊ぶことができるのも、お正月の楽しみですね。
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☆秀逸☆ |
桜 川 |
小一 |
安田航太朗 |
キラキラの春の妖精やってきた |
選評 |
春の妖精とは一体何かしら「桜」「蝶々」「小鳥」など考えているだけで楽しくなりました。春の訪れを「妖精」で表されて素敵です。 |
扶 桑 |
小二 |
長 崎 陽 |
冬の朝テレビ切るよとママが言う |
選評 |
冬の朝は寒いので暖かい部屋でテレビ見たりしたいですね。でも学校やらお稽古事に行かせなくっちゃ、とお母さんの出番。行動開始ですね。 |
篠 栗 |
小三 |
飯田 晴仁 |
冬休みワクワクドキドキ一人旅 |
選評 |
冬休み、おじいちゃん・おばあちゃんの家へ。初めての一人旅で不安ながらも「ワクワクドキドキ」と、嬉しさと期待感を上手に表現されましたね。 |
岡 崎 |
小四 |
菊田 夢佳 |
数えてみる友達からの年賀状 |
選評 |
お正月に年賀状を読むのは楽しみの一つですね。きっと夢佳さんもたくさん出して、たくさん届いたことでしょう。嬉しさのあふれた句となりました。
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安 城 |
小六 |
藤田 真琴 |
ちゃんちゃんこそでたくし上げお茶を飲む |
選評 |
ちゃんちゃんこ、暖かいですね。真琴さんは六年生だから大人サイズかしら。袖が邪魔しないようにたくし上げて飲んでいる姿が目に浮かびます。
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☆入選☆ |
蒲 郡 |
五歳 |
三井さつき |
どうろのきはだかんぼうでさむそうに |
愛 西 |
五歳 |
河村 優奈 |
春の窓虹がきれいに浮かんでる |
八王子 |
小二 |
長沼ひなこ |
冬休みひとりるす番七時間 |
蒲 郡 |
小三 |
三井悠有里 |
ゆずのふろ体も心もポッカポカ |
名古屋 |
小三 |
牧野 璃久 |
雪の朝パパのてつだい雪をかく |
岡 崎 |
小四 |
仁藤香里奈 |
だいだいは鏡もちよりすぐ落ちる |
岡 崎 |
小四 |
細田幸一郎 |
焼いもの熱々ほくほくおいしいな |
幸 田 |
小五 |
坂田 颯矢 |
やったぞう大吉ひいた初みくじ |
幸 田 |
小五 |
吉川 七海 |
強い風落ちた注連縄つけ直す |
安 城 |
小六 |
与田 愛乃 |
十人の集団登校息白し |
豊 田 |
中一 |
志賀 聖也 |
ストーブにいも載せフライパン被せ |
岡 崎 |
中二 |
疋田 美優 |
何回も滑って転ぶスキーかな |
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吹嶺ジュニア俳句 令和5年3月号 |
☆特選☆ |
岡 崎 |
中二 |
相川喜美香
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テレビつけこたつで母が船をこぐ |
選評 |
十二月になると、お正月を迎えるためにいろいろな準備をしますね。大掃除やお正月のための買い物などなど。その中心になるのはお母さんですね。疲れて、つい居眠りをしたお母さんの様子を素直に捉えることができました。俳句は素直に詠むのが一番ですね。
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☆秀逸☆ |
桜 川 |
小一 |
安田航太朗 |
風吹いて枯れ葉のダンスくるくるくる |
選評 |
寒い冬。風が吹くと枯れ葉が落ちて舞いますね。まるでダンスをして踊っているようです。その様子を「くるくるくる」と見事に描きました。 |
岡 崎 |
小四 |
清 水 卓 |
マンガ本ならべ直して十二月 |
選評 |
年末のお片付け。先ず本棚からスタート。好きなマンガ本を順番に並べ直して、さぁ次は?、と十二月への意気込みが感じられますね。 |
岡 崎 |
小四 |
芽木 瑤子 |
レジぶくろいっぱいさげて年用意 |
選評 |
良いお買い物のお手伝いされたのかな?新年を迎えるために買いたい物がたくさんありますね。「レジぶくろいっぱいさげて」と具体的なところがです。 |
安 城 |
小六 |
田村 晴翔 |
できたての年越そばにめがね取る |
選評 |
できたての年越そば。湯気が立ってめがねがくもりそう。思わず外しました。
年越そば、美味しかったことでしょう。素直な気持ちが表現されてますね。 |
豊 田 |
中一 |
新實 颯太 |
山茶花の掃いて散るまた掃いて散る |
選評 |
山茶花は次々と咲き継ぎ、散るときは花びらがバラバラになって散りますね。
きれいに掃いたのに、また散って、と気ぜわしい様子を上手く捉えました。 |
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☆入選☆ |
蒲 郡 |
五歳 |
三井さつき |
アマゾンでなにかとどいたサンタかな |
愛 西 |
五歳 |
河村 優奈 |
幼稚園みんなであそぶ鬼ごっこ |
名古屋 |
小一 |
石 川 凛 |
サンタさんトナカイのってくるんだよ |
八王子 |
小二 |
長沼ひなこ |
ピカピカにみがいたりんご半ぶんこ |
篠 栗 |
小三 |
飯田はると |
もちつきは思ったよりも重かった |
蒲 郡 |
小三 |
廣中みくり |
マラソンの白い息はく運動場 |
岡 崎 |
小四 |
大須賀瀬里 |
ストーブにかけたやかんは湯気いっぱい |
小 牧 |
小四 |
稲山 若那 |
冬の空大なわとびができた朝 |
蒲 郡 |
小五 |
廣中 一瑛 |
初雪のぼくの手の上とけてゆく |
幸 田 |
小五 |
田中 時也 |
おでん食べる父は大根ぼく玉子 |
安 城 |
小六 |
崎山 香蓮 |
除夜のかね数えていたらねむってた |
岡 崎 |
中二 |
梅村 亜衣 |
夕月の枯枝の先引っかかる |
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吹嶺ジュニア俳句 令和5年2月号 |
☆特選☆ |
幸 田 |
小五 |
伊山 愛華
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猫の絵のカレンダー買う十二月 |
選評 |
一読、なるほどと納得しました。確かに十二月になると、どこの本屋さんでも、文房具屋さんでも、カレンダーを売っています。十二月の風物詩と言ってよいでしょう。愛華さんの俳句はそのことをよく捉えています。かわいい猫の絵のカレンダー、毎月替わる猫が楽しみですね。
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☆秀逸☆ |
蒲 郡 |
小三 |
三井悠有里 |
満月がかげにかくれて赤くなり |
選評 |
地球にかくれんぼした満月、しばらくすると赤胴色になり肉眼でもはっきり見えた皆既月食でしたね。その様子を見事に表現されています。 |
岡 崎 |
小四 |
鋤柄 愛優 |
さざんかを掃く間にも花が散る |
選評 |
生垣などの山茶花(さざんか)は次々と咲き継ぎ、散るときは花びらがばらばらになって次々と散ります。「掃く間にも」と上手く捉えましたね。 |
蒲 郡 |
小五 |
廣中 一瑛 |
白い息はいて皆既月食見上ぐ |
選評 |
皆既月食、素晴らしかったね。よく見える所へ行こうと走ったりされたのかな?小寒い夜でしたし「白い息はいて」に嬉しさも込められていますね。
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幸 田 |
小五 |
安藤 康太 |
ストーブに手の平と手の甲かざす |
選評 |
なるほど、手の平だけでなく手の甲もかざすと温かくなりますね。きっと心や体も暖かくほっこりとしたことでしょう。具体的で良いですね。 |
安 城 |
小六 |
羽田 麻衣 |
北風や胸元押さえて登校する |
選評 |
朝の北風は身に沁みますね。少しでも防ごうと胸元押さえながら登校される麻衣さんの姿が目に浮かびます。「北風や」と切って調べも良くなりました。 |
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☆入選☆ |
蒲 郡 |
五歳 |
三井さつき |
おじぞうさんみんなちがうかおあきさんぽ |
篠 栗 |
小三 |
飯田はると |
ばあちゃんちイルミネーションで明るいよ |
蒲 郡 |
小三 |
廣中みくり |
うっすらとかいき月しょく赤色に |
岡 崎 |
小四 |
大須賀瀬里 |
息かけてこすりあわせるかじかむ手 |
岡 崎 |
小四 |
酒井 君子 |
おそろいの手袋を買う友達と |
岡 崎 |
小四 |
細田幸一郎 |
涙出たおでんにからしつけすぎた |
小 牧 |
小四 |
稲山 若那 |
玉ころがし敗けて悔しい秋の空 |
幸 田 |
小五 |
須藤 勇人 |
ストーブのやかんの湯気を手に当てる |
安 城 |
小六 |
与田 愛乃 |
いっせいに鳥が飛び立つ冬木かな |
豊 田 |
中一 |
阿部 一花 |
校庭を一気に濡らす時雨かな |
小 牧 |
中一 |
稲山 瑠莉 |
文化祭皆はしゃいで天高し |
岡 崎 |
中二 |
三沢 舞香 |
デパートへ母と買い物冬はじめ |
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吹嶺ジュニア俳句 令和5年1月号 |
☆特選☆ |
安 城 |
小六 |
鷲山 玲央
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冬が来た母がゆさぶる朝ねぼう |
選評 |
冬になると、なかなか蒲団の中から出たくないですね。しかし、学校はあるし、朝ご飯も食べなければなりません。お母さんがじれて、玲央くんを起こしに来ました。そんな様子がよく伝わります。お母さんと玲央くんの気持ちが行為に表れています。面白くて良い俳句だと思います。
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☆秀逸☆ |
篠 栗 |
小三 |
飯田はると |
校庭にいすをならべて観月会 |
選評 |
学校の行事でしょうか、それとも町内の行事でしょうか。いすに座って友達と観月会。いや、月よりも友達との方が楽しそうですね。 |
幸 田 |
小五 |
小川 翔太 |
そこはけと祖父の命令散もみじ |
選評 |
木に残る紅葉、散った紅葉きれいですね。お祖父さんと一緒に庭掃除をして、お祖父さんの言ったことをそのまま俳句にしたのがいいですね。 |
幸 田 |
小六 |
梶山 芽衣 |
焼いもの売り声聞いて追いかける |
選評 |
焼きいも屋さんを追いかける芽衣さんの姿が目に浮かびます。楽しい俳句ですね。自分がしたことをそのまま俳句にしたのがうまくいきました。
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蒲 郡 |
小五 |
廣中 一瑛 |
たいこの音心にひびく秋祭 |
選評 |
お祭り、楽しみで、楽しみで、わくわくしますね。そんな心に太鼓の音が響きます。いいえ、響くのは心ばかりでなく体にも響きますね。 |
岡 崎 |
中二 |
坂崎 詩織 |
紅葉散るまた紅葉散る水の上 |
選評 |
水の上での紅葉の重なり、紅葉が落ちたときの水輪の重り。「紅葉散る」の繰り返しが重なりの効果を出しています。とても美しい景色ですね。 |
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☆入選☆ |
蒲 郡 |
小三 |
三井悠有里 |
きんちょうし和太こたたく秋の浜 |
岡 崎 |
小四 |
青山絵里香 |
妹の着がえ手伝う七五三 |
岡 崎 |
小四 |
根岸 智花 |
真っ先に玉子をすくうおでんかな |
岡 崎 |
小四 |
二木 透哉 |
湯豆腐を口に入れたらやけどした |
小 牧 |
小四 |
稲山 若那 |
汗にぎる発表会の出番前 |
幸 田 |
小五 |
伊山 愛華 |
押し入れの中のストーブ取り出した |
幸 田 |
小五 |
宮田 大地 |
すき焼きの肉ばかり取りしかられた |
幸 田 |
小五 |
吉川 七海 |
柿落葉色のきれいな葉を拾う |
安 城 |
小六 |
石川 沙織 |
目に染みるけむりばかりの落葉たき |
安 城 |
小六 |
藤田 真琴 |
熱かんの父の晩しゃく注いであげる |
豊 田 |
中一 |
斉藤瀬里奈 |
木枯や干したワイシャツはためいて |
岡 崎 |
中二 |
長田 栄美 |
寒い日と暖かい日の十一月 |
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吹嶺ジュニア俳句 令和4年12月号 |
☆特選☆ |
岡崎 |
中二 |
奥 村 爽
|
背伸びして引けば寄りくる烏瓜 |
選評 |
熟れた烏瓜は赤くて艶があり奇麗ですね。子供の頃、烏瓜の種を財布に入れていました。形は打出の小槌、色は乾燥すると金色、持っているとお金持ちになれると。
俳句に動詞三つは多いのですが、この句の場合は、爽くんと烏瓜の動きをうまく表現して良いと思います。 |
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☆秀逸☆ |
八王子 |
小二 |
長沼ひなこ |
かまきりが青い空からふってきた |
選評 |
かまきりだってはねがあるので飛びます。目の前に飛んできたのには驚いたでしょうね。それを「空からふってきた」と表現したのが上手です。 |
篠 栗 |
小三 |
飯田はると |
ひつじ雲たくさんの目がならんでる |
選評 |
青空にきれいに並んだひつじ雲はきれいですね。ひつじ雲の一つ一つの点々を「目」と捉えたのが、はると君の独自の感性であり表現ですね。 |
安城 |
小六 |
石川 沙織 |
ぶらぶらと鼻取れそうなかかしかな |
選評 |
頑張って鳥を追っ払っているかかしさん。鼻が取れそう何てかわいそう。しかし、くすりと笑いたくなる楽しい句です。良い発見をしましたね
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安城 |
小六 |
保田 恵子 |
折れてばかり団栗にさすつまようじ |
選評 |
団栗ゴマを作ろうとしているのですね。書く順番を変えて「折れてばかり」を最初に書き、何が折れそうなのかと思わせたのが良いですね。 |
豊 田 |
中一 |
新實 颯太 |
運動会音立ててふる応援旗 |
選評 |
音がするほど応援旗を振ったのですね。しかも大きな応援旗。秋晴の下に一生懸命に旗を振る姿が見えます。元気一杯、力強い俳句です。 |
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☆入選☆ |
蒲 郡 |
小三 |
三井悠有里 |
自習時間おにやんま来る教室に |
岡崎 |
小四 |
牛 田 瞳 |
みかんむく顔にかかった皮のしる |
岡崎 |
小四 |
仁藤香里奈 |
運動会たいこに合せて玉投げる |
岡崎 |
小四 |
水 沼 正 |
大きいの取って後ろへ赤い羽根 |
岡 崎 |
小四 |
芽木 瑤子 |
つな引きですべって転ぶ運動会 |
小 牧 |
小四 |
稲山 若那 |
たのしいなお月見してる父さんと |
幸田 |
小五 |
菱田 茉莉 |
近づいてどんぐり独楽のはじけたり |
幸 田 |
小五 |
崎山 香蓮 |
投げすてる赤白ぼうし運動会 |
安城 |
小六 |
野本詩絵理 |
どこまでも透きとおる青秋の空 |
安 城 |
小六 |
萬 田 茂 |
秋の野にクラス仲間と鬼ごっこ |
郡 上 |
小六 |
村 瀬 凛 |
冬休みこたつでごろごろひとやすみ |
小 牧 |
中一 |
稲山 瑠莉 |
ひとかじり林檎の果汁口の中 |
|
|
伊吹嶺ジュニア俳句 令和4年11月号 |
☆特選☆ |
岡崎 |
小四 |
青山絵里香
|
指回しとんぼに接近おじいさん |
選評 |
おじいさんもそうですが、私が子供の頃は、素手でトンボ捕るとき、みんな指を回しながらトンボに近づいていました。なぜそうしていたかというと、トンボが目を回して飛べなくなるとみんな思っていたからです。絵里香さんは、おじいさんに指を回すわけを聞いてみましたか。 |
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☆秀逸☆ |
幸田 |
小五 |
梶山 芽衣 |
ゆで立てのとうもろこしをパキと折る |
選評 |
ゆでたとうもろこしおいしいですね。誰かと半分こするのでしょうか。「パキと折る」に実感がこもっています。黄色いとうもろこしの匂いがします |
幸田 |
小五 |
細 井 晴 |
妹のぼうしかくれる花野かな |
選評 |
前を行く妹さんの帽子が、見えなくなってしまいました。背の高い秋草、色とりどりの秋草の中に隠れてしまいました。日差しを感じる美しい景です。 |
安城 |
小六 |
田村 晴翔 |
じじと採る五十センチのへちまかな |
選評 |
これは驚きです。五十センチとはとても大きなへちまです。へちまを真ん中にして、記念写真を撮りましたか。採ったへちまでたわしでも作りますか。
|
安城 |
小六 |
羽田 麻衣 |
目の前を行ったり来たり鬼ヤンマ |
選評 |
確かに鬼ヤンマは同じ所を行ったり来たりする習性があります。よく気付きました。ずっと見ていたのですね。麻衣さんのそういう姿勢はいいですね。 |
岡崎 |
中二 |
疋田 美優 |
日の匂い草の匂いの花野かな |
選評 |
よく晴れた秋の一日。花野に分け入って十分に満喫しましたね。そのことが、「日の匂い草の匂い」という上手な対句によって表現できました。 |
|
☆入選☆ |
篠栗 |
小三 |
飯田はると |
北アルプス初の登山は高山病 |
岡崎 |
小四 |
国松 統寛 |
夕飯に小さなさんまやっと出た |
岡崎 |
小四 |
鋤柄 愛優 |
コオロギが風ろ場のまどで鳴いている |
岡崎 |
小四 |
平山 穂香 |
名月を物ほし台に上り見る |
小牧 |
小四 |
稲山 若那 |
夏休仲よくしたい転校生 |
幸田 |
小五 |
坂田 颯矢 |
弟と団子を食べる月見かな |
幸田 |
小五 |
宮田 大地 |
はぜつりのゴカイを父につけてもらう |
安城 |
小六 |
崎山 香蓮 |
名月を湯気の中より見上げたり |
安城 |
小六 |
鷲山 玲央 |
ずるずるとカップめんすする夜食かな |
豊田 |
中一 |
阿部 一花 |
学校の生活慣れぬ九月かな |
小牧 |
中一 |
稲山 瑠莉 |
夏祭屋台のにおい友と居る |
犬山 |
中二 |
西 田 希 |
赤組の応援団長秋茜 |
|
|
伊吹嶺ジュニア俳句 令和4年10月号 |
☆特選☆ |
豊田 |
中一 |
斉藤瀬里奈
|
泡光る緑の海のソーダ水 |
選評 |
ソーダ水の泡はきれいですね。次々と上ってくる泡を見詰めていると、何だか自分がその中に吸い込まれてしまうような気持ちになります。「緑の海」という言葉が、この句を読んで、そんな気持ちにしてしまうのでしょう。「緑の海」とても上手な表現だと思います。 |
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☆秀逸☆ |
岡崎 |
小四 |
菊田 夢佳 |
連れてって母にお願い海開き |
選評 |
私も子供の頃、海に連れてってとよく母に頼んだものです。夢佳さんの俳句は、自分の気持ちを素直に表現できています。俳句は素直が一番ですね。 |
蒲郡 |
小五 |
廣中 一瑛 |
すいか割りバシッと一発決めにけり |
選評 |
一瑛くんの俳句の「バシッと一発決めにけり」は、内容も調べも勢いのある表現になっています。特に「けり」は、目の前で決まった感じがします。 |
幸田 |
小五 |
丸 尾 奏 |
突っついてまた突っついておじぎ草 |
選評 |
おじぎ草を見ると、つい突っついてみたくなりますね。しかもすべての葉が閉じるまで。その気持ちが、言葉を繰り返すことでうまく表現できています。
|
安城 |
小六 |
沼田 英人 |
音立ててさじ突き立てるかき氷 |
選評 |
器にこんもりと盛ってあるかき氷。そのかき氷の真ん中にさじを突き立てているのですね。俳句の基本は観察。英人くんはよく見ていましたね。 |
岡崎 |
中二 |
長田 栄美 |
風鈴の鳴りやむを待ち外しけり |
選評 |
夕方に風鈴を外しているのですね。しかし、せっかく風鈴が鳴っているのだから、鳴り終わるまで待とうという栄美さんの気持ちがよく伝わります。 |
|
☆入選☆ |
磐田 |
小二 |
さいとうはな |
ハンモックあっという間にゆめの中 |
蒲郡 |
小三 |
三井悠有里 |
おぼれそうつま先で立つ大プール |
蒲郡 |
小三 |
廣中みくり |
ほそいひびのぞけば黄色すいかわり |
篠栗 |
小三 |
飯田はると |
八方尾根の雪けい歩くおさるさん |
岡崎 |
小四 |
成瀬真一郎 |
かじったらとたんに落ちた氷菓子 |
小牧 |
小四 |
稲山わかな |
カルピスを飲んで花火のかんせんだ |
幸田 |
小五 |
根本 壮悟 |
こうもりのジグザクに飛ぶ暗い池 |
幸田 |
小五 |
照山 塔子 |
見つければ必ずさわるおじぎ草 |
安城 |
小六 |
鈴木英美里 |
手をぬらすアイスクリームぽたぽたと |
郡上 |
小六 |
村瀬 りん |
コスモスが風にふかれておどっている |
小牧 |
中一 |
稲山 瑠莉 |
夏休み課題の山に立ち向かう |
岡崎 |
中二 |
羽佐田英二 |
街灯に浮かぶ花壇の月見草 |
|
|
伊吹嶺ジュニア俳句 令和4年9月号 |
☆特選☆ |
安城 |
小六 |
崎山 香蓮 |
あめんぼの足の数だけ水へこむ |
選評 |
「足の数だけ水へこむ」よく見つけましたね。立って眺めているだけでは気づきません。きっとしゃがんでアメンボをしっかり見ていたのですね。
見つけたことを具体的に表現しました。足の数と水のへこみを結びつけたことが素晴らしいですね。 |
|
☆秀逸☆ |
東海 |
四歳 |
神津 迅美 |
ついぺろりゆびまでおいしいゼリーかな |
八王子 |
小二 |
長沼ひなこ |
耳たぶにマイクロトマトかざりたい |
小牧 |
小四 |
稲山 若那 |
あじさいの花をバックにツーショット |
豊田 |
中一 |
新實 颯太 |
蚊を飲んで喉が震えるやもりかな |
岡崎 |
中二 |
梅村 亜衣 |
どくだみの夜にも白い十文字 |
|
☆入選☆ |
蒲郡 |
四歳 |
三井さつき |
かたつむりのめだまとびだすギョロギョロギョロ |
桜川 |
小一 |
安田航太朗 |
夏休み電車で行きたいおじいちゃんち |
蒲郡 |
小三 |
三井悠有里 |
モザイクのようにぼやけて夏の月 |
篠栗 |
篠栗 |
飯田はると |
暑すぎてプールのじゅぎょうがお休みだ |
桜川 |
小四 |
安田 歩実 |
十万円たまる貯金箱カタツムリ |
東京 |
小四 |
白川 絢音 |
雨上がり七色の橋が空高く |
岡崎 |
小四 |
平山 穂香 |
いっせいに口を開いたつばめの子 |
幸田 |
小五 |
小川 翔太 |
窓下にとつじょ鳴きだす雨がえる |
幸田 |
小五 |
細井 晴香 |
真っ直ぐにグラジオラスは青空へ |
安城 |
小六 |
木下 巧 |
飲み干してビー玉鳴らすラムネかな |
安城 |
小六 |
矢頭友里奈 |
あじさいにふれつつ登る石の段 |
岡崎 |
中二 |
西田 宙生 |
花びらを流れる雨や花しょうぶ |
|
|
伊吹嶺ジュニア俳句 令和4年8月号 |
☆特選☆ |
幸田 |
小五 |
田中 時也 |
祖父がふくとぎれとぎれの草の笛 |
選評 |
きっとお祖父さんは、時也君に草笛を教えてあげたかったのですね。草笛は強く吹くと音が出ません。
お祖父さんが子供の頃の小学生は、みんな吹いていました。タンポポの茎、スズメノテッポウ、アシの巻いた葉、カラスノエンドウの実など。懐かしいですね。
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☆秀逸☆ |
蒲郡 |
小三 |
三井悠有里 |
理科係ちょうのたまごはとうめいだ |
岡崎 |
小四 |
戸田智恵理 |
花なえに水たっぷりと夏になる |
安城 |
小六 |
長 沢 翔 |
青空の雲は真っ白夏来る |
豊田 |
中一 |
阿部 一花 |
おはようと手を振る友や更衣 |
犬山 |
中二 |
西 田 希 |
仲良しと自転車通学衣替え |
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☆入選☆ |
蒲郡 |
四歳 |
三井さつき |
みみずさんありにはこばれかわいそう |
蒲郡 |
小三 |
廣中みくり |
耳のそばブンと音立て大すすめばち |
篠栗 |
小三 |
飯田はると |
こいのぼり夜のあいだも泳いでる |
岡崎 |
小四 |
清 水 卓 |
豆飯の豆を選んで食べている |
小牧 |
小四 |
稲山 若那 |
バラの花いろんな名前楽しいな |
幸田 |
小五 |
神野 彩香 |
庭の畑そぼといっしょにナス植える |
幸田 |
小五 |
西山 那芸 |
母と姉さやえんどうのすじを取る |
安城 |
小六 |
寺田ときよ |
母の日のかたたたき券手わたして |
小牧 |
中一 | |