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第301回(2025年1月)投句一覧
 
番号 俳  句
1 秋風や浄護院てふ朱き門
2 投句選妻と味わう温め酒
3 つつがなき巳年をねがふ明けの春
4 初時雨傘の華さく駅出口
5 味噌蔵の石の白さも寒の内
6 うたた寝の覚めて空ろな冬の暮
7 老いもまた新しきかな初鏡
8 懐しき街の記憶や初日の出
9 一人居や手早自賛の三ヶ日
10 残照に磨ぎ水ぎらり冬至かな
11 それとなく一句を添へて初日記
12 少年の一途な瞳初稽古
13 息白きブーツ履く娘の急ぎ足
14 悴む手包む掌もまた悴めり
15 帰る子にひと間空けをく年の夜
16 膨やかに着こなし上手初詣
17 初夢や夢みる夢に夢のあり
18 寒月や切絵のごとき大阪城
19 煮凝りの白き眼玉に睨まれる
20 青竹の跳ねてどんどの子ら散らす
21 川岸に流れ片寄せ蘆枯るる
22 まどろみに薺打つ音聞きゐたり
23 初場所の贔屓力士の初日かな
24 身ごもりの濃き赤マルや初暦
25 冬ざれや鍋洗ひをる修行僧
26 読みさしの本かたはらに去年今年
27 正月の位に日輪の上がりけり
28 垂直に上がるドローン初伊吹
29 喪の友へ薫香贈る寒の入
30 廃村に樹齢百年冬桜
31 寒に入る利休鼠の雲迅し
32 寒の梅一輪さえも匂い濃し
33 ひとりふたり帰りて冬ざれの砂場
34 小夜時雨君を遣らじとカーラジオ
35 年老いて涙湧きくるおでん酒
36 音立てて追いくる枯葉足速む
37 うらぶれし借家の木札枇杷の花
38 三河しぐれて縞木綿見本帳
39 道も狭に銀杏落葉のひかりかな
40 胸底に除夜の汽笛の余韻なほ
41 白波の煙る海原野水仙
42 鍵かけぬ里の暮らしや日向ぼこ
43 桜木の幹艶やかや淑気満つ
44 木蓮の冬芽蒼天指してをり
45 七種の青き湯気立つ厨かな
46 庭の松雪の重さに耐へてをり
47 はしゃぐ子にシャッタ決めれぬ初旦(あした)
48 新春の結ぶ神籤や杜の花
49 百年の夢を託せり宝船
50 大漁旗掲ぐ港や初明り
51 人は消え花野は枯野に移ろひぬ
52 日向ぼこ出窓に三毛と玉さぼてん
53 一杓の寒九の水や肚に沁む
54 若水や透けて柾目の樽の底
55 人はみな黙して行かむ三日かな
56 振り返るひとみな美しき冬の雷
57 楪や負けず嫌ひは親ゆずり
58 竹刀持つ握りこぶしや淑気満つ
59 ベンチ寝の目と耳覆ふ冬帽子
60 さつそうと撒き餌掠むやゆりかもめ
61 片付けの残る宴や去年今年
62 買初めや吾子に小さきイヤリング
63 ふる里の空は鈍色寒鴉
64 マリア像冬暖かな腕かな
65 お洒落して心に秘めて初句会
66 若隆の横綱に土初場所や
67 風の戸は昭和のねぐら嫁が君
68 ハルカスウォーク春着の声高し
69 筆初留学生の書く平和
70 カラフルな留学生の雪だるま
71 一すじの汽笛を残し山眠る
72 足に猿縋らせて去る猿回し
73 石段に連なる人や除夜詣
74 松光る昭和の団地初日の出
75 流木に骨ごとき音冴る月
76 富士の山隙なき縄の冬かもめ
77 薄紅のマニキュア指に冬うらら
78 朝の市大根の葉の瑞瑞し
79 度忘れの名前に苦笑初日記
80 嘴を向けあひもして初鴉
81 柏手を一人響かせ初詣
82 庇無き無人販売雪催
83 救急車はるかに聞こゆ寒夜かな
84 凜として白き一輪冬薔薇
85 タイマーの音にほほ笑む初写真
86 身震ひに空気ふるはす大くさめ
87 蒼穹に富岳泰然淑気満つ
88 息災を喜び合うて若菜粥
89 寒月や見つめる先はスマートフォン
90 おしゃべりの止まらぬ朝や寒雀
1月15日までの投句作品です。

※ 記載漏れや句に間違いなどありましたら至急ご連絡ください。