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第321回(2026年9月)投句一覧
 
番号 俳  句
1 日の丸は白地に赤き敗戦記
2 名刹の古きトイレで蚊に刺され
3 稲刈りをするも気になる米相場
4 光る羽根田んぼに蒔きし蜻蛉かな
5 夕月や胃薬を買ふ占い師
6 かなかなや井戸に供ふる塩と酒
7 秋暑しカツのラベルの油染み
8 桟橋の板の隙間や秋夕焼
9 秋の蝶何か急かるる肩あたり
10 秋の灯やゼンマイ固くオルゴール
11 秋晴や孫殿を力走す
12 芋の露二つ転げて一粒に
13 朝顔や文士の貌は遠のいて
14 炎昼や航跡曲げて漁港かな
15 祭り果て軒の風鈴余情かな
16 汗腺を全開にして子等遊ぶ
17 路地の子の不意打ちにあふ水鉄砲
18 無花果や宝珠となりし手の窪み
19 箒目の波なぞりゆく秋の風
20 秋雨や濡れて歯医者の台の上
21 秋日傘行基菩薩に会釈礼
22 朝夕に白粉花の淑女かな
23 南瓜煮る病気知らずの母自慢
24 ひもすがら納戸の隅の虫の声
25 晩酌の供にさんまの夢の夢
26 魚籠軽き太公望や秋没日
27 秋めくや日矢さす湖の漁舟
28 月上る歯形の残る積木かな
29 鳥渡る翳りの伸びる摩天楼
30 ごろりんと歪な梨のかほるごと
31 ちちろ虫眠れぬ脳の重きこと  
32 血縁の途絶えたる地や彼岸花
33 かなかなや父の残せし小引出し
34 青胡桃土偶の並ぶ郷土館
35 蜩や庭に畠の武家屋敷
36 兵として死なぬ国にや菊日和
37 大花野どこへ迷ふも花の中
38 月明かり風の奏でる手風琴
39 シーラカンス潜む深海星月夜
40 落日の影絵に宿る秋思かな
41 夜長の灯助詞の一文字選びをり
42 雅なる名前授かり式部の実
43 加賀友禅まとふひと日や萩の風
44 乱切りの刃先に残る胡瓜の香
45 仰向けの蝉の骸や被爆像
46 逝く猫やいじらしく尾の揺るる秋
47 見上ぐればつつゐづつなる月渡る
48 県道をしるす棒立つ秋出水
49 桑の実を食べたる舌を見せあへる
50 水煙の天女帰らむ月今宵
51 笠影に紅のかがよふ風の盆
52 昏れゆける伊根の舟屋の秋ともし
53 幾山河越えて来たるや渡り鳥
54 木曽暑し左は江戸の道標(しるべ)
55 熱帯夜踊るポーズの大統領 
56 雁渡しレギュラー二千円分で
57 幼子のブーケはいつも草の花
58 意地ひとつ捨つれば楽に鰯雲
59 踊り場に脚ひらく蝉とじる蝉
60 老蝶や雨傘の柄にすがりをり
61 百日紅花盗人は手をつけず
62 雨に耐え風を堪える木の実かな
63 残暑めく乗り換え駅のベンチかな
64 立秋の終着駅に降りて立つ
65 持ち替ふる両手にずしり稲の束
66 秋濡れて湖に雲間のシアン色
67 朝の風秋を携へ通る窓
68 旅の宿夢の叙唱の虫の声
69 八月や歴史の重み忘れまじ
70 秋暑し迷惑電話詐欺電話
71 姉の逝く静かな知らせ十六夜
72 穏やかな寝息たつる子葉月かな
73 倒木の苔は青丹に秋時雨
74 知恵の輪の外れぬままに秋に入る
75 艫の波細く消えゆく今朝の月
76 リキュール瓶の円き線今日の月
77 氷河崩るその先にある地球もや
78 黄落や明日の命の地に還る
79 父母の墓訪ぬる背をつくつくし
80 頭垂れ匂ふ稲穂や棚田径
81 綿菓子も飛行機雲も秋の空
82 朝顔のつる登りゆく団地かな
83 分校は山懐や群とんぼ
84 曼殊沙華園児の声の届く畔
85 ふみ切の待つ間日暮れの白粉花
86 八十余年歩み続けて鰯雲
87 寸の間の雨間でくるり赤蜻蛉
88 虫の音や爪痕残る雨上がり
9月15日までの投句作品です。

※ 記載漏れや句に間違いなどありましたら至急ご連絡ください。