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選句結果
     
第261回目 (2021年2月) HP俳句会 選句結果
【  奥山ひろ子 選 】
  特選 重なりし小さき手形や雪達磨 カズテル(松阪市)
   立春の光ついばむ鳩の群れ 田中洋子(千葉市)
   風光る手話の子の指かろやかに      愛子(愛知県)
   散髪の首をすくめる春霙 野津洋子(愛知県)
   朝稽古踏み込む床の余寒かな ようこ(神奈川県)
   堰を越す水の煌めき寒明くる 伊田一絵(東京)
   海人舟を浮かべて春の夕焼かな とかき星(大阪)
   白鳥の水を翔つとき啼き合へり 櫻井 泰(千葉県)
   滑らかに動く重機や春立つ日 蝶子(福岡県)
   春夕焼あした働く鎌を研ぐ 椋本望生(堺市)
【  伊藤範子 選 】
  特選 大皿は北斎の青桜鯛 茫々(和歌山市)
   児の髪に絡みては消ゆ春の雪 雪絵(前橋市)
   公園のD51でんと春を待つ      稲福達也(沖縄県)
   風光る手話の子の指かろやかに 愛子(愛知県)
   竹林の日の斑こまやか春立ちぬ 吉沢美佐枝(千葉県)
   きさらぎの明るき庭や靴みがく 飴子(名古屋市)
   園長の吹くしやぼん玉遠くまで 梦二(神奈川県)
   白鳥の水を翔つとき啼き合へり 櫻井 泰(千葉県)
   涛音のをりをり届く干鰈 勢以子(札幌市)
   春夕焼あした働く鎌を研ぐ 椋本望生(堺市)
【  武藤光リ 選 】
  特選 滑らかに動く重機や春立つ日 蝶子(福岡県)
   とりどりの鎌倉野菜春市場 田中洋子(千葉市)
   昼の月透けて二月の雑木山      大原女(城陽市)
   児の髪に絡みては消ゆ春の雪 雪絵(前橋市)
   すれ違ふマスクの中にある不安 さいらく(京都)
   凍星や靴音硬く響く街 直樹(埼玉県)
   竹林の日の斑こまやか春立ちぬ 吉沢美佐枝(千葉県)
   五箇山の水ある暮らし黄水仙 正憲(浜松市)
   朝稽古踏み込む床の余寒かな ようこ(神奈川県)
   堰を越す水の煌めき寒明くる 伊田一絵(東京)
【  渡辺慢房 選 】
  特選 涛音のをりをり届く干鰈 勢以子(札幌市)
   カタカタの行き着く先よクロッカス さいらく(京都)
   公園のD51でんと春を待つ      稲福達也(沖縄県)
   大木の幹のねぢれや冬の雷 蒼鳩 薫(尾張旭市)
   クレーンで吊られるピアノ春の空 節彩(東京)
   五箇山の水ある暮らし黄水仙 正憲(浜松市)
   うららかや似顔絵描きの客となる ひろこ(鹿児島県)
   堰を越す水の煌めき寒明くる 伊田一絵(東京)
   海人舟を浮かべて春の夕焼かな とかき星(大阪)
   春夕焼あした働く鎌を研ぐ 椋本望生(堺市)

(各選者の特選は2点・並選を1点として計算し、最高点の方を最多入選賞といたします。
同点が3名以上の場合は該当者無しとさせて頂きます)

今月の最高得点者は、伊田一絵さん(東京)、蝶子さん(福岡県)、椋本望生さん(堺市)、勢以子さん(札幌市)でした。同点句が3名以上ですので、今月の最多入選賞は該当者無しとなります。

【講評】


               2021年2月伊吹嶺HP句会講評        渡辺慢房

 今月は、56番の句で、私(慢房)と伊藤範子氏の解釈が正反対になりました。同じ句
でも、読者によって解釈・評価が異なる例として、敢えてそのまま掲載します。

1	祠拭き庇の銅に冬日差す

 「祠拭き」という行事か儀式のようなものがあるのかと思い、ネットで調べてみまし
たが、よくわかりませんでした。単に、小さな祠を拭き掃除したということでしょうか?
 「銅の庇」ではなく「庇の銅」と銅を強調されていますが、その意図が今ひとつわか
りませんでした。

2	冬の日の伏せし母の毛撫でる人

 「撫でる人」は誰なのでしょう? 作者自身ではなさそうですが・・・。「伏せし」
と文語にするのであれば、「撫づる」と文語で合わせた方が良いですね。

3	重なりし小さき手形や雪達磨

 何人もの子供たちが協力して作った雪達磨なのですね。観察が行きとどいています。

 奥山ひろ子氏評===============================

情景がよくわかり、〈小さき手形〉で作り手が子供であることも伝わりました。
子供たちが一生懸命作った様子が浮かび、可愛くもあり、特選として頂きました。

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4	白酒や三島由紀夫の喉仏

 白酒と三島由紀夫と喉仏の関係がよくわかりませんでした。

5	カーテンを引くためらひや日脚伸ぶ

 いつもの時間にカーテンを閉めようとしたら、まだ外が明るいことに気付いたのです
ね。日常の中に季節を感じる好例ですが、やや理屈っぽい感じを受けました。

6	立春のしゅんの一字の踊り出る

 何か斬新で面白みのある句ですが、意味が今一つよくわかりませんでした。

7	おちこちにうさぎ足跡木の根開く

 早春の森を切り取った一枚のスナップ写真的な句ですね。「うさぎ足跡」は、助詞の
「の」を無理やり省いて名詞を合成しており、やや寸詰まりな感じを受けました。

8	サクッサクッとアイゼンの音冬の山

 「アイゼン」と「冬の山」の季重なりです。アイゼンの音の表現もありきたりに感じ
ました。

9	とりどりの鎌倉野菜春市場

 「春市場」という季語は無いと思います。名詞に春夏秋冬を付ければ季語になるとい
うわけではありません。

10	立春の光ついばむ鳩の群れ

 明るくほっとする句で、作者が春を感じた喜びが伝わります。ただ、「立春の」が掛
かる先が、「光」のようにも「鳩の群れ」のようにも解釈できます。

 奥山ひろ子氏評===============================

〈光ついばむ〉は、草や虫に水滴がついていて、光って見えたのだと思いますが、素敵
な表現だと思いました。「立春」である点が特別な光に感じられました。

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11	嫌と言う程に家居や日脚伸ぶ

 日が伸びてくると、家に閉じこもっている一日がますます長く感じられますね。「程
に」は「程の」の方が良いように思いました。

12	昼の月透けて二月の雑木山

 一読、昼の月が透き通っているように見えると解釈しましたが、葉が落ちた雑木の枝
の間から昼の月が見えているという意味にも取れますね。ただそれだと、やや理屈っぽ
くなります。

13	雪雪と子らがスキップ通学路

 大人にとっては厄介な雪も、子供たちには楽しいイベントですね。「雪雪」は子供た
ちの言葉をそのまま句に詠みこんでいますが、散文的になりますので、例えば「風花や
子等スキップの通学路」のようにはっきりと切れを入れるようにすると、より俳句らし
くなります。

14	断捨離や出しては戻す冬ごもり

 上五を「や」という強い切字で切っていますが、意味的には中七下五に繋がっている
ため、切れの効果がありません。

15	水鳥の密に遊ぶを羨しがる

 羨ましがっているのは誰でしょうか? 作者ではなさそうですが・・・。下五の字余
りが大きくリズムを崩し、俳句の安定感を台無しにしています。

16	丹頂の争ふ様も優雅なり

 作者の主観がそのまま述べられており、読者としては「ああ、そうですか。」と言う
しかありません。「優雅なり」と言わずに、優雅さが読者に伝わるように詠みましょう。

17	塗椀や熱く生きよう雑煮餅

 雑煮を塗椀で食べるのは珍しいことでは無いと思います。また、雑煮の餅に対して
「熱く生きよう」と呼びかける意味もよくわかりませんでした。

18	春永や元気ですかとEメール

 年賀状代わりのeメールでしょうか? 最近では珍しくない句材のように思えます。

19	宙震ふアリアに天狼蒼く燃え

 天狼星が見えているということは、真冬の屋外クラシックコンサートでしょうか? 
状況がいまひとつよくわかりませんでした。

20	燃え残る人形代に御降り沁む

 雨で形代を焚き上げる火が消えてしまったのでしょうか? 下五の字余りが気になり
ました。

21	ミモザ咲く洋館沿ひにあふるる黄

 「ミモザ咲く」あるいは「花ミモザ」と言えば、「あふるる黄」と言わなくても様子
は見えてきます。季語を説明する必要はありません。

22	海苔二枚ぱぱつと炙る朝の膳

 「ぱぱつと炙る」が、使い古された言い回しで新鮮味が無く感じられました。作者独
自の言葉で描写して欲しいところです。また、朝食に焼き海苔というのも定番ですので、
「朝の膳」と言わなくても、朝食の光景が浮かぶと思います。

23	下萌や温み伝わる靴の底

 実際に足の裏が温かく感じられたわけではなく、心象的な温かさでしょうね。

24	春の月滴り落すみずうみに

 幻想的な光景ですが、助詞の省略、比喩、倒置などが一句の中に詰め込まれているた
め、何かぎくしゃくした感じを覚えてしまいました。

25	児の髪に絡みては消ゆ春の雪

 春の雪の淡さ、はかなさを詠まれています。中七が「消ゆ」と終止形で切れています
ので、「消ゆる」と下五に繋げたいですが、そのままだと字余りになるので、「絡みて
消ゆる」「触れては消ゆる」等、工夫が必要ですね。

 伊藤範子氏評================================

「絡みては」の言葉を発見されたところ良いと思いました。

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26	春一番竹百幹の騒きかな

 上五に切れがあるため、「かな」の切字の効果が上五に及んでおらず、半減していま
す。ここは、敢えて字余りにしても、「春一番の竹百幹の騒きかな」としたいところで
す。

27	すれ違ふマスクの中にある不安

 この不安は、作者が感じているものなのか、擦違う相手のものなのかがよくわかりま
せんでした。また、コロナ禍を取り上げた句としては、新鮮味に欠けるように感じます。

28	カタカタの行き着く先よクロッカス

 春の庭先の小景ですね。クロッカスの可憐な花が、よちよち歩きの幼子によく似合っ
ています。

29	頓宮の太枝垂るるしづる雪

 「垂るる」と「しずる(しづる)(垂る)」の言葉が重なってしまっています。

30	節分や幼なが唄を口ずさみ

 節分と幼子の歌の関係がよくわかりませんでしたが、節分がテーマの童謡でしょう
か? でも、そうすると、七夕でも正月でも同じような句が出来てしまいます。

31	大皿は北斎の青桜鯛

 いわゆる北斎ブルーの大皿に、桜鯛のお造りが盛られているのでしょうね。松皮造り
でしょうか?色彩が綺麗です。

 伊藤範子氏評================================

「大皿は北斎の青」と言い切った潔さ、桜鯛の色の対比も目に浮かぶようで良いと思い
ました。

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32	赤人の歌碑立つ和歌の浦淑気

 和歌浦を知っている読者にとっては、「赤人の歌碑立つ」という説明は不要です。こ
の句は新年の句ですので、できれば1月の句会に出して戴いた方が、よりタイムリーと
思います。

33	凍星や靴音硬く響く街

 深夜の帰宅でしょうか? 「靴音硬く」が、凍てついた夜の雰囲気をよく表していま
す。

34	モニタアに四つの笑顔春隣

 一読、モニターの画面が四分割されて、四人の顔が映っているシーンを想像してしま
いました。きっと、そうではなくて、四歳の子の意味なのでしょうね。コロナ禍で、な
かなか会えない人と会える日を待つ希望の心が、季語に表れていますね。

35	公園のD51でんと春を待つ

 中七に切れがあると捉えると、春を待っているのは作者。切れが無いとして読むと、
春を待っているのはデゴイチということになりますね。どちらに解釈しても、「D51
でんと」の韻を踏んだ言葉のリズムが利いている明るい句ですね。

 伊藤範子氏評================================

Dの発音の韻が続いて大らかな句風が良いと思いました。

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36	もとほりてひかりに睦む春の川

 もとおるのは作者自身かと思いますが、川がくねくねと野山を流れている様子も想像
されます。ただ、「ひかりに睦む」は、春の川のイメージにすでに含まれていると思い
ます。

37	はからずも凍滝めぐる八十路旅

 八十路旅というのは、作者の個人的な心情・感慨で、そこから何かを読者に訴えるの
は困難です。「はからずも」も、作者が何を期待していたのか、読者に疑問を抱かせま
す。

38	大鍋のおじやを掬ふ嘗てあり

 回想句と思いますが、感動のポイントがよくわかりませんでした。大鍋のおじや、そ
れを掬うこと、そこから何を伝えたいのでしょう?

39	蝋梅の風裏道を通り抜け

 裏道を歩いていたら、不意に蝋梅の良い匂いがしたのですね。風が通り抜けたと言う
ことで、一瞬のできごとであったことがわかります。

40	音連れて光り流るる春の川

 季語「春の川」の説明的な句と感じました。

41	白雪の句碑をしまくや久女の忌

 「白雪(雪)」と「久女忌」の季重なりです。

42	大木の幹のねぢれや冬の雷

 良い句と思いますが、上五がただの大木だとやや弱い感じです。「神木の幹のねぢれ
や冬の雷」等、推敲の余地があると思います。

43	風光る手話の子の指かろやかに

 綺麗な良い句と思います。ただ、類句・類想が多いように感じました。類句・類想を
過度に恐れる必要はありませんが、この句の場合は、季語を見直し、敢えてちょっと
「離れた」季語を探してみるのも良いかと思います。

 奥山ひろ子氏評===============================

ろうあであるのが子供本人なのか、家族なのかはわかりませんが、手話でのお話を楽し
んでいる様子が「風光る」の季語と、〈かろやかに〉の措辞で伝わりました。〈子の指〉
と写生の焦点を絞った点もよかったと思います。

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 伊藤範子氏評================================

手話と指を詠んだ句はあると思いますが「かろやかに」が春らしさが感じられて良いと
思いました。

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44	ふはふはな猫の肉球蕗の薹

 面白い句ですね。上五のオノマトペが重要なポイントですが、「ふはふは」はややお
となしすぎるような気もします。「ぷにぷに」だと音としては面白くなりますが、肉球
の表現としてはありきたりですね。面白い表現を見つけられると良いですね。

45	チップ敷く人の声あり梅は蕾

 何のためのチップを誰がどこに敷いているのでしょうか? また、その姿ではなく、
声に着目したのは何故でしょうか? 下五を字余りにした理由は? 疑問がたくさん浮
かんできてしまいました。

46	クレーンで吊られるピアノ春の空

 明るい春の空をバックに、空中に吊られているピアノが、目に浮かびます。春は、新
しい生活が始まることの多い季節です。ピアノの持ち主も、新しい家での生活を始める
のでしょうね。

47	見下ろせば運河に遊ぶ春の鴨

 上五で、作者が高い位置にいることがわかりますが、それを言う必要があるか、疑問
に思いました。また、「運河に遊ぶ」も、鴨の描写として平凡に感じます。

48	ひもすがらハミングの川春の鴨

 「ハミング」は、川の流れる音の比喩表現でしょうか? どんな音なのか、いまひと
つピンと来ませんでした。また、川の音は日夜続いていますので、上五は不要と思いま
す。

49	サドル撫で部活ゆく子や春の霜

 自転車のサドルに霜が降りていた→手で撫でてお尻が濡れないようにした・・という
理屈・説明が感じられます。

50	龍の口流るる手水ぬるめけり

 「ぬるめる」は他動詞ですので、春になって自然に水がぬるんだということであれば
「ぬるみけり」とします。

51	北窓を開き自画像目覚めさす

 「自画像目覚めさす」は比喩的表現と思いますが、ちょっと怖いものを想像してしま
いました。

52	背表紙の金箔文字や風光る

 何の背表紙かがわかると良いですね。「風光る」が屋外のイメージですので、どこで
どんなものの背表紙をみているのか、想像するのが難しいです。

53	冴返る古き調度の奥座敷

 「古き調度」という大雑把で一括りの描写でなく、その調度の一つを具体的に詠むと
映像が見えてきます。

54	屈み見る去来の墓や落椿

 目立たない去来の墓を良く見ようと、思わずかがんでしまうのでしょうね。まるで手
向けられたような落椿の色彩が鮮やかです。

55	春浅し松の影濃き台場跡

 松の影が濃い=日差しが強いというイメージで、季語が動くような印象を受けました。

56	竹林の日の斑こまやか春立ちぬ

 日の斑が「細やか」という描写から、静かで弱々しいイメージが湧き、春が来た喜び
を表す季語と、今ひとつそぐわないように感じました。

 伊藤範子氏評================================

「日の斑こまやか」の独自の言葉の斡旋が秀でていると思いました。季語ともよく響き
あっています。

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57	目を凝らすホワイトアウト雪女郎

 季語が付き過ぎに感じました。ホワイトアウトは、私の手元の歳時記には載っていま
せんが、ほぼ季語と言っても良いような季節・気象に密着した言葉ですので、そのイメ
ージと重複する季語を用いるのは得策ではないと思います。

58	籠居に喜びくるる冬日向

 ステイホームのささやかな楽しみですね。「喜びくるる」と言わずに、その気持ちが
わかるように物や動作で詠むと、更に良いと思いました。

59	空に吠え木立を揺らし雪しまく

 「雪しまく」という季語の説明のように思いました。

60	雨音も優しと覚ゆ春立つ日

 主観的な句ですが、春を迎える気持ちがよく表れてると思います。上五は「雨音を」
とした方が、より澄んだ句になります。俳句では、助詞の「も」の使い方には注意が必
要です。

61	庭石を洗ふしぐさや朝時雨

 「しぐさ」は時雨の比喩的表現でしょうか? 時雨のどういう様子を「しぐさ」と表
現されているのかがよくわかりませんでした。

62	節分会老いし手より豆飛ばし

 節分に豆を投げるのは、句材として平凡で、季語の説明に近いと思います。また、中
七の字足らずは、句のリズムを大きく損ないます。

63	初時雨湖に寝息のありにけり

 湖の寝息の比喩の意味がよくわかりませんでした。

64	漁火の沖一直線や冬銀河

 中七(あるいは上五?)の字余りは、推敲の余地があると思います。

65	障子穴凝らす眼に入る忿怒像

 状況がよくわかりませんでした。わざと障子の穴から覗いて鑑賞する仏像があるので
しょうか?

66	北颪茶屋に置き去る鉄風鈴

 北颪(冬)と風鈴(夏)の季重なりです。また、誰が何故、茶屋に風鈴を置き去りに
するのか、状況が掴めませんでした。

67	着陸の飛行機煽る春一番

 春一番は、キャンディーズの歌のせいなどで、明るいイメージがありますが、実際は
いろいろな被害をもたらします。飛行機に乗っていた人は、さぞ怖い思いをされたこと
でしょうね。

68	風立ちて梅ふくいくと茶店まで

 「風立つ」が秋の季語かどうかは諸説あるようですが、やはり松田聖子の歌のインパ
クトが強く、秋のイメージが強いですね。切れの無い句なので、散文的で、この先を読
まないと言いたいことがわからないと感じました。

69	薄氷や境内用の竹箒

 何(どこ)に張った薄氷なのかがわからないので、具体的な映像が浮かびません。ま
た、竹箒が境内用かどうかというのは、竹箒を見ただけではわからず、読者としては、
「ああ、そうですか」と言うしかありません。

70	はじめてのおつかいのあさ木の芽雨

 幼子のイメージと芽吹く木々のイメージが合っていますが、雨の中、敢えて初めての
お使いに行かせるのか?という、現実的な疑問を持ってしまいました。

71	寒暖にためらひつつも梅ふふむ

 梅を擬人化していますが、言っていることは常識的なことで、それを句にしても、読
者の心を打つことはできません。

72	きさらぎの明るき庭や靴みがく

 まだまだ寒いと思っていても、二月になり立春を過ぎれば、庭の日差しも明るく感じ
られるようになってきますね。ただ、そこで靴を磨くというのは、いささか唐突な感じ
を受けました。

 伊藤範子氏評================================

睦月と如月では日差しが違い、気持ちも明るくなります。日常を詠んで清々しい句です。

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73	憚らず鯉はたわむれ春一番

 「憚らず」とありますが、鯉は戯れるときに何に憚るのか?という疑問がわきまし
た。また、鯉が戯れるというのどかな様子と、時には様々な被害をもたらす強風の春
一番が、ややミスマッチのような感じを受けました。

74	介護終へ肌を潤す朧月

 「介護終へ」というのは、今日一日の介護作業を終えたということなのか、介護の対
象が介護の要らない状況(逝去?)になったか、どちらにも解釈できます。また、介護
を終えて肌を潤しているのは朧月ではなく、作者だと思いますが、月が見えるところで、
どのような状態で肌を潤しているのか、状況がよく分かりませんでした。

75	幸せが降つておるよな春の星

 「幸せが降つておるよな」は作者独自の主観です。俳句は主観を主張するものではあ
りません。もし、「幸せが降つておるよな」が、誰もが春の星に対して持つイメージで
あれば、この句は季語の説明になってしまいます。

76	五箇山の水ある暮らし黄水仙

 五箇山を訪れたことはありませんが、「水ある暮らし」という措辞が、質素かつ豊か
な土地柄を想像させます。素朴な黄水仙が似合っています。

77	舞ひ終へしささらに混じる雪解風

 ささらは、民族楽器と、それを使って舞う踊りのことも指します。この場合は、「舞
ひ終へし」とありますので、踊りのことでしょうね。「舞ひ終へしささら」・・つまり、
終ってしまった踊りというのは、すでに眼前に無いもので、それに風が混じるという状
況がよくわかりませんでした。

78	桜湯の八重の解けゆく茶房かな

 綺麗な句ですね。ただ、桜湯を飲んでいる場所が茶房というのはちょっと平凡な感じ
がしますので、もう一工夫欲しいと思いました。

79	桜湯や墨田川ゆく遊覧船

 墨堤の茶店(存在するのかどうか存じませんが)で、桜湯を喫しながら、川を上り下
りする水上バスを眺めているのでしょうか。滝廉太郎の花を思い起こさせる句ですね。

80	神前に誓ふふたりや春の風

 言うまでもなく結婚式の景ですね。大きく開け放たれた扉より、社の中に吹き込む風
が、二人を祝福しているようです。

81	うららかや似顔絵描きの客となる

 どこかの観光地などでしょうか? 似顔絵を描いてもらうというのは、気持ちと時間
とお金に余裕がないとできません。季語がその状況をよく伝えています。

82	日脚伸ぶニホニウムとや元素名

 元素名と季語の関連がわかりませんでした。付き過ぎの反対の離れすぎであり、季語
が動くように思います。また、上五中七下五に切れがある「三段切れ」は、句のリズム
が途切れてしまいますので、極力避けた方が良いと思います。

83	裸木のオーヘンリーのごと一葉

 「The last leaf(最後の一葉)」ですね。あれはたしか、塀を這う蔦の葉っぱだった
と思います。ともあれ、一枚だけ残った葉っぱでO・ヘンリーの短編を連想するのは、
ちょっと安直なように思いました。

84	湯上りの喉に沁み入る寒の水

 湯上りで喉が渇いたところに飲む水はうまいものですが、寒中に汲んだ水と思うと、
一入でしょうね。「喉に沁み入る」は作者の主観が強い措辞ですので、例えば「音立て
て飲む」のようにより客観的な描写としたいところです。

85	散髪の首をすくめる春霙

 暖かくなってきたから襟足もさっぱりと・・・と散髪した帰りに、不意に春の霙に見
舞われたのでしょう。「首をすくめる」に驚いた感じが表れています。

 奥山ひろ子氏評===============================

三寒四温のこの時期、たまに降る霙は本当に冷たく感じます。散髪後だとなおさらです
ね。

 ======================================

86	失恋の打撃に似たり春の風邪

 春の風邪をテーマに、何かうまいことを言おうとしている気持ちが伝わりますが、そ
のような小主観、教訓、提言のようなものは、俳句には似合いません。

87	春の風邪寝くたれ髪の昼餉かな

 「寝くたれ髪の昼餉」が具体的な描写で、風邪の床から起きてけだるく食事をしてい
る様子がよく表現されています。上五に切れがありますが、下五を「かな」で切る場合
は、句の途中に切れを入れない方が「かな」の効果がより得られます。

88	冬天の雲掴み棒貫けり

 句の意味がよくわかりませんでした。誰が雲をつかみ、何の棒が何を貫くのでしょう
か?

89	霜柱兵どもの軍旗起ち

 句の意味がよくわかりませんでした。霜柱を、兵や軍旗に見立てているのでしょうか?
それとも、芭蕉の句を踏まえて、古の武者たちに想いを馳せているのでしょうか?

90	園長の吹くしやぼん玉遠くまで

 園長は、多分幼稚園の園長先生で、年配の方かと思います。大人のしゃぼん玉の方が、
小さな子の吹いたしゃぼん玉よりも遠くまで飛ぶということかな?とも思いましたが、
特別そういうことは無いのではないかという気がしました。

 伊藤範子氏評================================

園長先生は何でも上手に出来て園児の尊敬の対象ですね。

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91	陽炎や緊急警報聞き逃し

 聞き逃した警報が、どんな内容だったのか? 不安感を陽炎が増幅しているような気
がします。

92	朝稽古踏み込む床の余寒かな

 武道か踊りか? いずれにしても、裸足か足袋裸足での稽古で、床の冷たさが直接伝
わってくるのでしょうね。 引き締まった気持ちも伝わります。

 奥山ひろ子氏評===============================

武道か何かでしょうか。〈踏み込む床〉が具体的で、そこに「余寒」を感じたとの表現
が巧みだと思いました。

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93	下萌ゆる淡き思ひを伝へたし

 作者の年齢はわかりませんが、遠い昔(でなかったら失礼)を回想しての句でしょう
か?「下萌え」と「淡き思い」は似合っていると思います。ただ、作者の主観が勝ちす
ぎていて、読者はついて行けない感じがします。

94	ゆわゆわとふくらみながら春の川

 「ゆわゆわとふくらみながら」が独特の表現で面白いと思いました。具体的な景では
ありませんが、文字と音から春の川の雰囲気が立ち上がってきます。

95	ガラス絵の異国の街や春の雨

 窓の外に、静かに降る春の雨を感じながら、ガラスに描かれた遠い異国に思いを馳せ
る様子が浮かんできます。油絵や水彩画とは違うガラス絵の質感が、エキゾチックなも
のへの憧れを感じさせますね。

96	まとまりて居るのは悪しつくしんぼ

 密を避けるべしという意味でしょうか? 教訓や提言は俳句に似合わないのと、季語
も付き過ぎに思います。

97	生ゆやうに達磨のやうに落椿

 「生ゆやうに達磨のやうに」の直喩が、どんな様子を表しているのかがよくわかりま
せんでした。

98	寒すみれ卒寿の姉のマイペース

 お姉さんの性格を「マイペース」という大きな括りで表現されていますが、マイペー
スであることを象徴するような具体的な仕草や言動を詠んだ方が、イメージが湧きやす
いですね。季語も動くように思います。

99	堰を越す水の煌めき寒明くる

 春の喜びの句です。「寒明け」は「立春」と同じですが、長い冬をようやく抜けたと
いう実感がよりこもりますね。

 奥山ひろ子氏評===============================

動きのある水の様子が目に浮かびました。そして〈煌めき〉が春の日差しも表現してい
ます。季語「寒明くる」がよく効いていて春の到来に共感しました。

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100	青光る雄鳩の首春めける

 鳩の首の光沢に春を感じるというのは、斬新だと思いました。春になり、光が増すの
で、より光って見えるのでしょうね。

101	春なれや水口に鯉群れゐたり

 鯉の群れは、いるところには季節を問わずいるのでしょうが、そのどんな様子に春の
訪れを感じたのか、より具体的になると良いと思いました。

102	梅が香や天満宮に早よ行かな

 飛梅で有名なのは太宰府天満宮ですが、「早よ行かな」はあの辺の方言なのでしょう
か? いずれにしても、梅と天満宮は付き過ぎに思います。

103	春寒し咲くを待たずに伐られけり

 状況がよくわかりませんでした。何の花が咲く前に、何故伐られてしまったのでしょ
うか?

104	煮凝を掬ひ損ねる老の箸

 年寄りで箸使いも覚束なくなったので、煮凝りをつかみ損ねるということで、ちょっ
と理屈っぽさを感じました。

105	一村に仄かな香り梅二月

 梅と言えばその香りもイメージに含まれますので、この句は季語の説明に近い印象を
受けました。

106	海人舟を浮かべて春の夕焼かな

 海越しに夕焼けを見ているのでしょう。海人舟が夕焼けに浮かんでいるようにも思え
ます。大きな景ですね。

 奥山ひろ子氏評===============================

夕暮れ時、まだ海人舟が浮かんでいるのですね。「春の夕焼」をバックに美しい光景だ
と思いました。

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107	産院へ続く小径や蝶の昼

 作者は妊婦なのか、それとも出産した誰かの見舞いに行くのかわかりませんが、いず
れにしても、暗い気持ちはでなく、軽い足取りであることがわかります。

108	城跡や海光霞む安房の海

 海を見下ろせる城跡で詠まれたのでしょう。「海光」と「海」の重複を整理すると、
更によくなると思います。

109	白鳥の水を翔つとき啼き合へり

 よく観察して写生された句と思います。ただ、詠み方が一本調子で報告的な印象もあ
りますので、「啼き合へり」と状況を説明するよりも、例えば鳴き声そのものを詠むな
ど、できるだけ具体的な「物」を捉えた方がよりよくなると思います。

 奥山ひろ子氏評===============================

旅立ちの掛け声でしょうか、白鳥同士の絆があると感じました。

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 伊藤範子氏評================================

白鳥をよく観察され写生がお出来になっていると思います。

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110	切れ味の鋭きナイフ冴返る

 切れ味が鋭いのは、ナイフの属性として当然のことですので、鈍らなナイフは句材に
なりますが、鋭いナイフは句材としてあまり面白くありません。思わぬものが切れてし
まったというようなことであれば、話は別ですが…。

111	夜の厨浅蜊ぽつりとひとり言

 浅蜊は、じっと観察していると動いたり水を吹いたり、けっこう音を立てますね。独
り言という感じではなく、何かを言い合っているようにも思えますが。

112	カラカラと炒り豆の焦げ福は内

 カラカラは、豆を炒る時の擬音としては平凡で、敢えて句に読み込む必要を感じませ
んでした。

113	大空と瑠璃色競ふ犬ふぐり

 大と小、上と下の対比が面白いですね。ただ、犬ふぐりの花の色は、瑠璃色よりももっ
と水色寄りのように思いますが、こういう指摘は野暮でしょうか?

114	涛音のをりをり届く干鰈

 手慣れた作者の句と感じました。「をりをり届く」が、春の長閑な感じを伝えていま
す。

 伊藤範子氏評================================

波音と魚干場だけを詠んで詩情があると思いました。「をりをり届く」に作者の工夫が
感じられて良いと思いました。

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115	雛あられ子の脱ぎし衣袖畳

 雛祭りの宴が終わった際の一景でしょうか? 上五に切れがありますが、できれば
「や」ではっきりと伐りたいところです。「白酒や〜」等、推敲されてみては如何で
しょうか?

116	紅梅や右大臣様ご到着

 「右大臣様ご到着」の意味が分かりませんでした。現代に実際の右大臣はいません
し、雛祭りの右大臣だとしたら、どこに到着したのでしょう?

117	ほんのりと春の匂や頬に風

 「春の匂」が漠然としています。何の匂いかを、具体的に詠むと良いと思います。

118	雨上がり雲間広げる春疾風

 風が雲の隙間を広げるということがあるのでしょうか? 雲は同じ方向に同じスピー
ドで流されてゆくと思うのですが。

119	冴返る月の光は矢のごとし

 光陰矢の如しという諺がありますが、実際の月の光が矢のように感じられるというの
は、どのような状況なのでしょうか? 

120	隧道に声を弾ませ春近し

 何かの折に、子供たちとトンネルを通ったのでしょうか? 隧道というのが、動物の
冬眠や地面の下で芽吹きを待つ植物などのイメージと結び付いて、季語が活きたと思い
ます。

121	滑らかに動く重機や春立つ日

 実際には、昨日までと同じ動きをしている重機ですが、暦の上とはいえ春ともなれば、
より軽快に動いているように思えるのでしょうね。

 奥山ひろ子氏評===============================

〈滑らかに〉が〈重機〉の動きの表現として面白いと思います。操縦の方がお上手なの
ですね。春の訪れで、様々なものが整備され新しい生活の始まりを感じました。

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 武藤光リ氏評================================

     春らしい明るい景が眼前に広がる。コロナ問題も
   五輪も、滑らかに順調に進んで貰いたい。

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122	春夕焼あした働く鎌を研ぐ

 「あした働く鎌」というのが良いですね。長い冬が終わって、鎌の出番が来たという
ことでしょう。「明日も頑張るぞ」という作者の気持ちが伝わって来ます。

 奥山ひろ子氏評===============================

日々の営みの一コマですね。〈あした働く〉の措辞が、作者と一体となっての相棒っぽ
くてよいと思いました

 ======================================

 伊藤範子氏評================================

明日は晴れると分かり手入れをする作者。「明日の・・・」の言葉遣いはあると思いま
すが「あした」という普段使いの言葉と「働く鎌」とされた道具への思いが伝わりまし
た。
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123	はうれん草の空も茹でたき朝かな

 句の意味がよくわかりませんでした。空を茹でる??

124	横たへしゴールに西日二月尽

 西日(夏)と二月尽(春)の季重なりです。

125	空のいろ少し映して春の水

 「少し映して」が、春と言ってもまだ寒い時期であることを感じさせますね。

第260回目 (2021年1月) HP俳句会 選句結果
【  松井徒歩 選 】
  特選 蒲団干す関東平野今日も晴 まこと(さいたま市)
   初御空高炉の煙絶え間なく 田中勝之(千葉市)
   切り張りの小花を浮かす初日かな      雪絵(前橋市)
   東雲の松また松や淑気満つ 節彩(東京)
   先づ父母の忌日書き込む初暦 稲福達也(沖縄県)
   書初めのまず認める楷書かな 暁孝(三重県)
   亡き母に近況述ぶる賀状の来 隆昭(北名古屋市)
   寒林や風に乗りたる篠の笛 安来(さいたま市)
   枕辺の明るさに覚む雪の朝 ひろこ(鹿児島県)
   義仲忌寒晴なれど波高し 和久(米原市)
【  高橋幸子 選 】
  特選 水映えの空を漂ふ浮寝鳥 櫻井 泰(千葉県)
   路地にまだ子供らの声日脚伸ぶ 貝田ひでを(熊本県)
   切り張りの小花を浮かす初日かな      雪絵(前橋市)
   初鴉筑波颪に羽拡ぐ 直樹(三郷市)
   先づ父母の忌日書き込む初暦 稲福達也(沖縄県)
   枕辺の明るさに覚む雪の朝 ひろこ(鹿児島県)
   寒椿箒目美しき櫛問屋 石塚彩楓(埼玉県)
   青空に取り込む蒲団休診日 石塚彩楓(埼玉県)
   小正月買い物に足す茶饅頭 愛子(豊川市)
   髪すこし明るめに染め初電車 小川めぐる(大阪)
【  国枝隆生 選 】
  特選 対峙する山影抱き山眠る 典子(赤磐市)
   路地にまだ子供らの声日脚伸ぶ 貝田ひでを(熊本県)
   蝋梅の空に溶け込む黄の香り      いまいやすのり(埼玉県)
   風花や舞うてつかのま絵馬に溶け 百合乃(滋賀県)
   一滴の垂氷離るる光かな 暁孝(三重県)
   分かち合ふ猫と炬燵の四畳半 飴子(名古屋市)
   そそり立つ三角錐の大枯木 長谷川妙好(名古屋市)
   寒林や風に乗りたる篠の笛 安来(さいたま市)
   枕辺の明るさに覚む雪の朝 ひろこ(鹿児島県)
   髪すこし明るめに染め初電車 小川めぐる(大阪)
【  坪野洋子 選 】
  特選 少年の軸足太し寒稽古 愛子(豊川市)
   対峙する山影抱き山眠る 典子(赤磐市)
   先づ父母の忌日書き込む初暦      稲福達也(沖縄県)
   書初めのまず認める楷書かな 暁孝(三重県)
   鐘楼の寒ゆさぶって鐘の音 みのる(大阪)
   蒲団干す関東平野今日も晴 まこと(さいたま市)
   蝋梅を隅に描きて寒見舞 まこと(さいたま市)
   まだ眠る片隅もあり初御空 ふじこ(福岡県)
   水映えの空を漂ふ浮寝鳥 櫻井 泰(千葉県)
   冬の風磨く鈴鹿の嶺清か 野津洋子(愛知県)

(各選者の特選は2点・並選を1点として計算し、最高点の方を最多入選賞といたします。
同点が3名以上の場合は該当者無しとさせて頂きます)

今月の最高得点者は、まことさん(さいたま市)、稲福達也さん(沖縄県)、ひろこさん(鹿児島県)、櫻井 泰さん(千葉県)、典子さん(赤磐市)でした。最高得点者が3名以上ですので、今月の最多入選賞はありません。

【講評】


               2021年1月伊吹嶺HP句会講評        松井徒歩

沢山の御投句ありがとうございました。今年もよろしくお願いいたします。

3 正月や葬式出して子を産んで

事実としても、個人的には少々引いてしまいました。

4 病める日は気まぐれに買ふ焼芋よ

上五の<は>は理由のように読めるので<の>の方が良いと思いました。

6 クリスマス一緒に履歴書作ろうよ

誰に語り掛けているのか?

7 十秒で作る笑顔の初写真

(国枝)昔、プリクラという写真があったのを思い出した。今ならスマホで撮した写真
をインスタグラムに載せたのだろうか。少しでも早く笑顔を友達に見えたかったのだろ
うと、ストーリーが見えてくるようだ。

8 早世の姉偲ばるる冬茜

お姉さんが早くに亡くなられたのですね。「冬茜」にお気持ちが託されているのがよく
分かりますが、やや観念的かと思いました。

9 年二度の車洗って年用意

<年二度>は<洗って>に掛かっているのだと思いますが、車に掛かっているようにも
読めてしまいます。

(国枝)「年二度の」に読者に何だろうと考えさせています。そこに一寸理屈が入って
いるような。

10 初電話明るき声の子の家族

「初電話」に明るい声は良いのですが、声から家族に視点が行ってしまうと季語が生きてこないと思いました。

12 初御空高炉の煙絶え間なく

頂きました。かつて「鉄は国家なり」と言われた製鉄業。今も健在なりと、気宇壮大で
すね。

(国枝)今時の鉄鋼炉も新年も火を絶やさないのだろう。新年であっても日常の製造業
は続けられるのだろう。私の近くにある四日市のコンビナートも年中無休のようだ。

15 お若いと言われて覗く初鏡

気持ちも若く明るくて良いお正月ですね。

17 いつもの事をいつもの様に賀正

七・七・三の破調ですが、ここまでする必要はどこにあるのでしょうか?

(国枝)この句は合計で17音。最近、テレビのプレバトを見ているとすごく気になる
ことに、合計で17音であるが、5・7・5の定型になっていない句が多い。あたかも
2行詩を読んでいるよう。破調、句またがりになっても定型感は守りたい。

18 天狼のますます蒼くアリア燃ゆ

<アリア>は音楽用語のようですが、「オペラなどでは、特に独唱者にとって聞かせど
ころとなる曲である」とあり、それが<燃ゆ>というのも何となく分かるような気もし
ますが、消化不良でした。

21 路地にまだ子供らの声日脚伸ぶ

予選で頂きました。よく分かる句なのですが、<まだ>の措辞が「日脚伸ぶ」との間に
因果関係を少し感じてしまいました。

高橋幸子氏評================================

冬至以来、日一日と日照時間が延び、気が付けば夕方の路地に子供たちの声が<まだ>
聞こえているのです。季語「日脚伸ぶ」が実感としてとらえられています。

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国枝隆生氏評================================

春が近づく夕暮れに遊んでいる子供達の声が聞こえるよう。上5、中7から子供達の情
景を過不足なく、描いている。

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23 あな妖し狐火炎ゆる井辺村

<あな妖し>は「狐火」の説明のように感じました。

25 蝋梅の空に溶け込む黄の香り
 
国枝隆生氏評================================

香りが蝋梅の空に溶け込んでいる見立てがよかった。

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27 のらくろを描いて父の日向ぼこ

のらくろを描きながら日向ぼこをしているのでしょうか? それとも描いてからの日向
ぼこ? 助詞の<て>が分かりづらくしているように思いました。
 
28 切り張りの小花を浮かす初日かな

頂きました。小花の切り張りとはおしゃれですね。とてもきれいな句だと思いました。
好みの問題ですが、自動詞の「浮かぶ」もありかなと思いました。

高橋幸子氏評================================

障子の切り張りは、花の形なのですね。いくつも花の切り張りがしてあるのでしょう。
初日が差してその小花を浮き立たせている景。初日なので、なおさら美しく感じます。

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30 冬蝶の高舞ふ力有りにけり

季語の本意から離れた詠みをどう評価すれば良いのか悩みました。

33 東雲の松また松や淑気満つ

頂きました。松の句は難しいのですが、<松また松や>と素直に畳み掛けたところに惹
かれました。

「35 初鴉筑波颪に羽拡ぐ

素直にできている句だと思いました。

高橋幸子氏評================================

冬晴の筑波山、北西の寒い空っ風が吹きおろしてくる時の一瞬をとらえ臨場感がありま
す。初鴉の羽が風を受けて、大きく羽を拡げる様が力強いです。

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37 対峙する山影抱き山眠る

坪野洋子さんの選です。

国枝隆生氏評================================

眠っている山に向こう側の山影が写っている情景。「山影」の山と「眠っている山」と
は別の山。その山をうまく使い分けて、一つの景を作った。中7の「山影抱き」の写生
がよく効いている。

 ======================================

39 未だほのと香る輪飾り外しけり

訥々とした静かな言葉使いに惹かれました。

(国枝)新年の輪飾りは主に木の実などが中心だと思うが、この香りは藁の匂いだろう
か。この匂いは新年にとって心改まるものだろう。まだ香っている飾りを外すことによ
り新しい日常に戻ることの気構えが伝わってくる

41 マラソンのはじめと最後だけ速い
 
にわかランナーでしたら面白いのですが、本格的かランナーでしたらやや失礼ではない
かと思いました。

42 旅苞の猪口で味はふ晦日蕎麦

<味わっているのはお酒だとは思いますが、「晦日蕎麦」とも誤解される言葉使いが気
になりました。>と思ったのですが、お酒を呑みながら蕎麦を味わっているのですね。

43 先づ父母の忌日書き込む初暦

坪野洋子さんの選です。

私も頂きました。真っ先に御両親の忌日を書き込むという心根に感心しました。

高橋幸子氏評================================

<先づ>が効いています。予定も書き入れられる大判の暦?それとも手帳の暦?まっ
さらな暦に父母の忌日を先ず書き込む作者。父母を偲ぶ敬虔な気持ちが伺われます。

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44 初日の出光りの道の海の凪

素晴らしい景色を、五七五の定型に言葉で再構築する難しさなのですが、「初日の出」
と<光>が重なっていると思います。

46 お降りの地に地下街のおくびかな

地下街の何を見て<おくび>と思ったのかが分かりませんでした。

48 風花や舞うてつかのま絵馬に溶け

国枝隆生氏評================================
風花が絵馬に溶け込むとの発想が新鮮で、情景描写がよかった。なお「風花や」の「や」
は強い断絶の切れ字のため、中7以降は風花以外のことを写生するのが一般的。この句
の場合は「風花の」がよいかも。そうすると切れのない句となるが、それも風花らしい。
ところで夏井いつき氏は「プレバト」でこのような「や」は場面展開の「や」と言い、
中7以降は別の場面を誘導するのでなく、さりげなく他の表現で直している。
 ======================================

50 波音をはなれ水仙香をほどく

(国枝)全体にきれいな言葉で詠んでいるが、何が波音を離れるのかよく分かりません。
そこが分かればもっとよくなると思います。

53 重詰をとかす娘の部屋がらんだう

(国枝)「重詰をとかす」がよく分かりません。さらに「娘の部屋」との取合せがます
ます分かりません。

54 万葉の歌碑は海石榴市寒椿

今東光染筆の歌碑「紫は灰さすものぞ海石榴市の八十の衢に逢へる子や誰」のことでしょ
うか? 調べれば分かるのですが(違っていたらすみません)、<歌碑は海石榴>と述べ
ているだけですので描写が不十分に感じました。

55 百本の杭に百羽の都鳥

(国枝)不忍池を思い出しました。この池にある杭にすべて都鳥が留まっています。類
想感のある句ですが、「百本の杭」と特定したのがよかったと思います。

56 初みくじ箱の闇より吉と出づ

予選で頂きました。<箱の闇より>に興趣を覚えました。

59 青空へ緋の色みどり初蹴鞠

(国枝)「緋の色みどり」がよく分かりません。蹴鞠を空へ蹴ったら、緋の色も緑に見
えたと言うことか?

61 初晴や竜立ち上がる手水鉢

「初晴」で落ち着いた句になっていますが、いわゆる季語が動くと申しましょうか、もっ
と的確な季語があるような気がしました。

(国枝)いつもよく見ている手水鉢で、竜が彫られているところで、つい見過ごされそ
うですが、改めて新年に見ると新鮮に見える気づきの俳句。

63 雪吊の天指す飾り昼の月

掲句の季語は「雪吊」だと思いますが、「昼の月」が秋の季語で、中七で切ってぽんと
置かれているので、殆ど季語の役目のように見えるのが気になりました。

65 冷蔵庫明るく見へる三日かな

<見へる>は<見える>ですね。旧仮名使いは辞書をみれば確認できます。ついでなが
ら文語では<見ゆる>となります。

66 一滴の垂氷離るる光かな

 落ちる水滴を<光>と捉えたところが上手い表現だと思いました。

国枝隆生氏評================================

つららが溶けて、離れる一瞬をうまく捉えている。下5の「光かな」と強く止めたこと
も効果的。

 ======================================

67 書初めのまず認める楷書かな

坪野洋子さんの選です。

私も頂きました。書初めでの実直な性格の方の姿が目に浮かびました。

68 反抗期の眼光ゆるむ落葉焚

反抗期とはいえ緩むのですから<眼光>は硬い言葉に感じました。もう少し優しい言葉
の方が良いのでは・・・。

69 早梅のひとつふたつやきのふけふ

リズムは気分が良いですね。

(国枝)重ね言葉を二つ重ねているが、昨日、今日の日記を読んでいるような印象がし
ました。重ね言葉を1つにして、それをもう少し具体的な写生をしてみたら、分かりや
すくなると思いました。

70 鐘楼の寒ゆさぶって鐘の音

坪野洋子さんの選です。

私は予選で頂きました。<寒ゆさぶって>が大振りな把握ですね。

71 蒲団干す関東平野今日も晴

坪野洋子さんの選です。

私は特選で頂きました 気の滅入るご時世の中、晴れ晴れとした気宇壮大な句に元気を
貰いました。

(国枝)金子兜太の句に「暗黒や関東平野に火事一つ」があるが、これも面白い句。た
だこういう漠然として詠むのと具体的に細かく詠むのでは一寸違うと思います。これは
これで成功した句。

72 蝋梅を隅に描きて寒見舞

坪野洋子さんの選です。

私もこんな絵手紙を貰いたいと思いました。

74 亡き母に近況述ぶる賀状の来

頂きましたが、<述ぶる>は<述べし>の方が良いかなと思いました。

76 分かち合ふ猫と炬燵の四畳半

国枝隆生氏評================================

四畳半の部屋にただ猫といるだけの情景。猫好きにはたまらない情景だろう。「分かち
合ふ」が猫を相棒として愛していることがよく分かる。

 ======================================

77 まだ眠る片隅もあり初御空

坪野洋子さんの選です。

私にには<眠る片隅>がよく分かりませんでした。

78 破魔弓や白マニキュアの畏まり

<指>が省略されているのですが、これが成功か失敗か意見が分かれそうです。

80 飢え知らぬ水槽の鮫虚ろな目

めったに使わない季語の挑戦は買いますが、季感の乏しい季語ですので水槽の「鮫」で
は俳句としての面白さは難しいように思いました。

81 勝つぞコロナに頑張ろう阪神忌

(国枝)「頑張ろう神戸」につながるフレーズだと思いますが、「勝つぞ」と「頑張ろ
う」の2つも要らないと思いました。どちらか1つにして、削った分、具体的な写生を
入れたらよくなると思いました。

82 凍て付くや鉄柱舐める子の至り

氷柱を舐めるのなら分かりますが、鉄柱を舐めるのがよく分かりませんでした。

84 初鏡共に白髪の増へてをり 

<共に白髪の増へてをり>は殆ど常套句ではないかと思いました。でも季語は上手に使っ
ていると思いました。

85 アトリエに立つ若き裸婦冬の薔薇

<立つ若き裸婦>がやや散文的なのが惜しいと思いました。

87 硝子ペン喪中の彼に寒見舞

< 硝子ペン>は上五で切らずに、「寒見舞」に繋いだ方が良いと思いました。

89 松取れて実家解体委任状 

上五は<て>止めではなく、しっかり切った方が良いように思いました。

91 切箔の散りし和紙もて初稽古

省略の効いている句を「想像するのが楽しいと」評価したりしますが、この句の「初稽
古」はさてどうでしょうか?

92 伊吹より雪積みし雲近づけり

(国枝)「雪積みし雲」がよく分かりません。普通の「雪雲」では駄目ですか。

93 水映えの空を漂ふ浮寝鳥

坪野洋子さんの選です。

水面を漂っているのですが、そこに映っている空を漂うと表現しています。最近よく見
かける表現ですがそれを< 水映え>言ったところがお上手ですね。

高橋幸子氏評================================

水に浮いたまま、首を翼の中に入れて眠っている水鳥〜浮寝鳥。<漂ふ>がその様子を
よくとらえています。しかも、その水面に空が映っているのです。<水映えの空>は、
茜色なのでしょうか。それとも星空なのでしょうか。言葉の使い方が洗練され、調べの
よい美しい景に魅了されました。

 ======================================

95 冬冷えや鴉なき合ふ朝未き

「冷え(冷ゆ」は秋の季語ですので、「冬冷え」という使い方は紛らわしいように思い
ました。

97 そそり立つ三角錐の大枯木

国枝隆生氏評================================

何の枯木か分からないが、すごい大木と言うことが分かる。メタセコイアの類いの木だ
ろうか。「三角錐」の的確な捉え方で頂いた。

 ======================================

98 着ぶくれて朝市のかか呼びかくる

お客に呼び掛けているのだと思いますが、今一つ読者への伝わりが弱いと思いました。

99 冬の風磨く鈴鹿の嶺清か

坪野洋子さんの選です。

締め切り後に作者から「北風の磨く鈴鹿嶺青み増す」と訂正のメールがありました。原
句は上五で切れているようにも見えますので、助詞<の>が入って分かりやすくなりま
したね。

*投句された句の訂正・取り消し等のご依頼は、原則として受け付けておりません。
 熟考のうえ御投句下さるよう、よろしくお願い致します。

101 寒林や風に乗りたる篠の笛

頂きました。古典文学のような格調高い句柄に惹かれました

国枝隆生氏評================================

「寒林」が一寸固い表現だが、篠笛が風に乗っている情景からわびしさも感じられる。

 ======================================

104 枕辺の明るさに覚む雪の朝

頂きました。雪明りのきれいな朝ですね

高橋幸子氏評================================

雪の朝は、その明るさで目覚めることがよくあります。<枕辺の明るさに覚む>〜言い
得て妙で、共感しました。

 ======================================

国枝隆生氏評================================

朝日が差さなくても雪明かりで十分明るさを感じる。目覚めの引き締まった句。

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105 初夢やマスクを外し大笑ひ

早くこういう日が来てほしいですね。

107 寒椿箒目美しき櫛問屋

予選で頂きましたが、対象が全部モノなのでやや窮屈に感じました。

高橋幸子氏評================================

<櫛問屋>は木曾の奈良井宿にあるのでしょうか。お六櫛の歯の美しさは絶品です。毎
朝店の前を掃くのでしょう。その箒目も美しい。季語<寒椿>が商い主の気風を象徴し
ているかのようです。

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108 青空に取り込む蒲団休診日

上五中七は普通の光景ですが<休診日>という意外な言葉で生きてきましたね。

高橋幸子氏評=================================
 
今日は休診日で、朝からゆったりした時間と青空がひろがり、蒲団干しに最適。さて、
取り込む蒲団は、どんなにふかふかなことでしょうか。<休診日>がいいですね。

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110 換気してコロナ対策日脚伸ぶ

季語「日脚伸ぶ」に負けないぞという気概を感じました。

111 待たされてゐるらし雪の靴の跡

寒くてじっとしていられなくてあちこちに靴の後が付いているのでしょうか?不思議な
感覚の句ですね。

113 身心に赤信号や大寒波

<赤信号>はやや安易な比喩だと思いました。

115 小正月買い物に足す茶饅頭

さりげなく<買い物に足す>としたところが良いですね。十句選の次点ぐらいの句でし
た。

高橋幸子氏評================================

小正月は女正月とも言われ、暮から正月にかけて忙しく働いてきた女性が、やっとくつ
ろげる時期でもあります。<買い物に足す>がこの句の眼目。<茶饅頭>〜なんてささ
やかな自分へのご褒美でしょうか。

 ======================================

116 少年の軸足太し寒稽古

坪野洋子氏評================================

軸足が太いと言い切ったところが上手い。きっと得意とする巴投げが決まったことで
しょう。
 ======================================

118 一病はあれど息災屠蘇祝ふ

しみじみとして季語もぴったりでお気持ちには共感しますが、<一病はあれど息災>は
やや常套句ではないかと思いました。

120 落し物探しさ迷ふ冴ゆる月

中七で動詞を重ねて使っていますので、下五の季語は動詞のない季語の方が良いと思い
ました。

121 かまくらの小さきに頭突つ込みぬ

(国枝)筆者も経験のある句。秋田ほどでなくても大雪が降れば孫のために「かまくら」
を作ることがある。その経験そのままに「小さきに頭突っ込みぬ」が実感として付いて
くる。「小さき」に秋田でないことが分かる。

123 義仲忌寒晴なれど波高し

頂きました。掲句が義仲寺の句とは限りませんが、昔は義仲寺のすぐ前までが琵琶湖だっ
たそうで、その波を想像しました。

125	採用の報告添へて初電話

採用の報告が中心なので<添へて>は不要だと思いました。「真つ先に採用の報」ぐら
いでどうでしょうか?

126 髪すこし明るめに染め初電車

正月に相応しく晴れ晴れとした髪にしたのですね。気分の良い句だと思いました。

高橋幸子氏評================================

<すこし明るめに>から、作者の謙虚さが伝わってきます。初電車でお出かけ。いつも
と違う髪の自分。いそいそとした気持ちが伝わってきます。

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127 緩びたる海馬に喝を入る四日

<入る>は自動詞の四段活用と他動詞の下二段活用があります。<喝を入る>は他動詞
の終止形と思われますので「四日」の前で切れてしまいます。ここは連体形で「四日」
に繋げたいところだと思いました。自動詞でしたら<喝>の助詞は<が>か<の>では
ないでしょうか。

130 家具店に食器棚見る三日かな

三日に家具店へ行ったとしても、「三日」が効いているかどうか?

131 初電車父は決まつて立つてをり

「初電車」とはいえ、いつもと変わらない父親像に共感しました。

133 雪の朝猫の足跡穴ひとつ

余りにも冷たいので前足一つ出してすぐ家の中に戻った?

134 善哉は幕間のおやつ小正月

<善哉は>よりも<善哉が>の方が自然ではないかと思いました


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