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令和8年 第8回自然と親しむ吟行会 藤川宿(紫麦)
 
令和8年5月10日(日)
 

 令和8510日、好天に恵まれ頬に当たる風の心地よい日、インターネット部・環境グループ企画による「第8回自然と親しむ吟行会」が行われた。今回は紫麦復元をテーマに、東海道藤川宿を吟行した。河原地主宰をお迎えして総勢47名。
 午前10時に名鉄藤川駅北口に集合し、松原和嗣さんによる参加者確認。インターネット部長新井酔雪さんによる挨拶と資料配付、行程と句会場の説明の後、紫麦の栽培地に向かった。
 皆さんいそいそと案内の酔雪さんに従った。吟行日和の中、和気藹々と楽しそうであった。紫麦は風雨のためだいぶ倒れていたが確かに紫色をしている。普通の麦の黄金色とは明らかに違い、禾から軸まで濃い紫色をしている。これが紫麦かと皆さん手に取って眺めたり、作句したりしていた。酔雪さんによると、「この地では江戸時代、紫麦が栽培されていたことがいろいろな書物から明らかになっている。それがいつしか作られなくなり幻の麦となっていたが、平成6年地元の方の手で復元された」とのこと。これは生物多様性の観点からも重要なことと思われる。今では毎年5月「むらさき麦まつり」が開催されるまでになっている。
 畑の中の隧道をくぐり、東海道の松並木に向かった。有名な御油の松並木より長いとのこと。そして、一里塚跡、十王堂、芭蕉句碑に向かった。その句碑には、

  ここも三河むらさき麦のかきつばた  芭蕉

と詠まれていた。古い句碑と新しい大きめの句碑が2つ並んでいる。この芭蕉の句によっても江戸時代この地で紫麦が栽培されていたことが分かる。
 十王堂は生前の行いによって死者を裁く10人の王を祀ってある。続いては本陣に向かう。太陽が照りつけ結構暑くなってきた。5月初旬とはいえすっかり夏の日差しである。日陰に入れば5月の風が心地よい。そこからは自由吟行になった。藤川色資料館へ向かわれる方、昔の銭谷、米屋を見学される方、木陰で昼食をとられる方、いろいろであった。
 句会場は駅近くの「東部交流センター・むらさきかん」。2句投句、3句選、主宰は10句選。主宰特選と高得点句には、藤川名物「むらさき麦そば」が贈られることが決まっていた。
 午後1時より句会開始。それに先立ち、環境グループの国枝隆生さんより『俳句界』掲載の資料を基にお話があった。「結社として『環境問題は知ること、行動すること』が重要で、今日の紫麦吟行はこの行動することの流れである」という国枝さんの言葉で、本日の吟行会の目的が明確に伝わった。
 本日の句会の司会は酒井とし子さん、披講は伊藤範子さんと長谷川妙子さん。点盛は玉井美智子さんと伊藤みつ子さん。
 早速、投句一覧をもとに選句が始まった。皆さん真剣な表情である。
 選句が終わり披講の時間。読み上げられるたびに歓声と拍手が沸き起こった。結果、河原地主宰の特選は国枝隆生さん。続いて高得点の方の発表があった。そして、表彰となり大きな拍手の中、主宰特選の国枝さんに主宰染筆の色紙と賞品のむらさき麦そばが贈られた。次に高得点の方々に賞品のむらさき麦そばが贈られた。
 最後に河原地主宰に本日の投句の選評と講評を頂いた。特選句については、単なる写生ではなく深い意味を持たせていると絶賛された。その他の句についてもそれぞれお褒めの言葉があった。そして、吟行についての心得のお話があり、「伊吹嶺誌の5月号の俳日和に『吟行上の工夫』と題して書かれているが、さらに吟行後の推敲が大事である」と締めくくられた。無事吟行会が終わり、句会場の階段で写真撮影を行い解散となった。

  主宰特選句 熟れ麦の倒れ伏すとも紫に    国枝隆生
  高得点句  むらさきの麦の穂波や三河晴   倉田信子
        はがねめくむらさき麦の長き禾  久野和子
        三河晴濃き紫の麦の波      林 尉江
        日を溜めて紫麦の粒まろし    伊藤範子
        禾たれて光る紫麦の波      川北康子
        十王のかつと見開く青葉闇    玉井美智子
        老鶯や五歩に足らざる宿場橋   河原地英武
        麦熟るる奪衣婆留守の十王堂   野島秀子




吟行スタート

紫麦の畑

紫麦

東海道・藤川宿の松並木入り口

芭蕉句碑の説明

東海地方最大の芭蕉句碑

 句会の様子

主宰講評

主宰特選・国枝さん

高得点表彰・川北さん
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