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TOPページへ戻る 投句フォーム 選句結果

選句結果                       選者 新井 酔雪
 
 伊吹嶺ジュニア俳句 令和6年9月号
  ☆特選☆
 
豊 田  中三 新實 颯太  人混みの地下道抜けて蝉時雨
 選評  人が混んでいる地下道。都会ではよくある光景ですね。人の流れに合わせて地下道を歩いているときは、蝉の声など全く聞こえません。しかし、地下道を抜けて地上に出るとにわかな?時雨。こんなにも蝉が鳴いていたのかと、驚いた瞬間を捉えていて良いと思います。
 ☆秀逸☆
 
丹 羽 小四 長 崎  陽  弟は兄をよびすてかしわもち
 選評  お兄さんを呼びすてするのは、きっと仲良しだからでしょうね。間に居る陽さんも、ほほ笑ましく思う気持ちが「かしわもち」に表れてお見事です。
幸 田 小四 蔦野光太郎
 荒梅雨や朝からあくびばかり出る
 選評

 激しく雨が降っている日。朝から外へも出られなく退屈している光太郎さん。思わず「あくび」が何度も出て。早くお天気になってほしいですね。

岡 崎 小五 安藤恵世良  ビール飲む父はぷはーと笑い顔
 選評  お父さまがビールを一杯、思わず「ぷはー」と笑顔に。最初の一杯は美味しいし一日の疲れもとれますね。笑顔のお父さまを上手く表現されました。
安 城 小六 安東 恵良  いつとなくうつらうつらと冷房車
 選評  冷房車に乗った恵良さん。汗が引いて心地よいひとときですね。思わずうつらうつらとうたたね。電車に揺られながらのうたたねって、最高ですね。
岡 崎 中一 小田 薫子  制服のリボンを選ぶ衣更
 選評  待ちに待った衣更。半袖が軽くて心地良いですね。薫子さんはリボンを選びながら、浮き浮きしている様子を句に纏めました。お見事です。
 ☆入選☆
 
蒲 郡
小一 三井さつき じてんしゃにのれますように星まつり
愛 西 小一 河村 優奈 くじ引きだ袋開けたらはずれ枇杷
幸 田 小四 近藤 雅美 夏草が道をふさいで通れない
幸 田
中根梨々花

夏つばめひらりひらりと雨の中

蒲 郡 小五 原 

つるばらが赤、黄、白と咲きみだれ

蒲 郡 廣中みくり

梅雨空の家庭科楽しかがり縫い

岡 崎 片岡 美幸 朝早く家族みんなで草取りだ
岡 崎 山田 聖子 夏の雲ふわふわどこへ飛んでいく
糟 屋
飯田 晴仁 炎天下人生初のホームラン
安 城 小六 宇野 雅美 せん水をプールで競う友達と
安 城 小六 加藤 光流 友達と水をかけ合うプールかな
岡 崎 中一 栗田 彩夏 梅雨一日トランプ遊びもう飽きた
 
 伊吹嶺ジュニア俳句 令和6年8月号
 ☆特選☆
 
岡 崎  小五 丸尾 光輝 夏つばめ宙返りして川わたる
 選評  町中を流れる大きな川の橋を渡っていると、こんな光景をよく見ます。燕がただ飛んでいるのでなく、「宙返り」と燕の飛ぶ様子を捉えたのがとても良いと思います。これによって、燕が縦横に自由自在に伸び伸びと飛んでいる様子が伝わってきます。
 ☆秀逸☆
 
幸 田 小四 近藤 雅美 ベランダの手すりにからむ鯉のぼり
 選評  子供の日を前に鯉のぼりが掲げられました。風が強かったのか、よく見ると手すりにからんでしまいましたね。その情景を素直に表現されて素敵です。
岡 崎 小五 安藤恵世良
 学校田ひざまでうずめ苗植える
 選評

 学校田でのお手植え。五年生の恵世良さんですと、かなり腰を曲げ膝をうずめるコツが必要ですね。上手く出来たかな?秋の収穫が楽しみですね。

安 城 小六 星野 瑠奈  夏野行くサイクリングの一列に
 選評  夏の街道を行くとサイクリンググループに出会った瑠奈さん。一列になって清々しく涼しそう。そんな様子を見事にとらえました。瑠奈さんも一員かな?
岡 崎 中一 富田 春菜  夏の雨屋根にしぶきが跳ねている
 選評  春雨のような「しとしと」ではなく、屋根にしぶきが跳ねる程の降り。「夏の雨」の本意を組んだ良句に仕上がりましたね。情景が目に浮かびます。
豊 田 中三 高橋 智花  艶やかな緑あふれる五月かな
 選評  風薫る五月、木々には若葉、新緑があふれる季節。その中でも「艶やかな緑」あふれると表現されて、初夏の若々しい様子を見事に詠まれましたね。
 ☆入選☆
 
愛 西
小一 河村 優奈 水槽でメダカ仲よく遊んでる
幸 田 小四 安藤 愛花 ソーダ水緑のあわが次々と
幸 田 小四 酒井 史生 ミント味のアイスクリームぼくは好き
幸 田
鈴木 真矢 あの木までかけっこをする夏野かな
丹 羽 小四 長 崎  陽

夏空にどんどん伸びる飛行雲

岡 崎 柴田 聖来

こっそりとかけてる母のサングラス

岡 崎 羽佐田留美 柏餅葉の大きさはいろいろだ
糟 屋 飯田 晴仁 葉桜の校門前で待ち合わせ
安 城
大塚凜々子 何色にしようか迷うソーダ水
安 城 小六 加納瑠璃子 一日中尾をたれている鯉のぼり
安 城 小六 宮島 有紗 もらい物のこのメロンまだかたかった
小 牧 小六 稲山 若那 若葉風爽やかに吹くたん生日
 
 伊吹嶺ジュニア俳句 令和6年7月号
 ☆特選☆
 
岡 崎  中一 小野 紀香  もつれ合い踏切渡る双つ蝶
 選評

踏切で双つ蝶を見付け紀香さん。良い発見でした。遮断機が上がると踏切を渡ることができます。向こう側につながった、渡れるという安堵感がありますね。そして、蝶を見付けると、明るさを感じ、春を感じます。踏切と蝶、何となくイメージが合っていますね。

 ☆秀逸☆
 
丹 羽 小三 長 崎  陽  ママ呼んでたんぽぽのわた吹きとばす
 選評  花が終わると綿ぼうしをかぶったようになるたんぽぽ。陽さんは綿毛を吹きとばしました。風にのって、新たな地に根付くことでしょう。楽しそうですね。
糟 屋 小五 飯田 晴仁
 三るい打ガッツポーズだ風光る
 選評

 三塁打を打った選手。うれしくて思わずガッツポーズ。〇〇打〇〇だのリフレインが効いて躍動感ある句に仕上がりました。お見事です。

岡 崎 小五 長田 相良  入場の一年生に歩を合わす
 選評  入学式でしょうか。幼くて可愛い一年生の入場。歩幅も短くゆっくり歩きますね。そんな彼らに歩を合わし誘導された相良さん。先輩、これからも宜しく。
安 城 小六 千賀芽衣紗  ありがとうさようならくり返す四月
 選評  六年生になられた芽衣紗さん。上級生に感謝を述べると「さようなら、今度は貴女達が頑張って。」とのエール。あと一年、楽しく過ごしましょうね。
豊 田 中三 本 京香  大樹より囀の降る一日かな
 選評  暖かくなって樹々にはたくさんの鳥が餌を求めたり休んだりしていますね。そんな鳥たちの囀りが降りしきるような一日。上手く句にまとまりました。
 ☆入選☆
 
丹 羽
五歳 長 崎  樹 はるがきたからすのおめめがまっしろだ
愛 西 六歳 河村 優奈 わからないうそかホントか四月馬鹿
蒲 郡 小一 三井さつき いしどかすくろいっぱいのありじごく
幸 田
安藤 愛花

妹と追いかけっこの里ざくら

幸 田 小四 星野希来里 きれいねと何回も言う庭ざくら
蒲 郡 市川夢之助 春がきた一年生をお出むかえ
岡 崎

柴田 聖来

タンポポをつんで花輪をプレゼント
岡 崎

黒川 新城

タンポポの真っ白な乳べたべたと

名古屋
牧野 璃久 桜の木満開になり五年生
安 城 小六 宇野 雅美 指差して見上げて歩く朝桜
安 城 小六 宮島 有紗 春日差畑耕す祖父と祖母
岡 崎 市川かおる 春の朝窓辺に鳥の声しきり
 
 伊吹嶺ジュニア俳句 令和6年6月号
 ☆特選☆
 
幸 田   六年 本山 虎南  初蝶といっしょに曲がる街角を
 選評

初蝶は黄色、それとも白色ですか。どちらにしても、初めて見る蝶は、春になった気持ちになってうれしいものです。思わず蝶の後をついていった気持ちもよく分かります。そんな初蝶を見た喜びを虎南くんの行動で捉えたのがとても良いと思います。

 ☆秀逸☆
 
愛 西 六歳 河村 優奈  遠足だわいわいみんなバスの中
 選評  待ちこがれた遠足。バスに乗ったらみんなのおしゃべりが「わいわい」と、にぎやかでしたね。優奈さんの楽しかった思いが伝わってきました。
安 城 小四 築山妃美花
 弟と長さを競う土筆つみ
 選評

 春が訪れあぜ道や土手に土筆が生えてきましたね。紀美花さんは弟さんと仲良く土筆つみをして、長さを競い合いました。さて、どちらが勝ったのかしら?

岡 崎 小五 筑紫瑠美香  三月や子ねこと遊ぶえん側で
 選評  三月、だんだん暖かくなってきましたね。瑠美香さんは、日当りの良い縁側で子猫ちゃんと遊んでいます。「三月や」の切れで句が上手くまとまりました。
岡 崎 小五 吉田 月渚  雛の間で歌合戦を友達
 選評  お雛様を飾った部屋で友達と歌合戦。カラオケみたいで、とても楽しそうですね。月渚さんのお得意は何かな?雛の間と歌合戦の取り合わせも面白いですね。
幸 田 小六 田 智代  順番に色を選んで雛あら
 選評  雛あられは三色か四色で作られていて、それぞれの色には意味が有り「一年を通して健やかに育ちますように」との願いが込められているそうです。順番に色を選んだ智代さん。何色から召し上がったのか、気になりました。
  ☆入選☆
 
蒲 郡 六歳 三井さつき えんそくでトンビにパンをたべられた
丹 羽 小三 長 崎  陽 三人で春の公園ケンケンパ
安 城 小四 石川 沙織

いちだんとなみだがふえる卒業歌

安 城 日田美志花

泣きながら退場をした卒業生

糟 屋 小四 飯田 晴仁 プリントを出し忘れていた春休み
岡 崎 市川 康弘

リード付けねこの散歩だ春の昼

岡 崎 芽木 瑤子

町中の川をかがやかす春入日

小 牧 稲山 若那

父誘い桜開花の通学

幸 田 梶山 芽衣 春分や先祖の墓に手を合わす
幸 田 小六 船山 蒼海 葉のすじが口に残った桜もち
岡 崎 中一 根本 波瑠 蓬餅口いっぱいに春広がる
豊 田 新實 颯太 初燕ひるがえりつつ川渡る
 
  伊吹嶺ジュニア俳句 令和6年5月号
  ☆特選☆
 
岡 崎  中一 貫山 瑠香  シャボン玉色失って割れにけり
 選評

シャボン玉は初め虹色に輝いていてきれいですね。やがて、その虹色が消えて割れてしまいます。全く瑠香さんの俳句のとおりです。瑠香さん、本当によく見ていましたね。とても感心しました。この俳句は、よく見て作るというお手本のような俳句です。

 ☆秀逸☆
 
愛 西 六歳 河村 優奈  遠足はみんな楽しみお弁当
 選評

遠足はみんなの楽しみですね。たくさん歩いた後、お腹も空いて頂くお弁当の時間は格別。友達と見せ合いっこなどして、美味しかったことでしょう。

安 城 小四 近藤 創輝 
 立春はなんだか空が明るいぞ
 選評

 ふと空を見上げ、なんだか明るいと気づいた創輝さん。そうか今日は立春、待ち焦がれた春のおとずれ。ワクワクした気持ちまで伝わってきましたよ。

岡 崎 小五 吉田 月渚  こっそりとバレンタインのチョコわたす
 選評  月渚さんには意中の人がみえるんですね。こっそりと渡した相手もきっと嬉しかったことでしょう。素直な俳句に気恥ずかしさも伝わってきます。
幸 田 小六 津田 莉里  ミシミシと薄氷指でおして割る
 選評  道端の薄氷を見つけてさわった莉里さん。ミシミシと音がするくらい割れましたね。具体的な表現で、状況が目に浮かぶ面白い句が詠めました。
豊 田 本 京香  一面の菜の花の黄や目になごむ
 選評  一面の菜の花畑。まぶしいほどの黄一色が、京香さんの目になごみました。それほど美しかったからでしょうね。「黄や」の切れが、お見事です。
 ☆入選☆
 
蒲 郡 小四 三井悠有里 みこまいの鈴をひねって梅の花
安 城 小四 遠藤 渚砂 ねこやなぎ日にきらきらと光ってる
安 城 小四 築山妃美花

うぐいすもち口の周りは黄粉だらけ

安 城 茂木総一郎

ぶらんこの高さを競う兄弟で

粕 屋 小四 飯田 晴仁 二分の一成人式に母は泣く
岡 崎 江坂 紗彩 しっぽだけお皿に残す目刺かな
岡 崎 野田 沙良

ふうふうと吹いてはすするあさり汁

岡 崎 芽木 瑤子

真ん丸の梅の花びら手にのせる

小 牧 稲山 若那

水仙の香りを吸って立ちつくす

幸 田 小六 江藤 美波 おにぎりを家族で食べる梅の下
幸 田 小六 乗田 美空 二月が春だなんてだれが言ったのか
岡 崎 根本 波留 出窓より朝日差し込む二月かな
 
 伊吹嶺ジュニア俳句 令和6年4月号
 ☆特選☆
 
幸 田  小 本山 大地 友からの文字まちがった年賀状
 選評

私が小学校の頃は、冬休みになる前に年賀状のやり取りを友達と約束したものです。そして、三学期が始まり、教室のあちこちで年賀状のことが話題になりました。そのとき友達から、「年賀状の字が違っていたぞ」と言われたことがありました。お互いに笑ってすむ友達っていいですね。

 ☆秀逸☆
 
丹 羽 小三 崎   たんぽぽへ紙ひこうきはちゅう返り
 選評

紙ひこうきを作るとき、ブーメランのように戻ってきたり宙返りする折り方がありますね。たんぽぽに留まらず、宙返りした様子を上手くまとめました。

糟 屋 小四 飯田 晴仁 
 ユニホーム並んで行くよ初もうで
 選評  初詣に出かけた晴仁さん。お揃いのユニホームを着たグループに出会いました祝勝祈願かな?ユニホームの人たち、良い結果が出るといいですね。
岡 崎 小五 田   元日や何度ものぞくゆうびん受け
 選評  お正月、楽しみは先ず年賀状ですね。何枚届くのか気になって何度ものぞいた瞳さん。待ち遠しい様子が見事に描かれました。さて何枚届いたかな?
幸 田 小六 津田 莉里  霜柱友と競ってふみつける
 選評  霜柱を見つけた莉里さん。友人と何度も踏み付けあいました。滑って転んだりしませんでしたか? 楽しかった様子が面白く描かれています。
岡 崎 桐山 玲子  強霜が郵便受けの名を隠す
 選評  寒い朝、霜が降りました。玲子さんは郵便受けの名を隠すほどの強霜を見つけびっくりなさったことでしょう。季語「強霜」が句を引き締めています。
 ☆入選☆
 
蒲 郡 六歳 三井さつき

ふゆやすみねつでねるだけもうあきた

愛 西 六歳 河村 優奈 カルタ取り誰がたくさん取れるかな
蒲 郡 小四

三井悠有里

外国の人もならんで初もうで
安 城 小田 美羽 去年より枚数多い年賀状
安 城 小四 杉田 素良

里山に登っておがむ初日の出

安 城 田村 晴 いたいほど足のつま先冷えている
岡 崎 野田 沙良 元日やみんなそろっておめでとう
岡 崎 由良 来香

電柱のてっぺんで鳴く初がらす

小 牧 稲山 若那

目覚めれば初雪の朝出たくない

幸 田 小六 船山 総悟 父とはく玄関と庭大旦
幸 田 小六 吉川 七海 門松の南天の実がこぼれている
豊 田 中二 本 京香 おでん鍋底からすくう玉子かな
 
 伊吹嶺ジュニア俳句 令和6年3月号
 ☆特選☆
 
岡 崎  小 野田 沙良 つり下げて右にかたむく注連飾
選評

大掃除も済み、最後に注連飾を玄関に飾ります。注連飾は、お正月を迎える最後の準備といえるでしょう。そんな大役を沙良さんが引き受けたのですね。しかし、重さのバランスが悪いのか、注連飾がすぐに右に傾いてしまうのですね。そんな様子がよく伝わります。

  ☆秀逸☆
 
安 城 小四 杉田 素良  エコバッグいっぱいにして年用意
 選評

新しい年を迎えるために、たくさんお買い物をしましたね。具体的に「エコバッグいっぱいにして」と詠んだところが年末らしく良かったです。

岡 崎 原田 凛花  
 湯気こもるお風呂場で聞く除夜のかね
 選評  凛花さんは除夜の鐘が聞こえる所にお住まいなのですね。うらやましいです。「湯気こもるお風呂場」は暖かそう。良き一年を過ごされたことでしょう。
小 牧 小五 稲山 若那  校庭のいちょう舞い散る黄の世界
 選評  イチョウが舞い散った校庭。それはまさに黄の世界ですね。「黄の世界」という表現が幻想的で素敵です。上手くまとまりましたね。
幸 田 小六 芳賀 綾香  隣人と並んで除夜の鐘を打つ
 選評  仲の良い隣人さんと並んで除夜の鐘。一年の締め括りと新しい年への期待を込めて、鐘は鳴り響いたことでしょう。「並んで〜打つ」が良いですね。
豊 田  中二 橋本 京香   大晦日勉強部屋の掃除すむ
 選評  大晦日にご自分の勉強部屋を綺麗に片づけ、お掃除された京香さん。きっと気持ちよく新年を迎えられたことでしょう。お疲れ様でした。
 ☆入選☆
 
愛 西 六歳 河村 優奈 ほくほくの焼芋食べてあったまる
八王子 小三 長沼ひなこ やきいものむらさき色と金色と
糟 屋 小四 飯田 晴仁 お餅つき沢山たたいてモッチモチ
安 城 石川 沙織 入ったら出られなくなるこたつかな
安 城 小四 水野 聖子 息かけてこすり合わせるかじかむ手
安 城 茂木総一郎 弟とミカンのキャッチボールかな
岡 崎 手島悠里愛

母と行く大売出しの年の暮

岡 崎 丸 山  圭

あちこちの除夜のかね聞く部屋にいて

岡 崎 矢田 健司

留守番にいくつもいくつもミカンむく

幸 田 小六 梶山 芽衣 父母と見る「ゆく年くる年」除夜の鐘
幸 田 小六 時田 智代 リビングで指折り数える除夜の鐘
岡 崎 中一 町田 亜依 年の夜や家族みな見る歌合戦
 
  伊吹嶺ジュニア俳句 令和6年2月号
 ☆特選☆
 
幸 田  小 乗田 美空  校庭に箒目残し落葉掃く
選評

清掃の時間に竹箒で校庭を掃いているのですね。中七の「箒目残し」がとても良いと思いました。 箒目を見ると、なぜか心が落ち着いた気持ちになります。それはきっと、掃除をしてきれいになって気持ちがいいことと、箒目が美しく感じるからだと思います。

 ☆秀逸☆
 
丹 羽 小三 崎   足のうら見せるどうぞう寒そうだ
 選評

足のうらを見せてる銅像とは観音様かな?戦国武将かも?と想像して楽しくなりました。よく観察されましたね。靴下でもはかせたくなりますね。

安 城 小四 鳥山 英二  母が言うおでんの玉子一個まで
 選評  おでんの玉子は本当においしくて、ついもう一個食べたくなりますね。でも玉子の値段も上がり、お母さんの一言で面白い俳句が出来ました。
岡 崎 小五 田   野道行く十一月の日差しかな
 選評  昨秋は暖かくて小春のような日が多かったですね。そんな日差しを浴びて野道を行かれる瞳さん、十一月という季語を上手く使いこなしました。
幸 田 小六 木下 凛香  教会の坂上りゆく時雨かな
 選評  教会の坂を上っていくと時雨てきました。まるで凛香さんと一緒に坂を上っていくような時雨。そんな情景を上手く捉えた素敵な句ですね。
岡 崎  中一 桐山 玲子   冬の星祖母の葬儀の帰り道
 選評  葬儀の帰路、空を見上げると星が輝いてました。亡くなられたお祖母さんは、夜空の星となって今後も玲子さんを見守って下さることでしょう。
  ☆入選☆
 
蒲 郡 六歳 三井さつき  カナヘビがつちからでたよいもばたけ
愛 西 六歳 河村 優奈  夜ごはん大根入れて豚汁だ
蒲 郡 小四 三井悠有里  ジップラインもみじの中へつっきって
糟 屋 飯田 晴仁  早朝の野球練習息が白い
安 城 小四 青木 獅子  熱々のおでん食べてやけどした
安 城 遠藤 渚砂  登校時息が白いね友が言う
岡 崎 江坂 紗彩

 校庭の紅葉掃いてもまた散って

岡 崎 手島悠里愛  掃き寄せて一番赤い紅葉拾う
岡 崎 野 田  沙  日に透ける原一面の枯芒
岡 崎 小五 吉田 月渚  石の上落葉に落葉重なって
幸 田 小六 宇野佐久良  木枯や田畑を抜けて里山へ
幸 田 小六 柚子 優香  木枯や裏山の木々揺れどおし
 
 伊吹嶺ジュニア俳句 令和6年1月号
 ☆特選☆
 
幸 田 柚子 優香 日の当たる草むらへ飛ぶ秋の蝶
選評

春や夏の蝶は元気よく飛び回っていますが、秋の蝶はなんだか弱々しいですね。それは死期が近いからでしょう。
 優香さんの俳句を読むと、少しでも暖かい所を飛びたいという蝶の気持ちが感じられます。そんな生命のはかなさ、いとおしさを優香さんの俳句から感じます。

  ☆秀逸☆
 
安 城 小四 梅田 愛華 家族といて一日まぶしい花野かな
 選評

ご家族と花野へ行かれた愛華さん。まぶしいほどにコスモス等が咲いていたことでしょう。仲の良いご家族の様子が目に浮かび、ほほ笑ましい句ですね。

岡 崎 小五 鶴 田  瞳 一面のゆれるコスモス日のひかり
 選評  風が吹くと流れるように揺れるコスモス。太陽の日がさしてコスモスがきらきらと輝きますね。そんな様子を上手く表現され素敵な句に仕上がりました。
幸 田 小六

久留木良々

しおりにと選んで拾う紅葉かな
 選評  紅葉が散り始め、良々さんはとっさに「しおりにしよう!」と思いつき綺麗な落葉を拾いました。新聞紙などに挟んで押し葉に。何枚できたかな?
岡 崎 中一 根本 波瑠 宿題をしつつ居眠る夜長かな
 選評  秋の夜長、勉強しているとついつい眠くなってしまいますね。「宿題を?」と具体的な表現に始まり「かな」の切れ字に上手く繋がった秀句です。
豊 田  中二 高橋 智花 十月や山が近くに見える日々
 選評  山が何故近くに見えるようになったのでしょう。きっと快晴で空気も澄み、空も高くなったから。秋本番を迎えた喜びがうまく表現されてます。
 ☆入選☆
 
蒲 郡 六歳 三井さつき ゾンビたちのハロウィーンパーティぼくがいこつ
愛 西 六歳 河村 優奈 風呂上り真っ赤なりんごおいしいな
安 城 小四 近藤 創輝 ぬき取って草の穂をふる弟と
安 城 築山妃美花 おばあさんと庭の畑に大根まく
安 城 小四 丹羽沙也加 野道行く次々ととぶバッタかな
岡 崎 菊田 夢佳

わっしょいと神こしをかつぐ秋祭

岡 崎 竹田 清人

ミノムシがブランコのよう夕間暮れ

岡 崎 丸 山  圭 くるくると回って落ちる紅葉かな
大 分 田 瑛介

食欲の秋だ給食お代わりだ

幸 田 小六 成 田  肇 やっと出たサンマ一ぴき晩ご飯
幸 田 小六 芳賀 綾香 さそい合い神こしを担ぐ秋祭
幸 田 小六 吉川 七海 祖父たちが飲む茶わん酒秋祭
 
 伊吹嶺ジュニア俳句 令和5年12月号
 ☆特選☆
 
丹 羽 小三 長崎 陽 スキップで大通りまで秋の風
選評  この俳句から多くのことを感じ取ることができました。それは良い俳句だからです。晴れ渡った爽やかな秋の日、作者の心は明るく澄んでいます。そんなときは、歩いていても思わずスキップしてしまいます。人通りの少ない脇道はスキップできますが、大通りはそうはいきませんね。
 ☆秀逸☆
 
岡 崎 小五 江坂 紗彩  はらわたを取ってもらって初さんま
 選評

初さんま、苦いはらわたを取ってもらって美味しかったことでしょう。初さんまの喜び、でもはらわたは苦手、と対照的にうまく表現されましたね。

岡 崎 小五 竹田 清人 名月や隣の猫がやかましい
 選評  満月を静かに見上げていると、お隣さんの猫が騒がしい。せっかくのお月見が台無し、というためいきが聞こえてきそうな面白い俳句が詠めました。
幸 田 小六 本山 大地 筆柿を袖で磨いてかぶりつく
 選評  筆柿を取った大地くん。おもわず袖で磨いてかぶりつきました。きっと熟していて美味しそうだったんですね。行動的な表現がお見事です。
岡 崎 中一 貫山 瑠香 稲の香や鎮守の杜に幟立つ
 選評  稲が実りの時期を向かえ、鎮守の杜に幟が立ちました。豊作を称えて感謝の印また神様が降りてくるための目印とも。収穫への祈りが込められた御句。
豊 田  中二 間島 星来 枝揺らし鳥がついばむ熟柿かな
 選評  豊富に熟した柿。鳥たちにとっても嬉しくて我さきに、とバタバタ枝を揺らしますね。ついばむ様子をていねいに写生、うまくまとまりました。
 ☆入選☆
 
蒲 郡 三井さつき こまいぬと目があいこわいかんげつかい
愛 西 六歳 河村 優奈 ぺったんこ月で兎がお餅つき
蒲 郡 小四 三井悠有里 児童会のえん説長いつくつくし
安 城 小田 美羽 新じゃがのバター炒めの匂いかな
安 城 小四 水野 聖子 妹の背丈を超えて秋桜
岡 崎 海 藤  卓 運動会帽子を取って投げすてる
岡 崎 由良 来香 掛け声に合わせ綱引く運動会
岡 崎 吉田 月渚 運動会転んでバトン落としけり
小 牧 稲山 若那

旗作るワクワクするよ運動会

幸 田 小六 藤  よろよろとよろよろと飛ぶ秋のハエ
幸 田 小六 久留木良々 鈴なりの筆柿の枝ゆさゆさと
幸 田 小六 柚子 優香 稲刈や煙が匂うトラクター
 
  伊吹嶺ジュニア俳句 令和5年11月号
 ☆特選☆
 
豊 田 中二

新實 颯太

ぶらぶらと鼻取れそうな案山子かな
選評 案山子を見ると、顔や格好が面白くて思わず笑いそうになったり、反対に日照りでも雨でも立ちっぱなしで、服もぼろぼろで、かわいそうな気持ちになったりします。颯太君の俳句はどちらでしょうか。どちらにしても、様子がとてもよく分かる俳句です。
 ☆秀逸☆
 
蒲 郡 六歳 三井さつき みぎひだりおしえてもらうすいかわり
 選評

目かくしをして周りの人たよりのすいか割り。具体的に「みぎひだり」との表現が良いですね。さて結果は?うまく割れて、はしゃいだことでしょう。

安 城 小四 小田 美羽 まど開けて秋を感じる朝の風
 選評 暑かった夏、窓を開けたらひんやりした風が入ってきました。美羽さんは、その風に秋を感じましたね。「秋を感じる」との詩的な表現が素敵です。
岡 崎 小五 丸 山  圭 おばあさん口をすぼめてブドウすう
 選評 近頃は種無しブドウが多く種を出さなくてもよいので、一気に食べられますね。おばあさんが口をすぼめて美味しそうに頂く様子を見事に捉えました。
幸 田 小六 木下 凛香 弟とスイカの種の飛ばしっこ
 選評

スイカって種を取って食べる人と食べてから種を飛ばす人がいますね。弟さんとゲームのように飛ばしっこ。楽しかった様子が句に表れています。

幸 田  小六 船山 総悟 ナスにさす割りばし折れた盆用意
 選評 盆用意の「送りの牛」に見立てた茄子の割りばし。折れて付け直したようですね。大丈夫です。ご先祖様はきっと、笑って見守ってくださいますよ。
 ☆入選☆
 
愛 西 河村 優奈 じいじから桃が届いたうれしいな
八王子 長沼ひな子 大ぐもが走るお風呂場こわすぎる
蒲 郡 小四 三井悠有里 夏休み宿題終わらずゲームやる
蒲 郡 廣中みくり どきどきで仔馬にえさやる虹きれい
安 城 小四 水野 聖子 糸はいてゆらゆらゆれる毛虫かな
岡 崎 市川 康弘 かぶりつき冷えたトマトのしる飛ばす
岡 崎 矢田 健司 せん水で二十五メートル泳げたぞ
小 牧 稲山 若那 満開のひまわり畑どこまでも
幸 田 宇野佐久良 父に聞く火の起こし方キャンプ場
幸 田 小六 小川 翔太 ラムネ飲む顔をしかめてなみだ出る
幸 田 小六 時田 智代 祖父と父酒のつまみのいり零余子
岡 崎 中一 桐山 玲子 仏壇のお供えの桃母がむく
 
 吹嶺ジュニア俳句 令和5年10月号
 ☆特選☆
 
幸 田

津田 莉里

きゅっきゅっと手に吸い付いた茄子のつや
選評

茄子は艶々で、触れば手に吸い付きそうで、こすれば音がしそうです。そんな茄子の特徴のひとつを本当によく捉えていると思います。

上五「きゅっきゅっ」、中七「吸い付く」のすべてを「艶」につなげた表現が上手だと思います。

 ☆秀逸☆
 
丹 羽 小三 長 崎  陽 弟が顔をくすぐるねこじゃらし
 選評

花が子犬の尻尾に似ていることから「狗尾草・猫じゃらし」と呼ばれていますね。弟さんに顔にあてられ、さぞかし くすぐったかったことでしょう!

安 城 小四 加藤野乃花 弟がサルビアの舌ぬいてすう
 選評 サルビアの花冠はビュと飛び出している舌のよう。甘い蜜が含まれてるので、蜂のように吸いましたね。「舌ぬいてすう」の表現が面白いです。
岡 崎 小五 海 藤  卓  しわしわの梅酒の梅にかじりつく
 選評 梅酒づくりをすると梅がしわしわになりがちですね。でも、それこそ自家製のあかし。貴重な梅にかじりつく卓さん、俳句も現実味があり素敵です。
岡 崎 小五 原田 凛花 じゃんけんで順番決める茅の輪かな
 選評

夏越の祓とも云われる「茅の輪くぐり」左回り・右回りとあって結構忙しい。じゃんけんで決めた様子から仲良く楽しんでいる様子も伝わりました。

幸 田  小六 江藤 美波 あたふたと下からなめる氷菓かな
 選評 氷菓を頂く時は忙しい。ちょっと油断すると溶けてしまいます。「あたふたと下からなめる」の具体的な表現と切れ字「かな」を上手く繋げました。
 ☆入選☆
 
愛 西 河村 優奈 薄ピンクきれいなきれいな蓮の花
蒲 郡 小四 三井悠有里 初めてのトロフィーを手に夏試合
蒲 郡 小四 廣中みくり 大笑いビニールプールの穴空いた
安 城 水野 聖子 もぎたてのキュウリのとげはちくちくと
岡 崎 江坂 紗彩 わき上がる山の向こうの雲の峰
岡 崎 芽木 瑤子 炉のけむり両目にしみるキャンプかな
小 牧 稲山 若那 雨傘を日傘にかえて下校する
幸 田 小六 成 田  肇 スイレンの葉と葉の間カメの顔
幸 田 芳賀 綾香 ゆっくりの背泳ぎで見る空の雲
岡 崎 中一 山脇 有紗 ゆらゆらとプールの底の水のあや
桜 川 中二 安田 陽郁 汗ばむやプールサイドの準備運動
豊 田 中二 高橋 智花 向日葵の反らずに揺れる根元から
 
 吹嶺ジュニア俳句 令和5年9月号
 ☆特選☆
 
岡 崎 小五

竹田 颯貴

新聞を丸めて連打油虫
選評 油虫(ゴキブリ)はすばしこく、丸めた新聞紙でたたいても、たたいても逃げられてしまいました。それを「連打」と表現したのがとても面白く、様子もよく分かりますね。また、上五・中七で何をしているかなと思わせて、その答えは油虫となりました。謎解きみたいでいいですね。

 ☆秀逸☆
 
安 城 小四 近藤 流王 食べ歩くアイスキャンディー指ぬらす
 選評

暑い時の食べ歩き、最高ですね。私も「あずきバー」が好き。困るのは、ぼたぽたと溶けていくこと。溶けるまでに食べるか、指ぬらすかの勝負です。

安 城 小四 丹羽早紀子 手をつなぎおじじとくぐる茅の輪かな
 選評 夏越の祓「茅の輪くぐり」。おじい様が手をつないでくださって良かったですね。切れ字の「かな」をうまく使いこなして句がまとまりましたね。
岡 崎 小五 江坂 紗彩 父と祖父ぷはーと言ってビール飲む
 選評 ビール飲むとき、あまりに美味しそうなので「ぷはー」と。泡が噴き出しそうだったのかな? 見たままを表現して面白い句に仕上がりました。
岡 崎 小五 原田 凛花 祖父に注ぐビールのあわがもり上がる
 選評

ビールを注いであげた凛花さん。泡が噴き出しそうに盛り上がる様子を素直に表現されました。勢い良過ぎるとこぼれるし、なかなか難しいですね。

幸 田  小六 江藤 美波 トラックにあおられて飛ぶ夏の蝶
 選評 蝶々も暑くてどこかに留まってお休みしてたのかな?急にトラックが通り過ぎあわてて飛び出した蝶。「あおられて飛ぶ」と中七の表現が見事です。
 ☆入選☆
 
蒲 郡 五歳 三井さつき あめのおとかさにパチパチつゆたのし
愛 西 五歳 河村 優奈 暗闇にぽつぽつ光るホタルかな
名古屋 二年 川  夏にはね虫がいっぱい虫さされ
安 城 梅田 愛華 かじったらアイスキャンディー落ちちゃった
安 城 遠藤 渚砂 あわてると頭がいたいかき氷
粕 屋 飯田 晴仁 初めての野球練習あせ大量
岡 崎 手島悠里愛 先生の話が長いプール開き
岡 崎 小五 芽木 瑤子 水しぶきプールにひびくはしゃぐ声
小 牧 小五 稲山 若那 汗かいてクラスメイトと坂下る
幸 田 小六 乗田瑠璃子 ナイターの父はビールを飲みまくり
幸 田 柚子 彩香 母さけぶゴキブリ出たと指をさす
豊 田 中二 新實 颯太 冷麦の氷をかじる音ガリガリ
 
 吹嶺ジュニア俳句 令和5年8月号
 ☆特選☆
 
磐 田 小三

齋藤 花凪

青みどり絵の具のような初夏の山
選評 春から夏へと移る山の色の変化を上手に捉えています。春の山は、木々が芽吹いて柔らかい黄緑色ですが、夏の山は、木々の葉の色が深まり青緑色ですね。そして、その山の色の変化を絵の具に例えたのが見事でした。花凪さんの自然に目を向けて俳句を詠む姿勢が良いですね

  ☆秀逸☆
 
蒲 郡 五歳 三井さつき みどりからきいろになったミニトマト
 選評

ミニトマトは赤や黄色、オレンジ、グリーン、ブラック等カラフルですね。どれも花が咲き、緑の実から色づきます。その様子を上手く捉えました。

安 城 小四 梅田 愛華 初夏や白くかがやく雲になれ
 選評 雲ってたくさん種類があり、どんよりした灰色は今にも雨が降り出しそう。夏が来て雲が白くかがやき、晴ればれしてほしい気持ちが込められてますね。
幸 田 小六 宇野佐久良 コップ手に父のさいそくビール注ぐ
 選評 佐久良さんが注いであげたのかな。ビールって人に注いで貰うと美味しいんです。お父さんのさいそくの様子「コップ手に」が具体的で良いですね。
岡 崎 中一 武藤 一生 歯磨きのミントの味や夏の朝
 選評

ミント味の歯磨きで、夏らしく目覚めもすっきりでしょうね。一日の始まりの意気込みも伝わってきますし、ミントの味や、の切れ字がお見事です。

豊 田 中二 間島 星来 母とするアイロン掛けや夏初め
 選評 アイロン掛けのお手伝い、お疲れ様。カッターやハンカチ等、夏は多くなりますね。お手伝いのひとこまを俳句に詠めるなんて素敵です!
 ☆入選☆
 
愛 西 五歳 河村 優奈 田んぼからカエルげろげろ歌ってる
名古屋 小二 川  夏休みはやくこないとないちゃうよ
蒲 郡 三井悠有里 夏ぼうしベンチにすわりジュースのむ
安 城 青木 獅子 ゴキブリがトイレに出たぞ姉の声
安 城 築山妃美花 ほかほかの竹の子ご飯おいしいな
粕 屋 飯田 晴仁 ほたるってつかまえたのに熱くない
岡 崎 江坂 紗彩 お祭りのろ店に並ぶおもちゃかな
岡 崎 小五 手島悠里愛 里山の木々のかがやき夏になる
岡 崎 小五 由良 来香 母の日にかたたたきけん手わたした
小 牧 稲山 若那 グラタンを私が作る母の日に
幸 田 時田 智代 動かないトイレの窓のヤモリかな
幸 田 江藤 美波 母の日や弟と買うプレゼント
 
 吹嶺ジュニア俳句 令和5年7月号
 ☆特選☆
 
幸 田 小六

久留木良々

うずくまる庭のにわとりのどかなり
選評

お家で鶏を飼っているのですね。私が小学校の頃も家で鶏を飼っていました。鶏も日向ぼこをするのか分かりませんが、暖かくなると時々地面にうずくまっていました。

良々さんの俳句は、そういった様子がよく伝わり、春らしいのどかな様子が素直に表現されています。

 ☆秀逸☆
 
蒲 郡 三井悠有里 春のかぜヨーグルト味の薬のむ
 選評

お子様用の風邪薬にヨーグルト味の顆粒タイプが有り、飲みづらい思いが少なくなりました。風邪のつらさをやわらげる様子を上手く表現されてます。

篠 栗 小四 飯田 晴仁 こいのぼり泳いでいながら日光浴
 選評 本物の鯉は池などの水中を泳ぎますが、こいのぼりは空中を泳ぎお日さまの恩恵を受け日光浴が出来ますね。一石二鳥のこいのぼり、羨ましいです!
安 城 小四 加藤野乃花 すぐばれる友達のうそ四月馬鹿
 選評 「うそ」って本当にすぐばれますよね。にやにやしていたり、態度や表情で。「四月馬鹿」という季語を上手に使いこなした俳句が出来ました。
岡 崎 小五 原田 凛花 息をするお玉じゃくしの立ち泳ぎ
 選評

お玉じゃくしは卵から出た頃はえらで呼吸、成長すると鼻や口で息をするため立ち泳ぎをして肺で呼吸する蛙に。陸に上がる日が近い様子を捉えました。

岡 崎 小五 吉田 月渚 はちの土指であなあけ朝顔まく
 選評 朝顔の種をまいた月渚さん。そろそろ咲き始めますね。何色かな?毎朝確かめるのも楽しみの一つ。「指であなあけ」と、具体的な描写が良いですね。
 ☆入選☆
 
愛 西 五歳 河村 優奈 風吹けば藤のカーテンきれいだな
桜 川 小二 安田航太朗 ブランコや桜の雲に乗りたいな
安 城 石川 沙織 次の子へひしゃくをわたす花祭
名古屋 牧野 璃久 沖縄のとばされそうな春の風
岡 崎 市川 康弘 めんどうだ土筆のはかま取り続け
岡 崎 丸 山  圭 さがしても見つけられない揚ひばり
岡 崎 芽木 瑤子 弟と走って転ぶピクニック
名古屋 小五 石 川  遥 花がさく色とりどりできれいだな
桜 川 小五 安田 歩実 草餅や手芸のうまい男の子
幸 田 津田 莉里 手つないで入場をする一年生
幸 田 吉川 七海 朝桜もう散るのかと父が言う
岡 崎 中一 根本 波瑠  山ごとに違う緑の春の山
 
 吹嶺ジュニア俳句 令和5年6月号
 ☆特選☆
 
岡 崎 中二

三沢 舞香

のどかさや猫が寝転ぶ裏通り
選評

猫は用心深い動物です。その猫が裏通りの道路に寝転んでいるなんて、本当にのどかな情景ですね。その裏通りに住んでいる人たちは、猫をかわいがっていると思います。

上五の季語「のどかさ」が、中七・下五の様子をまとめた形になっていて、句にまとまりがあります。
 ☆秀逸☆
 
小 牧 小四 稲山 若那 追いかけてまた追いかけて花吹雪
 選評 雪がふぶいているかのように舞い散る花びら。つい追いかけたくなる様子を「追いかけてまた追いかけて」とリフレインをきかせて上手くまとめました。
岡 崎 小四 戸田智恵理 友達のたんぽぽのわたふき飛ばす
 選評 咲き終わると綿毛をひろげ風に乗るたんぽぽ。智恵理さんは友達のをふき飛ばし、どこへ飛んでいったのかしら。仲良しのやりとりが目に浮かびます。
安 城 小六 石川 沙織 初ちょうの黄色をちらり窓の外
 選評 何気なく窓を見たら視界に黄色がひらひらと。蝶々でした。「初ちょう」の季語を使い、今春はじめて見た嬉しさを素直に表現されました。
豊 田 中一 斉藤瀬里奈 独り立つ玄関先や春の暮
 選評

「春の暮」は春の終わる頃と夕暮れの二つの意味が有りますが、玄関先に独り佇む瀬里奈さんは一体何を? にわか詩人になられたような雰囲気ですね。

小 牧 中一 稲山 瑠莉 菜の花の小径を抜けて本屋行く
 選評 菜の花がいっぱい咲いている小径。華やかで晴々としていますね。そんなルンルン気分で本屋さんへ。きっと良書に巡り合えたことでしょう。
 ☆入選☆
 
蒲 郡 五歳 三井さつき おひがんだひゃくのおじぞうさんならぶ
愛 西 五歳 河村 優奈 棚田にはおたまじゃくしいっぱいだ
桜 川 安田航太朗 ジャンプしてさくらのくもにのりたいな
名古屋 川 凛 花びらがひらひらおちるさくらの木
名古屋 宮田 倖名 しゃぼん玉いろんないろが光ってる
扶 桑 崎  ぶらんこの立ちこぎとてもあこがれる
篠 栗 飯田はると 校庭に開花宣言二十輪
岡 崎 青山絵里香 早くさく今年のさくら青い空
岡 崎 成瀬真一郎 と散りくるさくらキャッチする
幸 田 小五 梶山 芽衣 よびかけに卒業生のなみだ落ち
幸 田 小五 宮田 大地 先ぱいのなみだがゆかに卒業歌
安 城 小六  与田 愛乃 目をつむり日差を浴びる春の昼
 
 吹嶺ジュニア俳句 令和5年5月号
 ☆特選☆
 
蒲 郡

廣中みくり

スケートのかべにつかまりかに歩き
選評 初めてスケートをする子供の様子が、この句からよく伝わります。初めてのときは、転んでばかりでうまく滑ることができませんね。ですから、スケートリンクを壁伝いに歩きます。その様子を「かに歩き」と表現したのが、とても良いと思います。
 ☆秀逸☆
 
蒲 郡 五歳 三井さつき おひなさまごはんひとつぶだけのくち
 選評 おひなさまのくちって、ちいさくてかわいいですね。ごはんもひとつぶ食べるのがやっとかな。「ごはんひとつぶだけのくち」とうまく表現されました。
篠 栗 飯田 晴仁 ね仏の足にさわって梅の花
 選評 ね仏の足にさわった晴仁くん。きっとひんやりとされたことでしょう。梅の花見もされた初春のひととき、うきうきした気持ちが伝わってきます。
幸 田 小五 小川 翔太 春昼やそでたくし上げおにごっこ
 選評 おにごっこ、楽しいですね。私も小三の孫が遊びにくると三人で鬼ごっこやかくれんぼをします。「そでたくし上げ」に夢中な様子が伝わってきます。
安 城 小六 寺田ときよ 薄氷をすくえばパリと割れにけり
 選評

薄氷を踏んだのではなく、すくったのですね。残念ながら割れてしまいました。「パリと割れにけり」に残念な様子も込められ上手く表現されました。

岡 崎 中二 坂崎 詩織 足先からうつらうつらと春ごたつ
 選評 こたつに入ると足先から温かくなりますね。つい眠気を感じてしまうことを「足先からうつらうつら」とは、なかなか面白い表現で感心しました。
  ☆入選☆
 
名古屋 小一 川  ほっかいどうそとはシベリアなかハワイ
蒲 郡 小三 三井悠有里 何枚も着物重ねてひな人形
岡 崎 小四 青山絵里香 ばあちゃんとこんにゃくにさす針供養
岡 崎 小四 根岸 智花 さがしても見つけられないひばりかな
小 牧 小四 稲山 若那 母さんに早く出してとおひなさま
幸 田 神野 彩香 昼休み校舎まぶしき春日かな
幸 田 丸 尾  奏 春の朝自分で作る目玉焼き
安 城 小六 木 下  巧 わらびもち黄粉こぼしてしかられて
安 城 小六 長 沢  翔 春昼や給食食べてねむくなる
豊 田 中一 斉藤瀬里奈 はらわたと頭を残す目刺かな
小 牧 中一 稲山 瑠莉 リスニング無事聞き終えて大試験
岡 崎 中二   西田 宙生 真ん円の梅の花びら掃き集め
 
 吹嶺ジュニア俳句 令和5年4月号
 ☆特選☆
 
安 城 小六

野本詩絵理

玄関にくつがいっぱいお元日
選評

正月になって、親戚の人たちがたくさん集って来たのですね。それを玄関の靴の多さで表現したのが、とても上手だと思います。にぎやかで楽しいお正月でしたね。

親戚の子供たちと何をして遊びましたか。親戚の子と遊ぶことができるのも、お正月の楽しみですね。

  ☆秀逸☆
 
桜 川 小一 安田航太朗 キラキラの春の妖精やってきた
 選評 春の妖精とは一体何かしら「」「蝶々」「小鳥」など考えているだけで楽しくなりました。春の訪れを「妖精」で表されて素敵です。
扶 桑 長 崎  陽 冬の朝テレビ切るよとママが言う
 選評 冬の朝は寒いので暖かい部屋でテレビ見たりしたいですね。でも学校やらお稽古事に行かせなくっちゃ、とお母さんの出番。行動開始ですね。
篠 栗 飯田 晴仁 冬休みワクワクドキドキ一人旅
 選評 冬休み、おじいちゃん・おばあちゃんの家へ。初めての一人旅で不安ながらも「ワクワクドキドキ」と、嬉しさと期待感を上手に表現されましたね。
岡 崎 菊田 夢佳 数えてみる友達からの年賀状
 選評

お正月に年賀状を読むのは楽しみの一つですね。きっと夢佳さんもたくさん出して、たくさん届いたことでしょう。嬉しさのあふれた句となりました。

安 城 小六 藤田 真琴 ちゃんちゃんこそでたくし上げお茶を飲む
 選評

ちゃんちゃんこ、暖かいですね。真琴さんは六年生だから大人サイズかしら。袖が邪魔しないようにたくし上げて飲んでいる姿が目に浮かびます。

 ☆入選☆
 
蒲 郡 五歳 三井さつき どうろのきはだかんぼうでさむそうに
愛 西 五歳 河村 優奈 春の窓虹がきれいに浮かんでる
八王子 長沼ひなこ 冬休みひとりるす番七時間
蒲 郡 小三 三井悠有里 ゆずのふろ体も心もポッカポカ
名古屋 小三 牧野 璃久 雪の朝パパのてつだい雪をかく
岡 崎 仁藤香里奈 だいだいは鏡もちよりすぐ落ちる
岡 崎 小四 細田幸一郎 焼いもの熱々ほくほくおいしいな
幸 田 坂田 颯 やったぞう大吉ひいた初みくじ
幸 田 吉川 七海 強い風落ちた注連縄つけ直す
安 城 与田 愛乃 十人の集団登校息白し
豊 田 中一 志賀 聖也 ストーブにいも載せフライパン被せ
岡 崎 中二   疋田 美優 何回も滑って転ぶスキーかな
 
 吹嶺ジュニア俳句 令和5年3月号
 ☆特選☆
 
岡 崎 中二

相川喜美香 

テレビつけこたつで母が船をこぐ
選評 十二月になると、お正月を迎えるためにいろいろな準備をしますね。大掃除やお正月のための買い物などなど。その中心になるのはお母さんですね。疲れて、つい居眠りをしたお母さんの様子を素直に捉えることができました。俳句は素直に詠むのが一番ですね。

 ☆秀逸☆
 
桜 川 小一 安田航太朗 風吹いて枯れ葉のダンスくるくるくる
 選評 寒い冬。風が吹くと枯れ葉が落ちて舞いますね。まるでダンスをして踊っているようです。その様子を「くるくるくる」と見事に描きました。
岡 崎 小四 清 水  卓 マンガ本ならべ直して十二月
 選評 年末のお片付け。先ず本棚からスタート。好きなマンガ本を順番に並べ直して、さぁ次は?、と十二月への意気込みが感じられますね。
岡 崎 小四 芽木 瑤子 レジぶくろいっぱいさげて年用意
 選評 良いお買い物のお手伝いされたのかな?新年を迎えるために買いたい物がたくさんありますね。「レジぶくろいっぱいさげて」と具体的なところがです。
安 城 小六 田村 晴翔 できたての年越そばにめがね取る
 選評

できたての年越そば。湯気が立ってめがねがくもりそう。思わず外しました。

年越そば、美味しかったことでしょう。素直な気持ちが表現されてますね。
豊 田 中一 新實 颯太 山茶花の掃いて散るまた掃いて散る
 選評

山茶花は次々と咲き継ぎ、散るときは花びらがバラバラになって散りますね。

きれいに掃いたのに、また散って、と気ぜわしい様子を上手く捉えました。
 ☆入選☆
 
蒲 郡 五歳 三井さつき アマゾンでなにかとどいたサンタかな
愛 西 五歳 河村 優奈 幼稚園みんなであそぶ鬼ごっこ
名古屋 小一 川  サンタさんトナカイのってくるんだよ
八王子 小二 長沼ひなこ ピカピカにみがいたりんご半ぶんこ
篠 栗 小三 飯田はると もちつきは思ったよりも重かった
蒲 郡 廣中みくり マラソンの白い息はく運動場
岡 崎 大須賀瀬里 ストーブにかけたやかんは湯気いっぱい
小 牧 小四 稲山 若那 冬の空大なわとびができた朝
蒲 郡 廣中 一瑛 初雪のぼくの手の上とけてゆく
幸 田  小五 田中 時也 おでん食べる父は大根ぼく玉子
安 城 小六 崎山 香蓮 除夜のかね数えていたらねむってた
岡 崎 中二   梅村 亜衣 夕月の枯枝の先引っかかる
 
 吹嶺ジュニア俳句 令和5年2月号
 ☆特選☆
 
幸 田 小五

伊山 愛華

猫の絵のカレンダー買う十二月
選評 一読、なるほどと納得しました。確かに十二月になると、どこの本屋さんでも、文房具屋さんでも、カレンダーを売っています。十二月の風物詩と言ってよいでしょう。愛華さんの俳句はそのことをよく捉えています。かわいい猫の絵のカレンダー、毎月替わる猫が楽しみですね。

 ☆秀逸☆
 
蒲 郡 三井悠有里 満月がかげにかくれて赤くなり
 選評 地球にかくれんぼした満月、しばらくすると赤胴色になり肉眼でもはっきり見えた皆既月食でしたね。その様子を見事に表現されています。
岡 崎 小四 鋤柄 愛優 さざんかを掃く間にも花が散る
 選評 生垣などの山茶花(さざんか)は次々と咲き継ぎ、散るときは花びらがばらばらになって次々と散ります。「掃く間にも」と上手く捉えましたね。
蒲 郡 小五 廣中 一瑛 白い息はいて皆既月食見上ぐ
 選評

皆既月食、素晴らしかったね。よく見える所へ行こうと走ったりされたのかな?小寒い夜でしたし「白い息はいて」に嬉しさも込められていますね。

幸 田 安藤 康太 ストーブに手の平と手の甲かざす
 選評 なるほど、手の平だけでなく手の甲もかざすと温かくなりますね。きっと心や体も暖かくほっこりとしたことでしょう。具体的で良いですね。
安 城 小六 羽田 麻衣 北風や胸元押さえて登校する
 選評 朝の北風は身に沁みますね。少しでも防ごうと胸元押さえながら登校される麻衣さんの姿が目に浮かびます。「北風や」と切って調べも良くなりました。
 ☆入選☆
 
蒲 郡 五歳 三井さつき おじぞうさんみんなちがうかおあきさんぽ
篠 栗 飯田はると ばあちゃんちイルミネーションで明るいよ
蒲 郡 廣中みくり うっすらとかいき月しょく赤色に
岡 崎 大須賀瀬里 息かけてこすりあわせるかじかむ手
岡 崎 小四 酒井 君子 おそろいの手袋を買う友達と
岡 崎 細田幸一郎 涙出たおでんにからしつけすぎた
小 牧 稲山 若那 玉ころがし敗けて悔しい秋の空
幸 田 須藤 勇人 ストーブのやかんの湯気を手に当てる
安 城 小六 与田 愛乃 いっせいに鳥が飛び立つ冬木かな
豊 田 中一 阿部 一花 校庭を一気に濡らす時雨かな
小 牧 中一 稲山 瑠莉  文化祭皆はしゃいで天高し
岡 崎 中二   三沢 舞香 デパートへ母と買い物冬はじめ
 
 吹嶺ジュニア俳句 令和5年1月号
  ☆特選☆
 
安 城