(2025年4月号より)
「伊吹集」
(会員作品)の巻頭・次席・三席の作者および作品を紹介しています。
永井 久子(瀬戸)
寒禽の鳴くや日翳る女郎塚
藤田 幸子(静岡)
降誕祭ホルンを抱へ男来る
野津 容子(瀬戸)
ふうはりとディッシュで摘む冬の蠅
(以下は4句入選者住所順です)
稲石 治子(蒲郡)
寒梅や路地に古りたり地蔵堂
二村満里子(名古屋)
釣銭の笊より冬日こぼれ落つ
溝口 洋子(名古屋)
ひとすぢに飛び立つ鳥や初御空
大谷 幸代(名古屋)
壁掛けに亡き母の帯年迎ふ
佐賀 逸子(岩倉)
出初式転がし伸ばすホースの輪
丸山貴美子(春日井)
初日の出拝み卒寿の気も新た
藤枝 伽葉(京都)
立砂の先に下りたる淑気かな
「山彦集」
(課題句 課題:福寿草・湯豆腐・日向ぼこ)
特選の作品を紹介しています。
仲井 裕子(奈良)
退院の母の笑顔や福寿草
佐々木千洋子(名古屋)
湯豆腐の湯気に溶けたり愚痴の種
佐藤 博子(静岡)
登り来て石に腰掛け日向ぼこ