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第300回(2024年12月)投句一覧
 
番号 俳  句
1 通院の帰りドライブ秋日和
2 秋刀魚焼く忘れた香隣まで
3 月影に踊り明かせや曼殊沙華
4 大蟷螂に無沙汰を詫びて墓参
5 辛いとは言はぬ母なり一葉忌
6 しぐるるや奈良井宿まであと一里
7 金鯱の溶け落ちさうな秋日かな
8 水鳥の進む一筋山の池
9 雨を聴き風と語るや冬帽子
10 自販機のひかる公園寒北斗
11 バスを待つ君の名知らず冬の虹
12 七五三風に靡かず立つ子の背
13 霜柱踏んで1番パー5
14 身の丈に合はせ小さき熊手買ふ
15 くしゃみして字引頼りに難字記す
16 炬燵居や積ん読再読思うまま
17 咳の児のおもちゃひろごるべットかな
18 ねむねむの児が引いてくる羽布団
19 掛け蒲団節々たぐる夜明けかな
20 小春日に年迎えの戸洗ひをり
21 立冬やペンキ塗り立てジャングルジム
22 北風に倒れて起きる泡立草
23 河原鳩クツククツクと突く靴
24 此処にもと拾ひて見詰む木の華髪
25 笹鳴や半ば埋もれし焔魔堂
26 蹲踞にひとひら沈め柿紅葉
27 ねんねこの親子の灯す酒処
28 ロシア茶や窓の枯葉は琥珀色
29 論敵の居る幸せや師走酒
30 尾羽たて垂直に入る鳰
31 実を落とし天辺を突く枯銀杏
32 漁火の沖一直線や冬銀河
33 寒木瓜やいあはせひとつふたつみつ
34 ほつとする隣りの寝息寒の星
35 米を研ぐ指をすり抜け十二月
36 鍵しっぽ立てゝすり寄る炬燵猫
37 三匹の猫に囲まれ日向ぼこ
38 家計簿に亡母の一句や冬銀河
39 駅蕎麦に薬味たつぷり雪催
40 木枯の龍馬像過ぎ海に出づ
41 アイドルの不意の死雪蛍刹那
42 笹鳴きを録音せめば失せにけり
43 村人を一つにさせる牡丹鍋
44 鰤起し北前船の大屋敷
45 連弾やポインセチアの十ほども
46 カラカラと雨戸走れり枯芙蓉
47 降誕祭シェフひと手間の介護食
48 秩父夜祭御旅所の坂が待つ
49 切り岸や東尋坊の冬怒涛
50 百合鷗乱舞東京湾暮色
51 親鸞忌住職二代唱和して
52 墨染の托鉢の僧雪の花
53 大橋の孤に晩歳の翳よどむ
54 背戸の垣結び目新冬構
55 夕焼けの光のみこむ冬の雲
56 一日をほどほど過ごし今年酒
57 紅葉散る水音高き奥入瀬に
58 寡黙なる白鳥の郷暮色濃し
59 わが影に追われて忙し師走かな
60 老ゆる身で賀状書く手の文字乱る
61 鯛焼を抱へ深夜のターミナル
62 水掻きの時折見ゆる鴨の昼
63 生命取り合ふほど交り鴨の恋
64 夕食はポテト大盛漱石忌
65 冬支度終へし町並景新た
66 小夜ふけて静謐の雪明かりかな
67 初雪のかすかに残るまつ毛かな
68 他愛なきこと綴りたり日記果つ
69 墨薄し売家の木札枇杷の花
70 留石の黒き棕櫚縄返り花
71 茶の花や開け放たれし武家屋敷
72 匂ひ立つ花柊の札所径
73 寒林を出て断崖の伊豆の海
74 歳の市昭和めきたる珈琲館
75 歳重ね二人で啜る晦日蕎麦
76 干布団日の香を乗せて取り込みぬ
77 喜壽米壽壽(いのちなが)なり初句会
78 空昏く海冥く冬花火燦
79 マフラーの先の解れや少女の眼
80 長靴の闊歩してゐる冬野かな
81 樹氷林スマートフォンを縦横に
82 ぺこと消えぽこと尻出すかいつぶり
83 凩や平均寿命の壁を越ゆ
84 鯨テキといふ御馳走や青春期
85 落葉籠両手は御霊抱くように
86 クリームへサンタの転ぶ聖菓かな
87 無住寺に棲み付く狸鄙の村
88 夕陽さす古池侘し枯れ蓮
89 真つ直ぐに我が道進む冬木立
90 北風や水面をすべり翻る
91 冬空へシニアコーラス意気高し
92 寒菊や今年限りの同窓会
93 柳行李縁側に干す今日小春
94 防大生のきりっと立つ冬の駅
96 夫の打つうどん不揃ひ湯に踊る
97 雪催ひ電話のベルに訃の続く
98 冷えし日や緋色に染まる日の出前
99 すれ違う子の鼻歌もジングルベル
100 開戦日立ち食いそばに風荒ぶ
101 光へと駆くる幼子冬帽子
12月15日までの投句作品です。

※ 記載漏れや句に間違いなどありましたら至急ご連絡ください。