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いぶきネット句会たより

    


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このページは2009年1月号〜2013年12月号を掲載しています。

出会い          山下みつぐ (北九州市)       2013年12月号

 私は平成二一年暮まで自宅で細々と化学プラントの設計を請け負っていました。同じ年の暮に廃業、翌三月までテレビの前でゴロゴロしていました。

家内に尻を叩かれ新年度の市民講座で俳句を見つけました。これならばわずかな年金でも大丈夫と参加しました。

以外にはまり、一か所では物足りず三カ所の市民センターと「よみうり俳句講座」に出席するようになりました。「よみうり俳句講座」の講師の先生が「山茶花」の三村純也主宰と同じ結社の同人という関係で山茶花に投句するようになりました。

それでも物足りずネット俳句を覗くようになり「伊吹嶺」を知りました。

今年の三月よりネット俳句に参加して市民講座では味わえない臨場感を楽しんでいます。

ただ血管と心臓の手術や治療の関係で遠出が出来ないのが残念です。それでも吟行句会には極力参加しています。

結社にこだわらず俳句を楽しみたいと思っています。

末永いご指導をお願いします。



いぶきネット句会に再入会して  栗生 晴夫(川崎)2013年11月号

 書痙で清記が出来なくなり、五月よりネット句会に再びお世話になっています。いぶきネット句会は、

一 いつでも、どこからでも句会に参加できる。

二 一度パソコンに入力してしまえば以後は入力しなくても良い。修正も楽である。

三 メンバーが一同に会しないという欠点を補うための工夫がされている。

  ○チャット合評会    二回に分けて一時間ずつ合計二時間全投句を対象に、参加者全員による合評会。一人よがりになりがちなところは修正、指導される。  
○オフ句会       年二、三回希望者の吟行を行う。

四 合評会終了後、同人の丁寧な添削結果が投句者にフィードバックされる。さらに、投句以外にも一ヶ月三句まで有料(安い!)添削を受けることが出来る。

五 いぶきネット句会、有料添削、それにHP句会を活用すれば、月に十句は結果的には伊吹嶺の句会に参加したのと同じことになる。いぶきネット句会には栗田主宰の選もある。 ということで、ネット句会のお陰で伊吹嶺俳句を楽しく継続させていただいています。


兜虫・鍬形虫の思い出  梶田 遊子(名古屋)2013年10月号

 父の関係で、小・中学生時代を愛知県春日井市で過ごした。私の故郷でもある。当時の春日井市は田園や里山に恵まれた田舎であった。寄稿にあたり、友達と徒党を組み早朝の甲虫捕りに夢中になっていた昔の夏を思い出した。子供たちの一般的な捕り方は割愛して、ご当地特有と思われる捕り方を紹介する。春日井市は桃の名産地で桃畑が多く、畑には自然落下した熟れた桃が転がる。また農家の冬瓜畑には、商品にならない痛んだ桃が多く捨てられた。そんな桃をひっくり返すと多くの生きの良い兜虫と対面できた。

当時、親に連れられて大都会の名古屋へたまに出かけたが、デパートで兜虫が商品となっているのには驚いた。友達と「名古屋では兜虫で商売できるぞ!」と冗談で儲け話をしたものだった。また、今や甲虫のダイヤモンドである大鍬形。当時の春日井でも数多くは取れなかったが、大鍬形のいる樹は限定されており、そこへ行けば、高い確率で捕れた。外来種の溢れる今日であるが、やはり国産が良い。

兜虫・鍬形虫の句で好きな句を「季寄せ」から二句。

兜虫逃げしと吾子に起さるゝ   栗田やすし

  大鍬形観音堂の畳這ふ      栗田せつ子

 



秘密の句園    鈴木 未草 (知多)2013年9月号 

 みなさんは、どんな所で句をつくられますか。旅先や公園でしょうか。締め切りが迫っているのに、句が全然できていないとき、私は「秘密の句園」に行きます。それは田んぼです。私の住んでいる住宅地の東側がゆるやかな丘陵で、見渡す限り農地となっているのです。春から初夏にかけて、田んぼは毎日姿を変えていきます。掘り起こされ、水が張られ、苗が植えられ、やがて、緑一色となります。そして照りつける日差しの夏、ぽつぽつと、稲は花を付け、秋にはむせかえるような新酒のような匂いのする稲穂が今年も垂れることでしょう。

水田だけでなく、果樹園、畑などもあり、道端には野の草花、用水のあたりには幾種類もの野鳥に出会います。それらが全部、季節ごとに移り変わっていくのです。

すぐ近くにこんなに自然を感じられる所があってよかったと思っています。

花野行く手足の長き影二つ       未草


暮らしの友    市川 克代 (北名古屋)2013年8月号

 
私は家庭の事情で長時間の外出が出来ない。近頃はネット句会に入れていただいたので、家を出なくても句会に参加できるのがありがたい。行動範囲が狭いから句材も家族や庭畑などに自ずと限られてくるが、生活のあるところ句材はどこにでもある(実際はマンネリ気味だが)。

見守りが必要な母と同居しているが、そう度々句に登場してもらうわけにもいかない。外孫が保育園から帰ると私の家で夕方まで預かる。幼児は成長が早く私たちをびっくりさせてくれることも多く時々句材にさせてもらう。

日曜菜園程度の畑であるが、四季の移ろいや天候の影響ははっきりしている。よい句材になる。土を耕し、種をまくのは主人、間引きや収穫、調理は私の仕事。今はブロッコリーや苺、えんどう豆の収穫期であるが、隣の畝は大根や人参の茎立ち、ねぎ坊主もでき恐ろしい状態である。これは私の怠慢かと内心反省しているが、茎立ちもねぎ坊主も毎年となると句材としてはちょっと遠慮したい。

ネット句会では、物の見方、考え方、表現の仕方など皆様から刺激を受け、とても勉強になっている。俳句を暮らしの友とし、これからも楽しんでいきたいと思っている。



俳句の効能    新井 酔雪 (岡崎) 2013年7月号            

 俳句と付き合い始めて十年がたった。できれば一日三句、少なくとも一日一句は詠もうと取り組んでいる。とはいうものの帰宅が十時を過ぎることもあり、ままならない日もある。目下の悩みは、俳句が一向に上達しないことである。

 俳句をやってよかったと思うことは、大きく三つある。

一つ目は、自然とかかわり、自然をよく見るようになったことである。「水澄む」という季語があるが、秋になると水が澄んで水底が見えるようになるなんて、俳句をやるまでは気付きもしなかった。また、動植物の名前にも強くなった。四季のある国に生れてこれは嬉しいことである。

二つ目は、よく歩くようになったことである。様々な花を見ようと、いろいろな文化財や祭を見ようと歩くようになった。作句するためであるが、これが思いのほか楽しい。帰りがけに駅前で一杯やるのも楽しみだ。

三つ目は、欲が少なくなったことである。出世したいとか、お金がほしいとか思わなくなった。仕事は自分の務めをきちんと果たせばそれでよいと思うようになった。そんなことよりも俳句がうまくなることの方が大事だ。しかし、これがままならない。それでも俳句をやめることはなく、おそらく死ぬまでやっていることだろう。



吟行ってなに?     弓野 スミ子 (静岡) 2013年6月号
                 
人生で初めての吟行に参加しました。ネット句会に参加し投句・選句・合評会の「何、それ?」を乗り越えた二月にお誘いがあり思い切って飛び込んでみました。

吟行では「おしゃべりが過ぎないように」と言われていたので無言で歩くのかと思ったら話の輪が広がっていました。聞き耳を立てると話題は常に俳句のこと。さすが吟行。「メインコースよりも裏ルートに案外よい句材が落ちています」なるほど人によって止まるところ、見るもの(見えるもの)が違っているのがよく分かりました。ベテランの方がどんな場所で句を作っているかじっくり観察。「花とか小動物とかだけが季語ではありません、生活一般にまで視野を広げて季語を探します」参加された方の自然・歴史・風土そして俳句の知識に圧倒されました。話だけでなく、電子辞典でさっと小鳥の画像を見せて教えておられてビックリ。

 句会では吟行での感動が俳句として次々発表され、同じ時間と体験を共有した後だけに深く味わうことが出来ました。結論、吟行は知的アドベンチャー。誘っていただきありがとうございました。


俳句工房    浜野 秋麦 (彦根) 2013年5月号

一月号の「創刊十五周年記念号」を見ていたら、「私の俳句工房」という欄が有りました。随筆の欄にも、梅田葵さんが「私の俳句工房」と言う一文を書いておられます。

その文の中に「俳句工房とは、自分に一番添った作句の場所を指すもの」とあり、やっと意味が明確になった気がしました。

私の「私の俳句工房」を考えてみますと、やはり一番には家の周辺でしょうか。湖東平野の農村地帯ですから田圃に小川、竹藪に雑木林と里山的な自然が残っています。季節毎に移り変わる野鳥も豊富です。もっとも、愛犬が死んでから散歩に出る回数はめっきり減りました。

もう一つの場所は、やはり琵琶湖でしょうか。もっぱら湖岸道路を運転中の属目です。メモを取るわけにもいきませんので、口の中で繰り返していますが、車を止めた時には忘れてしまっていることもあります。釣り落とした魚は大きいと言いますが、いったいどれだけの名句を忘れてしまったことでしょう。

今年は、ミニ吟行のようにゆっくりと、ポイントを定めて琵琶湖の周辺を回ってみようかと思っています。



俳句は日記       橋本 勝行   (一宮) 2013年4月号                      
 
ある俳句雑誌の記事の中に俳句は日記代わりになるということが書いてありました。自分の初期の俳句を見ますと作句の場所や時期が浮かんできます。文化センターの俳句講座に入門して最初の出句は<たちまちに葛の葉たたく雨来たり 勝行>という句です。この句は通院途中に見た景色を詠んだもので今でも鮮明に覚えています。

<意のごとくなりし髪型女郎花 勝行> この句は妻が美容院から帰宅して満足そうに話してくれたことを詠んだものです。先生は女性の句と思われたそうです。<冬萌や展示の汽車の油の香 勝行> この句は、公園内に展示してある機関車を詠んだもので、現在も公園に展示してあります。吟行で作句しておれば場所も思い浮かんできますので、俳句作りの楽しさを味わっています。

 伊吹嶺の即物具象の俳句に出会って主宰や諸先輩のご指導を受けていますが、即物具象の真髄が難しく苦労しています。ネット俳句では同人諸氏の添削を受けていますが、諸氏の語彙の豊かに感服しています。

 好きで始めた俳句ですので少しでも先輩方に近づけるように苦労しながらも楽しんでいます。


始まったばかり    阪本 弘子 (瀬戸)2013年3月号                

私は今、俳句がとても楽しい。地域の公民館で俳句を始めたものの休みがちで身が入らず、退会をしようとそれまでに詠んだ数少ない俳句を読み返してみました。するとその時の情景が鮮やかに蘇り本当に驚きました。愛おしくさえ感じました。そこで気持ちを新たに取り組んでみると、目から耳から色んなものが飛び込んできて伊吹嶺を知り、HP俳句会に投句し、ネット句会に入りました。

ネット句会は新鮮で一味違う世界があり、知らないことばかりで発見があります。でも選句は一人の作業なので時間をかけてしまいがちです。一度目は瞬時に選び、二度目は歳時記や辞書で確認しながら選ぶと選句が違ってくるのです。「これもネット句会の良さで勉強だわ。」と言い訳をしています。会報も楽しみの一つで、自選句を読み人柄を想い、通信を読んで刺激をもらっています。

俳句によって出会いがあり、出会うことでまた俳句ができると実感しています。これまでの出会いに感謝しています。「今、始まったばかり」の私は五年後、十年後を楽しみにしています。


一句の成るとき     松井 徒歩(名古屋)2013年2月号

〈大寒の一戸もかくれなき故郷〉の句について、飯田龍太は「私は立小便が大好きである。これもそんな折の 一句」と書いている、と聞く。

 私の住まいは名古屋市東部の丘陵地にある。古墳時代から鎌倉時代初期にかけて、渡来人による窯業が盛んな土地であったといわれ、唐山、末森(陶森)という地名にその名残が窺える。今は殆どが住宅地となったが、住まいの近くには織田信秀の城址に立つ神社や小じんまりとした幾つかの寺も点在し、緑の多い土地である。

 ある人に「こういう場所に住んでいれば神社仏閣の俳句はお手の物でしょう」と言われた事があるが、当然のことながら龍太のように爽やかに句を作る事などできようもない。私はそれよりも普通の街なかの句を作ってみたいと思う。

 私の住まい近くの本山から八事にかけて、商店、マンション、寺院、大学、病院、霊園、等々が点在し、アップダウンのある道が緩やかに蛇行しながら続く。

 この変化に富んだ道をあちこち寄り道しながら、納得の一句が成ればこれに勝る幸せはない。


志          東口 哲半 (京都)2012年12月号              

私は高校を卒業してから、板場になることを目指して京都の割烹店で働きました。昼間は、魚のことを覚えるために錦市場で働きましたが、そこの大将は、「一人前の板場になりたいんやったら、ええもんを見て目を肥やさんとあかん。いろんな手があるけどな、ここにあるような一流というのが大事なんやで。個人店の仕入れでは知れてるさかい、一尾でも多く、見て触れて覚えときや。」と教えて下さいました。

 句作の悩みが尽きない現状を打開しようと、働き始めた頃の初心と重ね合わせているのですが・・・

私が俳句を始めた当初、結社ごとの特長は分かりませんでしたが、伊吹嶺の日々更新されているホームページから活動の様子を知り、スムーズにネット句会で学び始めることができました。入会のきっかけは偶然に近いものだったかもしれませんが、改めて、恵まれた環境であると感じています。魚を覚えるのと同じように、数年の勉強では思い通りにいきませんが、季節を通して少しでも多くの季語に触れ、何も彼も遣る気に満ちていたあの頃のように、張り切って取り組んでいきたいと思っています。


天 蚕         有井 真佐子(広島) 2012年11月号 

                   
広島市北部の我が町、可部は江戸中期から昭和初期まで全国でも有名な山繭紬の産地で栄えた。この伝統文化を後世に伝えたいと「可部山繭同好会」が十三年前に発足。私は友の誘いで今年入会した。初心者なので「手引きで少量飼ってみます」と言ったら大匙一杯の卵を下さった。なんと胡麻つぶ程の大きさで約百個の卵だという。天蚕の餌はアラカシ・クヌギ等の葉。山が近く環境は整っているが似たような葉が多く判別に苦労した。四月上旬、体長六o位の幼虫が孵化。手狭になったので軒下に小さな小屋を作った。幼虫の特異的な事は水を飲む習性があり前進しか出来ない。脱皮を四回し営繭。幼虫は最終的には緑色で七p位になる。絹の糸を吐き糸を纏って繭に籠る。六月中旬、飼育葉の裏に楕円形で黄緑の美しい繭が付いていた。繭の中で蛹になり約三十日。時が来ると楕円形の繭の上部に一p程の穴を中から開け蛾になり出てくる。口は退化していて餌は食べない。産卵のみ。卵を産み付けると五日位で命が果てる。夏の季語で天蚕が載っていた。感動した場面を俳句に詠めたらと思う。


近畿吟行の愉しみ    梶田 遊子(名古屋) 2012年10月号

 今年の六月末で二年間の大阪での単身赴任生活を終えた。公私にわたり多忙な生活ではあったが、時間の許す限り、独り吟行を愉しんだ。職場が大阪市で、居住地は高槻市であったので、主に京都・大阪を中心に出歩いた。その吟行を手助けしてくれたのは、恩師の勧めで手にした地名俳句歳時記・近畿編(中央公論社)であった。近畿地方のめぼしい特色や名所の解説とその地で詠まれた作品が掲載されている。その地を訪れるたびに目を通すと新たな歴史・文化やその地の生活を知ることができ、吟行を愉しめた。例えば好きな地である嵯峨野。その嵯峨野だけでも五十を越える作品がずらりと並び、嵯峨野に対する観点も変わり面白い。

多くの句を詠んだが、伊吹集に掲載された近畿を詠んだ四季の句を抜粋して、改めて記してみたい。

古文書に滲む淀の名春の雪   (大阪城)

吹き抜けの広場に憩ふ薄暑かな (大阪駅)

祇園会や地酒ふるまふ蔵男   (京都)

天高し子午線に立つ時計台   (兵庫・明石)

底冷えの古都や地肌の大文字  (京都)


チャットの楽しさ、難しさ   坪野 洋子(海津)2012年9月号

インターネット句会も、今月(六月)で九十三回を迎えました。座の文芸と言われているインターネット句会には、ネットを通して遠くの方との句会が出来るプラス点と、お顔を拝見できないことの、マイナス点を感じています。

まずプラスの点では各地の様子が俳句を通して垣間見ることが出来ること俳句の材料が豊富なこと。そしてマイナスの点は、画面に打ち出される言葉一つ一つが対面での話よりストレートに相手に届いてしまうことです。

私はチャットの前には必ず、投句一覧を見ながら予習をします。この一句ずつの予習が、私にとって大変良い勉強の場になっています。勿論皆さんの句評は勉強になりますが自分なりの句に対する評を考えることは、作句と等しい勉強になっています。又、入室した皆が参加してデスカッションすることにチャットの意義があります。少しずつ良いチャットになるよう工夫が重ねられたらと思っています。

今は一時間ずつ二日間に渡ってのチャットですが百句以上の句をデスカッションするには時間の足りなさも感じています。そうは言っても、皆さんの句評や各地の様子を伝えてもらえることがとても楽しくあっという間の二時間で、次回が楽しみなチャットです。


吟行オフ句会の楽しみ   鈴木 未草(知多) 2012年8月号

                   
最初は奈良でした。その時は入会もしておらず、いわば飛入りだったのです。にもかかわらず、どなたにも大変親しく接していただき感激でした。一日に三回も句会が催され、苦しい思いもしましたが、楽しい思い出です。

二回目は、岐阜長良川でした。同じものを見ながら、先輩方の語彙の厚み、表現の確かさに感じ入ったものです。鵜匠のお話を伺うこともでき、ここでも楽しく充実した時を過ごしました。

そして、今回の吟行です。壬生狂言の予備知識がないまま参加したのですが、演者と観客の絆が感じられ、この鄙びた狂言が連綿と続いてきた訳が分かった気がしました。今回も、係の方々の周到な計画と事前準備、当日の気配り目配りのお陰で、楽しく実のある吟行となりました。改めてお礼を申し上げます。

私はこれまで、ネット句会ばかりで、リアルな句会に参加したのはこの三回だけです。毎回吟行句会の楽しさを満喫しました。まだ一度も参加されていない方には、ぜひ参加されるようお勧めいたします。楽しいこと請け合いです。


先輩方のように生き生きと  玉井美智子(瀬戸)2012年7月号

             
 ホームページの更新をお手伝いしていることからいぶきネット句会に昨年から参加させていただいております。参加されている会員の方の中には傘寿、米寿の方もおられ、意欲的に勉強に取り組み、人生を謳歌しておられる姿にとても素晴らしいことだと思っています。

パソコンはある年齢になると操作が難しいこともあってなかなか始めるきっかけが掴めないと思いますが、米寿にして俳句を詠み、リアルタイムのチャットに参加され意見の書き込みもされる、そのエネルギーには只々感心しております。最近自分も年を重ねてきて思うことがあります。

持病もなく七十歳ぐらいまでパワフルだった私の母は今、病に臥せっていますが、母と同世代でも何か技能をお持ちの方は現役でお仕事をされたり、農作業などを楽しんでやっておられたりします。そんなお元気な方々を見て、老いても人生を豊かに暮らせる人とそうでない人の分かれ道はいったいどこにあるのだろうかと考えてしまいます。

俳句の時だけは「若い」と言ってもらえる私ですがだんだんと若さからは遠のいてきていますので、先輩方のようにいつまでも元気で俳句にかかわれたらと願っています


チャットルーム   長崎 眞由美 (蒲 郡) 2012年6月号 

今年になって、いぶきネット句会に入れていただき、初めてチャットというものに関わる機会を得ました。

パソコンはインターネットで調べ物をするぐらいで、チャットで一度にたくさんの人と会話ができるなんていう情報ぐらいは知っていても、自分とは別の世界のことと思っていました。しかし、インターネット部に入れていただき部長さんから、「いぶきネット句会にようこそ」とのメールを頂き、あれよあれよという間にチャット初日になりました。夜9時からですが、30分前から手順書を何回も見直しましたが、理解ができず、「まあ、やってみるか・・」と、ドキドキしながら、「ログイン」。

チャット○人をクリックしたら「長崎眞由美さん入室されました」と画面表示され、またまたびっくり。その後は次々に「○○さん入室されました」「こんばんは。よろしくお願いします」の繰り返しで何人の人と繋がるのだろうと思うとちょっとワクワクでした。

初日の合評会では、全く自分の意見は文字になりませんでしたが、久しぶりのドキドキ・ワクワクの時間でした。

伊吹嶺誌の色つきのページを読み返している昨今です。


俳句と私    市川 克代 (北名古屋) 2012年5月号                   

 ネット句会に入会して早八ヶ月になります。しかし、俳句との出会いは二十年近く前。夏の「俳句講座」で栗田先生の講義が、とても楽しくわかりやすかったので、その感動が醒めないうちに句会に入れていただきました。

それから今日まで色々な都合で句会や文化センターの講座に籍を置いたり、「伊吹嶺」誌への投句だけだったりしながら、俳句とのご縁が続いています。

ネット句会は家にいながら句会に参加でき、投句・選句・ネットでの句会・最後に二句の自選まで、俳句にかかわる時間が前より長くなりました。選句も自分の都合に合わせゆっくり考えられ、その間難しい漢字や語句を調べることも出来ます。句会で関東から九州までの各地にお住まいの方の興味深い話題が出るのもネットならではです。また先輩方の鋭い語感や豊かな感性から学ぶものが沢山あります。

「写生」とは、その時々に見聞した事物の中から自分の感性で或る部分を選びとり(発見し)、ぴったりの言葉で表現することだと思います。先輩方のような格調高い俳句は出来ませんが、俳句を通して物を見る目や感じる力を養って自分の生活を豊かにしていきたいと思っています。




再入会    新井 酔雪(岡崎)2012年4月号

 昨年九月からいぶきネット句会でお世話になっています。実を言うと、ネット句会には、それ以前にもお世話になっていました。しかし、仕事の多忙を理由に三年ほど中断していました。昨年の四月に転勤となり仕事に少し余裕ができたので、落ち着いたところで再入会しました。

 ネット句会の良いところは、句会に参加したくても近くに句会がない、あっても日取りが合わない、そういった人でも参加できることです。わたしにとってのネット句会の魅力は、インターネットのチャット機能を使っての合評会と同人の方による添削指導です。

 自分でつくった句には愛着があり、なかなか捨てることができません。それどころか、いい句ではないかと自惚れてしまうこともあります。しかし、実際には何らかの欠点があったりします。それを合評会と添削指導が、明らかにしてくれます。大変ありがたく、そして、皆さんの合評会での句を見る目の確かさ、つたない句を佳句に添削していただける技量に感心するばかりです。わたしも少しでもそのような境地に近づけたらと思うばかりです。



何となく始めた俳句    松井 徒歩(名古屋)2012年3月号  
 
伊吹嶺のネット句会に入会して半年になりました。
 
五年ほど前に腰を痛めてテニスを止め、どうしたものかと思っていたところ、亡くなった父が俳句をやっていた事を思い出し、父に出来るなら自分でもやれるだろうぐらいの気持ちで俳句を始めました。

 図書館から入門書を借りてきて読んでみると、季語は日記の日付の替りぐらいに思っていたのが、どうもそうではないらしいことに気付き、これは俳句の歴史から勉強しなければならぬと思い至りました。  

 そんな折兄が父の俳句関連の遺品をどっさりと持ってきてくれたのです。

 以来季語の魅力に取り憑かれています。

 入会に際しては色々と不安もありましたが、皆様親切な方ばかりで、半年があっと言う間に楽しく過ぎてしまいました。

 今まで独学でやってきて、頭では写生の大切さは分かっていたつもりでしたが、句会の経験や伊吹嶺誌の諸先輩の句を通じて、自分の句が如何に甘かったかという事を痛感しています。


物に託して    浜野 秋麦 (彦根) 2012年2月号 

伊吹嶺の会員となって早くも一年半が過ぎてしまいました。句会に入らなくては上達はおぼつかないと気付いたものの、身近なところに句会はなく、ネット上で出会った「伊吹嶺」にはチャットの句会があり、添削指導も受けられると言うので、すぐに入会しました。

そんな動機ですから、「伊吹嶺」の俳句がどんなものかなど知る由もなく、主宰の名前は聞いたことがあるかなと言う程度でした。実際に句作して添削指導していただくとすぐに「即物具象」が出てきます。「ああ、写生ですね。物に即して具体的に」と了解すると、なんだか実況報告みたいな味も素っ気もないものができあがります。物に即していたのでは、感情はどこへ行ってしまうのだろうかと疑念が湧きます。しかし、なんと言っても十七文字の世界です。詩的感動も情景も物に託し、言葉に載せる他に術はないと頭で理解は出来るのですが実践との間には大きな溝があります。

この道一筋と言う訳にもいかず、なかなか進歩もおぼつかないのですが、やっぱり基本は「即物具象」と肝に銘じて続けていきたいと思っています。


苦吟も楽し    橋本 勝行(一宮)2012年1月号                

 定年後の余暇に俳句を始め近くの結社で、句会や吟行を体験しました。その後、ボランティア活動に携わり俳句から離れていました。今では伊吹嶺のネット句会に巡り合えることが出来て俳句を楽しんでいます。

 伊吹嶺は即物具象の俳句ですので、どなたの俳句を読んでもよくわかります。伊吹嶺誌が届きますと一番に主宰の句と秀峰集から読み始めます。無駄な言葉もなく省略の効いた名句が大変勉強になります。

 ネット句会では投句一覧が配信されますと五句を選句して送信します。「推敲十か条」を参考に選句しますがいつも悩みます。主宰の選句と合致すればほっとします。しかし、作句となると即物具象になっているのかと苦吟をしてしまいます。苦吟をしながらも好きな俳句ですから作句の楽しみがあります。

 ネット句会ではチャットの時間に同人諸氏の適切な指導をいただけ勉強になりますが、最近は会員が増加して時間が不足気味になりました。時間を増やすなりして全句にコメントを頂けるなど、内容の充実を考えていただけたらと思います。


伊吹嶺と私    岡田 佳子(京都)2011年12月号
 
                      

二年前の秋、ネットで添削をして頂けるサイトはないかと検索していた時、「伊吹嶺」に目が止まりました。

というのも丁度その時、雪の伊吹山の絵を描いていたからです。

早速「伊吹嶺」を開いてみると、今まで検索したどのサイトよりも充実した内容で、随所に細やかな配慮が見られ、運営されている方々の熱意がひしひしと伝わってきました。

(選者の先生方のお写真が掲載されているのも「伊吹嶺」だけかもしれません。)

 年末に娘のお産を控えていましたので入会させて頂くのは半年後になりましたが、その間「伊吹嶺」を訪れ、添削コーナーや句会の講評、公開されている中日俳句教室講義録で勉強させて頂いておりました。

入会後は同人の先生方から期待以上の懇切丁寧なご指導を受け楽しく勉強させて頂いております。

今年再版されました主宰の句集「伊吹嶺」の帯に「長良川の土堤から眺める雪の伊吹嶺は最も美しい」とありました。是非この美しい雪の「伊吹嶺」を見てみたいし、絵にも描いてみたいと思っております。


心たがやさん    都留 百太郎(横浜)2011年11月号

 俳句上達を願って色々と結社を当たっている時、インターネットで偶然「伊吹嶺」を見つけた。まずその主旨の鮮明さに一驚した。初めて見聞する即物具象の言葉。良くはわからぬが「即物具象」を目標として掲げているのは、それだけ確信している事の証だ。  

ルールにはそれなりの意味がある筈だから。                      栗田主宰の『現代俳句考』を求め、「中日俳句教室」の講義録を読んだ。そして内容の立派さは勿論だが、栗田主宰の沢木・細見両先生に対する深い尊敬の念が行間より察せられ、それだけで主宰のお人柄が分かった。私は傘寿になるが、こんなに師を大事に扱う人をいまだ見たことがない程すばらしい。こんな主宰をいただく結社ならと仲間入りをお願した。これから即物具象の勉強をしたいと思います。

鈍だけれど諸先生、諸先輩がたのご指導宜しくお願いします。また大勢の仲間の皆さんもご指摘注意など宜しくお願いします。内面の進歩を感じながら生きるそんな人生を夢見ています。

熱帯日が続いていますが皆様くれぐれもご自愛くださいますように。


一年を振り返って    荒川 英之(半田)2011年10月号 

「伊吹嶺」に入会して、ちょうど一年が経過しました。改めて振り返ってみると、悩み多き一年だったように思われます。

 誌上やインターネット句会で心打たれる句に触れると、心から感心し、自分の句が褒められれば素直に嬉しいと思いました。

その反面、句ができなければ憂鬱になり、句材さえ見つからない日々が続くと、さらに陰鬱な気持ちになりました。    教師という職業に似て、「やっていてよかった!」と思う瞬間に比べ、苦しいときの方が私には多かったように思われます。

しかし、最近は、これからの長い俳句修行を思い、句ができたとか、できないで一喜一憂するのはやめようと思えるようになりました。ちょうど、中学三年生の生徒たちに一学期の通信簿を渡したとき、「成績で一喜一憂しないように」と話したことが、そのまま自分にも当てはまったようです。

 今後も、「伊吹嶺」の一員として、粘り強く勉強を続け、「写生」の体得に努めていきたいと思います。



基本を考える    東口 哲半 (京都) 2011年9月号    

ネット句会に入会して二年目を迎えました。戸惑う日々は続きますが、最近、俳句を全く知らなかった私が、「伊吹嶺のどこに魅力を感じて入会したのだろうか」そんなことを考えます。たとえば、入会時からの自句を着物姿にたとえて振り返ってみますと・・・ 入会当初は、スニーカーにレトロな着物を合わせていた様なもので、訳の分からないまま自分だけが納得していました。今も相変わらずで、引っ付け帯のような季語になっていたり、抜き襟が過ぎるような句で気取っては出来たと思い込んでいます。基本の理解不足が、おかしな調子を繰り返してしまいます。

こんなたとえですが、私が入会時に魅力を感じた部分が少し浮かんできました。それは、伊吹嶺のホームページに『日本の伝統詩としての俳句を若い世代に正しく伝えることをめざす』と書かれてあることです。伝統的なことを正しく学ぶのは、いいお手本があっても簡単に身に付くものではありませんが、基本を繰り返すことで、少しずつ積み上げられるだろうと思っています。あせらず、かつ真剣に取り組もうと思っています。


楽しく勉強になります    戸田 ただし (春日井) 2011年8月号

  五月のネット句会が昨日終わった。顔や声は見聞きできないが、楽しい句会です。

昨夜の句会で「豌豆の・・・」の句が「伊吹嶺」五月号に載っていますと書いたら、よく読んでいるとお褒めいただきました。実のところ岳人さんの句会に参加するようになって、毎月十句の同人さんの写生句を選ぶことが義務付けされ、以前より真剣に「伊吹嶺」を読む習慣が身に付いた賜物です。結社に席を置く者には「伊吹嶺」が最高の教科書ですね。

もうひとつはPCプリンタを使わずに句会情報をすべてノートに手書きしています。とても大変ですが書くことのメリットが大きいのを体験しています。伊藤旅遊さんのコメント、作者名、誰がどの句を選んだか、どのような意見が出たかなど、どんどん書き込みます。二冊目のノートになりました。旅遊さんの文法上のご注意は俳句初心者で英語と古文大嫌いの私にとって、とても参考になり、俳句講座を受講しているようで、感謝いたしています。むろん同人さんの添削にも深く感謝いたしております。



鑑賞の難しさと魅力  有井真佐子(広島)20117月号

インターネットでの俳句は、会員の方々が広範囲にお住まいの為、その地方独特の祭事・風習・風土などの句を詠まれた場合、佳句を深く鑑賞できずにいる事があります。そんなとき、伊吹嶺の俳誌で「ネット仲間の俳句散歩」が毎回掲載されていて、それを読むことで、百パーセントとはいきませんが、詠まれた俳句に近づき鑑賞させて頂く事ができます。         

私ごとですが、「被爆ピアノ」の事を詠んだ時、チャットで「被爆ピアノとは何ですか?」と問われ、十七文字で表現する俳句の難しさを改めて痛感しました。私も「吊り仏壇」の句を伊吹嶺誌で読んだ時、お仏壇が吊ってあるのだと想像出来ましたが、実際に見た事はなく大変驚きました。後日、同人さんが海津の輪中と言われている地域を「ネット仲間の俳句散歩」に執筆されており、「吊り仏壇」は海抜が低い地域の風土で生まれた日本人の知恵だと知る事が出来ました。ネットでの俳句は他の地域の珍しい祭事・風習など居ながらにして触れる事ができ、鑑賞の難しさと同時に魅力をも持ち併せています。


六年半     北村美津子(名古屋) 2011年6月号      

以前、伊吹嶺のホームページには現在の物とは別の「添削コーナー」が置かれていました。投句すれば添削していただけるというものでした。

 それを夫が見つけ出し、滅多にパソコンに触れない私に勧めたのです。私は気楽に投稿してみたのですがその無茶な句に先生を困らせたようでした。

 一ヶ月に満たない頃、そのコーナーは閉じられることとなり、「いぶきネット句会」が立ち上げられたのです。「ネット句会で一緒に学びませんか」と声をかけていただき、これもまた難しく考えず即手続きを致しました。二〇〇四年の十月でしたからもう六年半も前のことです。以後は俳句が出来ないことに悩み続けています。

 突如二〇〇六年夫を亡くしました。今となっては、俳句は私の支えとなりました。続けてこられたのは先生方や句会の皆様の励ましのおかげです。インターネットでの句会、その準備や維持がどれほどたいへんなものか、係わって下さっている先生方に、いつも感謝しております。



ことばの歳時記  梶田 遊子(名古屋)2011年5月号


まだ俳句を本格的に始める随分前に、金田一春彦著の「ことばの歳時記」という文庫本(新潮文庫)を購入した。この本は一日一ページの単位で、日常使われている一年分の言葉の意味や由来などを認めた書物である。四季を楽しむことに加え、旅や転勤などで各地の文化に触れることの好きな私にとってお気に入りの教養書であった。俳句を初めてからは手にすることのなかった本であるが、今年の元旦から改めて毎日読み出した。俳句の生命は季語にあるが、その意味や内容を理解する上でも大変参考になる本であることを改めて痛感している。
例えば、一月六日に「ゆずりは」に関する記述がある。
正月のおめでたい葉で縁起が良い葉とされているが、その理由に「ゆずりは」の「ゆずり」は、親が子に代をゆずるという意味で、古い葉は新葉が十分成長した時分にポトリと落ちていくからだとある。こういう事を知るだけでも季語に大きな膨らみができて、俳句を詠むことが楽しくなってきた。まだ、読まれていない方には是非お薦めしたい良書である。


 アヲハタ     鈴木 未草 (知多) 2011年4月号

 

ジャムの会社「アヲハタ」を、ネットで検索しても出てこないのです。「アヲ」ではなく「アオ」で検索していたからです。この古風な社名はいつからあるのか知りませんが、私が難儀している古語の「青」のようです。

 青(あを甥(をひ)顔(かほ)笈(おひ)奥(おく)

このような仮名遣いの違いは、もともと発音に違いがあったのでしょうか。昔の人の発音を聞いてみたいものです。

 あれこれ国語辞典をひっくり返しているうちに、大発見をしました。それには法則があったのです。漢語の場合は「○う」和語の場合は「○お」となるのです。例えば、

 行李(こうり)灯篭(とうろう)王妃(おうひ)、

氷(こおり)通る(とおる)大きい(おおきい)

などです。そして、この「お」は、旧かな遣いでは全て「ほ」となり、

 氷(こほり)通る(とほる)大きい(おほきい)

となります。大発見と思いましたが、みなさんは、とっくにご存知かもしれません。いずれにしても、日本語は奥が深く、面白いです。


伊吹嶺に入会して    荒川 英之 (半田) 2011年3月号

 

 私は「子規歌集」を読み、そのわかりやすい点に興味を持って短歌を作り始めました。それが大学生の頃だったと思います。それから、最近になって俳句を始めたのも、やはり正岡子規の影響で、高濱虚子がとても褒めた、   

蝉始めて鳴く鮠釣る頃の水絵空 

という句にとても感動したことがきっかけでした。

 本格的に俳句を勉強したいと思い、二十二年八月に「伊吹嶺」に入会させていただきました。インターネット句会で自作の句を見ていただき、自分の句がひとりよがりの句になっていることに気づかされることが多くあります。また、添削では、自分でつまらないと思われるような句でも、熱意をもって丁寧にご指導いただき、とても感謝しております。

 いろいろと迷う時期もありましたが、そのような時も、栗田主宰に励ましのお言葉をいただき、今後も、長く「伊吹嶺」で頑張っていこうと思えるようになりました。

 「伊吹嶺」の諸先輩方、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。


 
句作と生活 高橋 幸子(北佐久)20112月号

いぶきネット句会に入会して早四年。投句への手厚いご指導・添削に、いつも頭が下がります。「写生俳句」の真髄を教えてくださる熱意にも圧倒されます。「新鮮な発想・発見、更に観察を深めると良い」「情景がもっと良く読み手に伝わると良い」「俳句向きの句材でない場合は、潔く捨てることも必要」「説明・報告の句になっている。物を見つめて写生を」〜ここ二ヶ月のご指導です。

 家族の看取りや介護に追われる日々が続くこの頃。慌ただしく流してしまっている生活態度を振り返る良い機会にもなりました。

「感動を生んだ対象をじっくり見つめ、具体的な物や情景を通して韻文化する」伊吹嶺の句作態度は、主観に流されず、客観的に物事を深く見つめる生活態度にもつながりますね。

 栗田主宰の講義を、居ながらにして目の当たりにできる「中日俳句教室講義録」、チャットの欠席届け配信後にすぐ届く励ましの言葉、星空へのお誘いのメール、各地から届く便り等々、俳句の学習以外にも、生活に広がりと潤いをもたらしてくれるネット句会に感謝です。




子規庵        河合信子(東京)2011年1月号

東京の台東区根岸に正岡子規の住居を復元した「子規庵」があります。「訪ねたことがある」という方も多いと思います。庭には四季折々の花が咲き、ボランティアの人達がとても大切に守ってくれています。私が子供の頃暮らした根岸の佇まいが子規庵界隈には感じられて、懐かしくて時々訪れます。子供の頃は「子規」のことも知らず、ただ家も庭も荒れていた記憶があります。線路が近くて越してきたばかりの子規は電車の音に悩まされたそうです。河東碧梧桐も近所に住んでいたそうです。

子規忌の催し等に参加し、たくさん並んで貼られている投句の短冊に刺激されて俳句に興味を持ちました。あらためて子規の句を読むと根岸で詠んだ句がたくさんあり俳句をとても身近に感じました。子規庵は私が俳句をはじめた原点でもあります。

ネットで「伊吹嶺」に出会い、ネット句会のお仲間に入れて戴き、文法に躓きながら数ヶ月経ちました。チャット上での皆様の活発なやりとりに圧倒されながら勉強させて戴いております。とても刺激的です。



伊吹はどこに  浜野 秋麦(彦根)201011月号 

       

私の作句経験というと、長い間、年賀状に添え書きするためだけのものでした。なにか気の利いたものはできないかと思い付いたのが「俳句」でした。歳時記を買ってきて新年の部から適当な季語を見繕って、例句を参考に拵えておりました。そんな状態ですから上達するはずもありません。そんな時に、何かの本で「俳句は座の文芸である」というのを読みました。なるほど、たった十七字の中に感動を盛り込むためには、約束事も技巧も必要なことでしょう。そうしたことは仲間があってこそ身に付くのであろうと合点しました。しかし、参加できるような句会も見つからずにいましたところ、ネットで伊吹嶺に出会い、ネット句会を知り、すぐに入会させていただきました。毎月の合評会と同人の方による添削を楽しみ、はげみにしております。 入会してから知ったのが、「伊吹嶺」の本拠地は名古屋、東海地方だということです。当然、伊吹山を地元の山と思っておられる事でしょう。私の住んでいる滋賀県の者は伊吹山は近江の山であると疑いもなく思っています。これも立場の違い、見方の違いでしょうか。

 



俳句と絵            岡田 佳子 (京都) 2010年10月号

       

三月にいぶきネット句会に入会して、「伊吹嶺」の俳句の基本は「即物具象」だと知りました。それは「俳句は対象を言葉で写生をし、写生を通して感動を伝えることが大切である。そして説明を避け、物に感動を託して表出する」と説かれていました。ふと以前これと似たようなことをメモしたことを思いだしました。

十年ぐらい前から日本画を習っているのですが、そのメモ帳に「写生は数多く描き、それを資料に小下絵も数多く描くこと。そして草稿(実寸の下絵)は説明的にならないよう、自身の形や想いを探りながら表現する形を考えて描かなければならない。写生をしたままでは絵にならない」とありました。

俳句も絵を描くことに似ているところがあるように思いました。しかし、未だに写生をしたままのような絵を描いていることに気づき、その難しさも再認識しました。「即物具象」も難しいと思いますが、いぶきネット同人の方々の懇切丁寧なご指導の下会員の皆様と気長に楽しく俳句を勉強していきたいと思っております。




美しい日本語の魅力          棚橋さとし(堺) 2010年9月号            

この句会に参加させて頂くようになって三回目の投句を迎えました。入れて頂いて当初はドキドキものでしたが先輩諸氏のご指導と雰囲気作りに知らない内にのめり込んでしまいました。そして拙い句においても丁寧に添削をしてくださり、毎回良い勉強をさせて頂いています。

句会に参加させて頂いている中で感じたこと、それは「日本語の美しさ」です。「言葉の美しさ」これは日本語にしかないものと思っています。日本語が崩れている昨今、一七文字しかない中に雄大な宇宙を感じることもあり、そして描けるものなら絵筆を握って心に染みるすばらしい日本の風景をキャンバスに描いてみたくなります。俳句の絵筆は鉛筆やボールペンであって、キャンバスは短冊ですね。

主宰の説かれる「即物具象」の考え方と、写生するという方法は難しい課題です。事物をどのように切り取るか、鑑賞して頂いている皆さんにどのようにお伝えするかなど物の見方を大胆に、そしてある時は細やかにして頑張っていきたいと思う今日この頃です。





知らなかった俳句の世界    東口 哲半(京都) 2010年8月号

私はロードバイクというタイプの自転車が好きで、休日には、京都の貴船や美山方面へと自然を感じながら走ることがあります。市内の雑踏から遠ざかるにつれ、鶯の鳴き声や鮎釣りをしている川、かやぶきの里といった風景が広がってゆき、「今、感じたことを何とか残せないものか」という思いから俳句に興味を持ち始めました。そして、インターネットで検索していくうちに「伊吹嶺」を知るに至ったのです。

伊吹嶺のホームページには、いろいろな活動の様子が書かれていたり、講義録が一般の方にも見られる形として公開されていたりと、俳句を全く知らなかった私にとって、俳句の世界を知り、こんな俳句が作れたらと強く思える場でありました。入会してまだ数ヶ月ではありますが、ネット句会では、同人の方々がその都度、言葉を変えながら「伊吹嶺の句」を示して下さいますので、脱線を繰り返しながらも、地道に「伝統的な俳句」を勉強させていただいております。当面の目標は、きちんとした形の写生句が詠めること。そして、楽しみながらじっくりと学んでいきたいとも思っています。



ネット句会で学んだこと       戸田 忠 (愛知) 2010年7月号  

この句会に参加させていただき、四回目の句会を終えました(四月現在)。遠くの面識のない皆さんと、普通の句会と同じような雰囲気で、投句、選句、披講が体験でき感謝しています。六十七回の実績は誇っても良いと思います。

とくに同人のみなさん方のこの句会を支える熱意にはたいへん驚きました。まるで伝道士のように感じられます。即物具象を重んじた写生句に徹した指導には、いまも悩み苦しんでいます。沢木先生の『俳句の基本』という本を買い求め、読んではいますが、作句の段階では作ることをのみに気をとられて写生を忘れています。遅々ですが写生の大事さを学んでいます。

選句が大事ということも学びました。この句会では名前なしの投句画面から、選句しますと選句一覧が送られてきます。栗田主宰の選句結果の後、名前ありの選句一覧が送られてきます。誰がどなたの句を選んだか、一目で分かります。いつも主宰、同人の方々が選んだ句を落としています。「選んだ句を見れば実力が分かる」と言われますが、その通りだと、つくづく思い知らされます。今後は句の通読から熟読に努めなければと反省している次第です。




インターネットと俳句   有井真佐子(広島) 2010年6月号

パソコンが我が家にドーンと居座り、終日主人が使っている訳でもなし、情報化時代にこの文明の利器を遊ばせておくのは勿体無いと好奇心の強い私は、怖さも知らず無料体験とかを利用しながらパソコンに触れて居りました。平凡な主婦の好奇心が幸をなしたか、この事がインターネットホームページ開設誌「伊吹嶺」に出会えるきっかけになりました。
 インターネット用語「チャット」は、この歳になり初めて知り、句会がこれで行われるなんて驚きでした。伊吹嶺誌で栗田主宰が即物具象の写生を噛んで含める様に教えてくださっているにもかかわらず理解できていなく、文語文法の大きな壁も立ちふさがり四苦八苦しております。
 主宰による直接の御指導は遠方の為なかなか受けられませんが、旅遊さんから毎月配信される「中日俳句教室レポート」で学ばせて頂く事ができ、ネット句会では国枝部長さんほか担当同人の皆さんのきめ細かい御指導で、皆様に支えられ学ばせて頂き感謝致しております。



チャットと私      森田もきち  (千葉)  2010年5月号

いぶきネット句会に参加した時は、チャットについては何にも知りませんでした。それでも当時はチャット終了後に同人の方から合評会のメモが配信されてきましたので、チャットに参加していなくても句会の様子は十分知る事が出来ました。所が途中でメモが廃止になり途方にくれたところ、同人の方よりチャットの操作方法につき懇切丁寧なご教示があり、それ以来チャットに参加できるようになりました。なお選句の場合、メール画面からインターネット画面へ同じデスク上でコピーする方法も教わりました。
チャットの際は、あらかじめ配信された投句一覧表の各句の行間を二行ほど開けてプリントします。この行を開ける操作が簡単にできるのもパソコンならではの事で改めて感心しています。此処に感じたこと、わからない事、疑問点などを記入しておき、チャットでの皆様の考え方を追記していきます。チャットは声が聞こえないため、御批評は相当きつく感じますが、この頃は皆様方の温かいお気持ちが感じられるようになりました。



ネット句会の全国性とその魅力 梶田 遊子(名古屋) 2010年4月号

現在、ネット句会の会員は、同人の方を含め関東地方から沖縄地方まで幅広く居住しております。句会では毎月投句される約90句を選句し合評していますが、選句での苦労に仲間の地域における季語、言葉、固有名詞を理解することがあります。公私にわたり各地へ出かける機会の多い私ですが、やはり知らない事が多く、十分理解できないまま仲間の佳句を選から漏らすことが多いのです。

しかし、合評会などでご本人や同人の方から教えられて理解を深めるのも、またネット句会の魅力であると感じています。これまでの具体例として、まず季語については特に沖縄の方しか詠めない季語があり、「うりずん」「ハーリー」などがあります。また、その地域で使われている特有の言葉では「林檎園、葡萄棚(信州)」「ままかり(瀬戸内)」「被爆川(広島)」「やんばる(沖縄)」などが、固有名詞では「筑波」「神島」「四万十川」などが記憶にあります。メディア等で調べても実感できないため、想像や句会での理解とはなりますが、着実に自分の知識は深まっており、この句会を楽しんでおります。



季語をかじる   鈴木 未草  (知多) 2010年3月

 俳句を始めて最初にぶつかったのが「季語」でした。五・七・五に収めるだけでは、俳句にならない。「季語」というものが入るようです。そこでさっそく書店に寄り、一番簡単そうな、薄い歳時記を買いました。

頁を繰りますと、四季に分けられていて、それがまた、「時候」「生活」「動物」「植物」などに細分されていました。季節を表す言葉がこんなにもあるものかと思いました。初めて目にする面白い表現もありました。「魚氷に上る」「山笑ふ」「蛙の目借時」「卯の花腐し」など。反対に、ブランコは春で、縄跳びは冬、レースは夏で毛糸は冬など、身の回りの何げない物や事柄が季語として成り立っているのもちょっと驚きました。こんな薄い本ですが、中身は小宇宙のようです。

その後、いぶきネット句会に出会い、歳時記は通勤バッグにも旅行鞄にも入れて置くようになりました。しかし、自分の句に使った季語はほんの僅かです。「季語が効いている」「季語が動かない」という言葉をよく聞きますが、そこまで至るために、いろいろな季語を熟知し、もっと深く理解しなければと思っています。今後ともよろしくお願いします。



添削を受ける楽しみ    橋本 勝行  (一宮)  2010年2月号 

 伊吹嶺に入会して一年半経ちました。パソコンが不慣れの為先輩に教えていただきながらチャットに挑戦しています。 「伊吹嶺」のめざす「感動を物に託して詠む即物具象」にかなり慣れてまいりましたが、報告句や独りよがりの句が多いと自戒しております。ネット句会に投句する前に、数十句の中より五句選び自分では上出来と思っても、選句一覧を受信して皆様の俳句を拝見しますと自信喪失します。チャット後に同人のお方が添削して下さいます。同人の方々の添削を楽しみに待っています。

 添削の指導の中で、例えば

俳句に主観を持ち込まない、季語が付きすぎです、句作りの三原則は「はっきり」「すっきり」「どっきり」です、使ってほしくない言葉として、「飛行雲、万歩計、露天風呂、無人駅、過疎の村、一人旅」など。

 以上のようなご指導をうけました。そして、句作りするときは上記の至言を念頭に推敲しています。ネット句会の選句をするときに、感動は何処にあるのかを基準に選んでいますが、選句の能力の向上にも日々努力しています。



大井谷棚田       井上 梟
(広島) 2010年1月号
 
       

 棚田百選にもなっている島根県の西端に位置する大井谷の棚田を見に行った。運がよければ山際に烏瓜が熟れているはずだ。秋の取り入れは早く、この時期の棚田は全て刈田になっている。

  棚田の道をゆっくりと登っていると、犬に見つかってしまった。犬の鳴き声は大井谷に響き渡り、豆の収穫をしていたおばあさんが、腰をさすりながらしばらくこっちを見ていた。会釈をするほどの近さではない。
  烏瓜を探した。烏瓜の葉はあるものの実がついていない。半ば諦めていたとき、瓜坊のような縞のある青い実がふと目についた。一度目につくと次々と見えてくる。赤、赤、赤と思っていたので気付かない筈だ。 
 急に足元からバタバタと鳥が飛び出した。この音にびっくりして思わず両手を縮めた。草の茎を急いで這い上がる音がして頬白が飛び出した。何だ、お前たちか。

 キバナアキギリ、アキノタムラソウ、アキチョウジ、ミゾソバ、ボントクタデ、ゲンノショウコ、アキノキリンソウ、そして芋水車にも出合った。

 犬はぼくが大井谷を下りて行くまで鳴いていた。

    人気なき棚田の裾の芋水車   梟




苦手な文法  関野さゑ子(秦野)2009年12月号

 ネット句会に入るまで、俳句の文法など考えたこともなかった。

 最初に苦労したのは旧かなである。子供のころ蝶のことを、「てふてふ」と書くのだと聞いたことはある。句作りの一語一語に注意を払うが間違ってしまう。その後電子辞書で確かめるようになって、旧かなは解決することができた。その次は連体形と終止形が解らず、ことに出句する前は質問する訳にもゆかず困ってしまうが、それも電子辞書で解決することができた。

例えば「占める」を電子辞書でひくと、(文)し・む(下二)と出てくる、連体形にしたい時は占むると記す。終止形にしたい時は占むと記す。それから「え」と「ゑ」の使い方が解らなかったのだが、や行は「え」わ行は「ゑ」であると教えていただいた。助詞の使い方も難しく、間違うと句意も違ってくる。

 投句した句に間違いがあると、合評会(チャット)前に指摘して下さるのが大変勉強になる。苦手な文法だが句作りには不可欠である。これからも一つ一つクリアしてゆきたい。



蝸牛のように  山本 空木(福 岡)2009年11月号

 早いもので伊吹嶺に入会させて頂いて一年三ヶ月が過ぎました。同人の方の手厚いご指導にも拘わらず少しの進歩もなく、今に至っています。

作句の時は楽しく作っているのですが、出来と言えばあまり芳しいものとは言えず、伊吹嶺俳句の目指す即物具象とか、写生とか、自分なりには理解しようと懸命ですが、いざ句にするとなるとなかなか難しく、うまく表現できないというのが実情です。

そういう自分ですので、チャットでの句会で、自分の考えを積極的に表明することが出来ず、皆様のご意見を逃すことなく懸命に読み取っては勉強をしています。

チャットでの句会で、自分の句が取り上げられる時には、皆さんが私の目の前におられる様な錯覚に陥り、これでは皆さんについて行けないのでは落ち込んでしまうことがあります。しかし同人の方からの添削の返って来るのを心待ちにして、それをよく読んで句の推敲をしています。こんな事の繰り返しで一年三ケ月が過ぎました。

これからも蝸牛型で頑張って行こうと思っています。



ネット句会に学ぶ  高橋 幸子(北佐久) 2009年10月号

 

「なるべく平明な言葉で、しかも深く詠みたいですね。」「俳句は韻文です。意味合いも大切ですが、調べや切れをより大切にしたいですね。」「擬人化はなかなか成功しません。見たもの、感じたものを素直に写生した方が、そこに一枚の絵が生まれ、そこからイメージが膨らみます。」等々、添削ご指導の一節です。

投句した五句全ての添削指導を、的確な言葉で丁寧に送信くださる同人の方々。主観的で独りよがりの拙句が、添削ですっきり変身するのは驚きです。

入会して三年目ですが、チャットはもちろんのこと、旅遊さんから毎月配信される「中日俳句教室レポート」、ホームページの「添削コーナー」などからも、伊吹嶺俳句の真髄を少しずつ教えていただいています。次第に、写生俳句の奥深さも感じられるようになってきました。同時に推敲の視点も見えてきました。

寄合句会の座が身近に無い私にとって、「いぶきネット句会」で居ながらにして学べるのは、大変ありがたいことです



ネット句会で学んだこと  梶田 遊子(名古屋) 2009年9月号

 

ネット句会では、毎月同人の方に懇切丁寧な添削指導を頂いています。この内容は、作句・推敲が重要なポイントとなっております。これまでのご指導の中から、特に私が心がけていることを紹介します。

@文語文法の不勉強と難しさ・・・理科系出身の私にとって、文語文法の不勉強は俳句の成否に致命的でした。特に旅遊さんの指導は大変勉強になり、推敲や投句の前に電子辞書でチェックを怠らないようにしております。

A季語に対して神経を使う・・・「なぜこの季語なのか」とか「季語と他の表現が付きすぎ」との指導も多くあります。やはり、歳時記をもっと読み込むことと句会や伊吹嶺誌における良句をよく味わう努力が重要です。

B固有名詞の詠み込みは慎重に・・・旅や自然を探勝することが好きなので、地名とか固有名詞を安易に使っていました。確かに一句の中に季語と固有名詞を入れることは伝えたいことを表現できてない場合が多いのです。

まだまだ、勉強することは多いのですが、数多くの良句に触れながら、「俳句推敲の十箇条」に留意して、相手に理解される句を多く、楽しく詠みたいと思います。




いぶきネット句会    砂川 紀子(那覇)    2009年8月号

 いぶきネット句会に参加させて頂き一年半がたちました。投句、選句、チャット句会(合評会)と毎月規則正しく句会が行なわれています。ひと言でいうと簡単な流れに聞こえますが、投句の後の投句一覧、選句の後の選句一覧(作者の名前無し)、チャット句会(合評会)の後の選句一覧(作者の名前有り)、それが済んで係の方の添削が送られて来て、最後に「いぶきネット句会報」の配信で一ヶ月が終わります。

 このような流れが同人の皆様のボランティア活動で支えられている事を思う時、配信される資料に皆様の御苦労が偲ばれいつも有り難く受け取っています。同時に同人の皆様のチームプレーの見事さも垣間見えます。会員の皆様への呼びかけも、暖かな言葉で大事に導いて下さる気持ちが伝わってきます。

私は依然としてパソコンの操作が苦手な事と皆様の句がしっかり読みとれない事で、活発な意見交換に参加できずにいますが、それでも、いつも良い勉強をさせて頂き感謝しています。




俳句は多作多捨で
     松原 英明(広島)2009年7月号

俳句上達の秘訣は「休みなく続けること」だと教えられてきました。この教えに従い、病院のベッドからも投句を続け、これまでのところ投句を欠かした月は一度もありません。
もう一つの秘訣は、「多作多捨」だと思っています。善し悪しは別として「作れるだけ作り、どんどん捨てる」これの繰り返しです。一時は毎月八十句ぐらい作っておりましたが、今では落ちてきて月に五十句程度に収まっています。

多作のこつは、兼題に挑戦することです。NHK俳句、俳句王国、伊吹嶺課題など月々に与えられる兼題は十題ほど、一題につき五句ぐらい作れば月五十句ぐらいは楽々と出来ます。「兼題を自分で作り句作をする」と言うことも試してみましたが、これは成功しませんでした。人間は弱いもので、他から強制されないと作句意欲が湧いてこないのです。
「多作多捨」はこれからも続けていきたいと思っていますが、いつまで続くことか。



チャット体験を通して      陳 宝来 (那覇) 2009年6月号

昨年七月、「伊吹嶺」へ入会とともにネット句会の会員にもなった。しかし、ネット句会のことは家族に伝えてなかった。チャットの日にあたる十五日の定時にあわせてパソコンに向い、懸命に俳句学習をする私の姿に家族は驚くばかり。私自身もネット形式の句会に参加するのは始めてで、初回は緊張した。回を重ねるごとに、徐々に慣れて来たが、今ひとつ気兼ねすることがある。それは、チャット中は、家族の世話や電話の受け答えができないことである。毎月十五・十六日のチャットの時間は、家族の理解と協力を得ながら対応している。

この間の体験を通して、多くのことを学んだ。事前の選句は、出句をゆっくりと鑑賞することができ、自分なりのメモ帳を作り、選句力の向上につながっている。また、ネット上で、会員と指導同人のコメントを読みながら、出句を一句ずつチェックしていくやり方は、句作りの糧にもなっている。チャットを終えての句会報は、学習の記録が残り、読みたいときに読めるメリットがあるなど。牛歩のごとくではあるが、チャット学習を通して、俳句が少しでも上達していければと思う私である。
そして句会で得た喜びを糧に勉強していきたいと思います。


初めてのネット句会     内田 陽子(蒲郡)   2009年5月号

 いぶきネット句会へのお誘いをいただき、不安と戸惑いの中の初めての合評会。句会の日にちばかり気にかかり、月初めから落ち着かない日々でした。事前投句、事前選句の利点はあるものの、チャット形式の句会はスピードとひらめきが要求されます。目をそらすと、どの句についての意見交換がされているのかまごつき、またスピードに乗れず、沈黙が続けば不安にかられ、少し落ち込みがちになります。

 しかし皆さんの活発な意見、質問の中に溶け込んでいけた時は、確かな勉強の場所を得た喜びが湧いてきました。この齢になって新しいことへの出会いと挑戦が、こんなにうれしいことだとは、ただただ感激しております。

会員一同がネット上に集まり、句会はまさに民主的、公平であることにも好感が持てます。初心者も熟練者も同じ土俵での自由闊達な意見交換で、親近感も自然と湧き、チャットルームは緊張と安らぎであふれていました。

今後ネット句会の吟行、大会などで、会員の皆さんとお会いすることが出来ることを楽しみにしております。そして句会で得た喜びを糧に勉強していきたいと思います。




「いぶきネット句会に参加して」   伊藤 範子(名古屋)2009年4月号

五年前ホームページ句会への参加をきっかけに、私の俳句生活が動き出しました。今ではワードで原稿の作成をしたり、辞書機能で語句の検索をしたりと、パソコンは私にとって便利で欠かせないものとなりました。

そんな私ですが、ネット上で一堂に会して行われるチャットの経験は初めてでした。書き言葉を介するという点で違うだけで、いぶきネット句会は一般の句会と変わらないことを体感しました。遠隔地の方とも意見を交わし合えることはとても新鮮で、チャットの一時間は思いのほか速く流れていきました。

初参加を終え、私のコメントが適切だったかどうか、見逃してしまった句があったのではないかと振り返りますと、その責任の重さも感じました。次回は先輩同人や皆様方と、もっと活発に意見交換が出来るように努めたいと思います。

そして、まだお会いしたことのない会員の方々と、いつか大会やオフ句会で御目文字できたら!と思っています。どうぞよろしくお願いいたします


私といぶきネット句会     井上  (広島) 2009年3月号

       

遠方に住んでいますと、伊吹嶺の句会へ参加することはまずありません。チャット形式ではありますが、ネット上に一同が集まっての句会は、同人や皆さんの意見を直接聞くことが出来、大変勉強になります。事前投句ならびに事前選句は、余裕を持って出来ますので、仕事を持っている人や、家事など忙しくしている人には、大変便利な句会でもあります。

通常の句会は、皆さんの顔を見ながら、意見を述べたり話を聞いたりしますので、話の内容を、それぞれの声や表情として捉えることが出来ます。しかしネット句会では、次々に変化する文字を読むことで、理解することになりますので、目を逸らすと一瞬わからなくなることもあります。スピードに乗れなくて意見を出しそびれたりすることもありますが、少々遅れて質問した場合でも、ほぼ全部を拾ってお答えくださいますので、非常にありがたいことです。今年に入って主宰の選も受けられるようになり、一段と充実した句会になったと思っております。
日を改めて、同人より自分の句について、丁寧な句評をいただけるのも大変ありがたいものです。



すばらしい添削指導  鈴木 未草 (知多)     2009年2月号

入会して一年半経ちました。自分の句が実際どうなのか見当がつかず、いまだに闇の中を歩いている状態です。ですから、同人の方の丁寧な添削はありがたく、命綱と思いしっかりすがっています。

  例一 川沿いに外湯巡りの時雨かな 

(評) これでは、時雨が外湯巡りをしているように読める。何箇所もある外湯を巡るのだから、「巡れリ」とすべき。とすると、ここで切れるので、「時雨かな」を他の表現に変える必要がある。「夕時雨」「小夜時雨」など。

 添削句  川沿ひの外湯巡れリ小夜時雨

  例二 ゴンドラや秋の城山すべりおり  

() ゴンドラが滑り降りたのだから、「ゴンドラや」と、ここで切ってしまっては、中七下五に続いていかない。「秋の○○」という季語の使い方も歳時記に載っているもの以外、安易な使い方は考え物です

添削句  ゴンドラの影が下りゆく紅葉山 

このように自分の句が見事に変身する様を毎月経験させていただいています。これは、いぶきネット句会ならではと思うのです。ありがとうございます。 



「オフ句会に参加して」
関野さゑ子 (秦野)  2009年1月号

    

いぶきネット句会 のオフ句会に初めて参加した。初めての吟行で句が作れるか不安であったが、声を掛けてくださった方があり、お話をしているうちに緊張が解れてきた。

最初は芭蕉が滞在したことのある妙照寺。境内には「やどりせむあかざの杖になる日まで」の句碑が建っており、鉢植えの藜は小さな実を結んでいた。芭蕉の間には、床の間に藜の杖が飾ってある。写真を撮る人や句帳に記す人、だが私には句帳に書き記す句がない。

次は岐阜大仏の正法寺。堂内では有名な籠大仏が目に入った。大仏の後ろには地獄絵図が掲げられている。句を句帳に記している人が多いのに、私の句帳は白紙のまま。

最後の吟行地の岐阜公園ではさすがに焦ってきた。目に入るものが多く、焦点が絞れない。長良河畔や古い町並みの川原町などを廻りやっと三句を纏めた。

夜の句会では、詠みたいと思っていたのに、私には詠めなかった句が、次々と読みあげられ、自分の腑甲斐なさを反省するばかりであった。今回の吟行での多くの人との出会いと経験は、非常に楽しいものであった。機会があれば是非また参加したいと思っている。


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