さる10月18日(土)アイリス・愛知にて、第13回「伊吹嶺全国俳句大会」が開催されました。全国から164名の参加で、大変な盛り上がりでした。栗田主宰の挨拶の中で、印象深かったのは、「イチロー選手の“目標を高くするとそれを達成しない時に挫折感が生まれるので、目標は手の届く時の達成感を持って次へ進む”の言葉に共感した。」ということでした。「自分のために伝統としての俳句を正しく後世へ伝えていかなければならない。」との決意も心に残りました。
総合司会の堀一之氏の進行で、まず総会が開かれました。わがインターネット部の国枝部長が議長に指名され規約、特別会計報告等の議題の報告があり、ここからは、ネット部のお三人と、秀句賞の発表と表彰がありました。
伊吹嶺賞 「除夜の鐘」 松井徒歩氏
新人賞 荒川英之氏 東口哲半氏
秀句賞 足立サキ子氏 大橋幹教氏
代表でご挨拶された徒歩さんの初々しさに、会場の皆さんの惜しみない拍手が送られました。徒歩さんの閉会後の弁です。「待っていた時は至極冷静でしたが、壇上に上がるや否や頭の中が真っ白になりました。用意しておいたメモ書きを咄嗟に出して、何とか挨拶が出来ました。」う〜ん、いいですよね。兼松秀さん以来の理髪店のご主人の受賞です。「これからも俳句を愛し、精進していきます」と、控えめで飾りっ気の無い、とても新鮮な挨拶でした。
新人賞では「伊吹嶺の発展に時代のつなぎ役として頑張る」との荒川さんの挨拶、東口さんは国枝さんの「継子の尻拭い」の名句にとんでもない解釈をしてしまった失敗談などを発表され、会場の皆さんの心をしっかり捕えられたように感じました。
続く新同人紹介ではお二人(栗生さんはご欠席でした)を初め八人の方々に主宰より「忙しい仕事の他にポケットを持って使い分けて前進してもらいたい」との激励の言葉、句集出版のお祝いと続き、大会の前半を滞りなく終えました。
第二部の俳句大会では「山繭」の主宰、宮田正和先生も選者として参加してくださり、嬉しい名乗りが聞くことができました。宮田先生、栗田主宰、河原地副主宰の選については写真と共に文末に掲載します。
第三部の講演会は、宮田先生の「『風』で出会った人々」の演題で、にこやかにユーモアも交えながら、分りやすくお話ししていただきました。「風」時代の栗田主宰とはよきライバルだったようで、大変興味深かったです。また沢木先生、綾子先生のほかにも、川口重美、中山純子、林徹、飴山実氏らの代表句を揚げられ、「風」作家の真髄に触れさせていただいた気がします。
第四部の懇親会では、一人一人に声を掛けてくださる主宰のやさしいお気持ちに触れ、これからの「伊吹嶺」へ会員相互が強い絆で結ばれて行くのだな、と予感しました。遠方よりお越しいただいた皆様、念入りの準備を重ねてこられた研修部の皆様にも感謝します。「伊吹嶺」の更なる発展が見えてきたようで、充実した嬉しい大会でした。(内田陽子記)