(2025年5月号より)
「伊吹集」
(会員作品)の巻頭・次席・三席の作者および作品を紹介しています。
アワンきえ(小牧)
押入れの奥より雛の息づかひ
浅野千惠子(岩倉)
人居らぬ駅前書店冬の暮
小川 剛史(名古屋)
護摩の火に浮かぶ曼荼羅初不動
(以下は4句入選者住所順です)
稲石 治子(蒲郡)
聖堂の鐘の余韻や冴返る
柴田 洒落(名古屋)
つまづきて追儺の豆をぶちまけり
近藤小夜子(名古屋)
寒晴や神木被ふ苔の艶
佐賀 逸子(岩倉)
大寒や歯を食ひ縛る鬼瓦
音頭 惠子(一宮)
うららかや波の穂に触れかもめ舞ふ
笹邉 基子(海部)
静かさに目覚めて今朝の雪の庭
荻野 恵子(三重)
揚ひばりみるみる天を深くせり
「山彦集」
(課題句 課題:重ね着・探梅・冬の暮)
特選の作品を紹介しています。
玉置 武子(名古屋)
青空に重ね着を脱ぎ深呼吸
佐藤多嘉子(犬山)
探梅行蕾一輪膨らめり
鈴木 時枝(名古屋)
冬の暮我にすり寄る迷ひ猫