(2025年12月号より)
「伊吹集」
(会員作品)の巻頭・次席・三席の作者および作品を紹介しています。
中田 和子(春日井)
遺品なる蝶の標本夏館
二村満里子(名古屋)
味噌桶の箍のゆるみや秋に入る
山本美砂子(奈良)
菊月や父母の遺愛の絵を壁に
(以下は4句入選者住所順です)
日下 雄介(西東京)
朝顔や壁に凭るる一輪車
久保 麻季(横浜)
白菊のあふれんばかり白寿葬
石川 杉子(名古屋)
望の月遺影の笑みに笑み返す
豊永 慢歩(春日井)
飼育箱片づけ子らの夏終る
小川由美子(春日井)
仏壇に古き経本紙魚走る
加藤ノブ子(瀬戸)
ひと打ちに鍬の柄抜くる残暑かな
いとうみきこ(愛西)
干し竿に婆の抜け殻あつぱつぱ
「山彦集」
(課題句 課題:爽やか・鶏頭・紅葉狩)
特選の作品を紹介しています。
手嶌ひとみ(幸田)
爽やかや風に髪とく女学生
神長 誉夫(神戸)
鶏冠花寂しき朝は紅を引き
藤井 広夢(愛媛)
二人して杖を忘れし紅葉狩