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令和4年8月 戻り梅雨の多治見 ![]() 吟行のポイントは4つ・・・。 ①古田織部と縁があり、明治から昭和にかけて美濃焼の町として栄え、その街並みを今に残す オリベストリート ②焼物と並ぶ多治見の名物 鰻の多治見屈指の名店 魚関 ③多治見駅前からの昭和レトロな商店街 下街道 ④沢木欣一先生の吟行地でもあり、ミサで使用するワイン用の葡萄を栽培している 多治見修道院 吟行時の猛暑を想定し、経口補水液、日焼け止めなど熱中症対策万全で吟行にのぞみましたが、前日から激 ![]() オリベストリートは古い焼物屋の街並みが残り、またその古い建物をリノベーションし今は焼物だけでなく、雑貨を売るお洒落な店、カフェが並んでいます。当日、各建物の軒には美濃焼の風鈴が吊るされ、地元の小学生が願い事を書いた短冊が飾られていました。また、「吊るし西瓜」としてこれも各戸に西瓜の鉢が置かれ、小さな実をつけており、暑さをやわらげる演出に一役・・・という感じです。 昼食は多治見名物の鰻。鰻の名店が多い多治見でも屈指の明治創業の名店「老鰻亭 魚関」でいただきました。櫃まぶし、長焼、白焼と皆さん、注文がわかれましたが、櫃まぶしは出汁でなく番茶でいただくスタイル。これは後味さっぱりで珍しい。白焼はポン酢であっさり。全員がとても美味しくいただき暑気払いとしました。 ![]() そして下街道のメインは「ヒラク本屋」。古い時計店の建物はそのままに、一部リノベ―ションし、お洒落な本屋とカフェに生まれ変わり、インスタ映えするということで全国的に有名なお店です。 私もこちらの旧時計屋のエントランスにそのまま残されている壊れた世界時計を句材に、以前訪問時に俳句を作りました。 時計屋の世界時計の狂ふ首夏 剛司 沢木欣一先生の吟行地である多治見修道院は多治見の中心街から山側に直ぐの場所にあります。昭和初期に建てられた中世ヨーロッパ建築を思わせる外観、ステンドガラスや壁画、天井画が美しい大聖堂。緑あふれる庭園。宣教師たちの眠る墓地・・・句材の宝庫です。 ![]() 指導者の矢野孝子さん、田嶋紅白さんからわかりやすい講評をいただき、句会を無事に終えることができました。 青蔦の張り出す路地やそぼろ雨 和甚 *矢野孝子特選 濁流の飛沫を縫ひて夏燕 満 梅雨晴間カフェの書棚にカフカの書 嘉秋 瀬戸黒の茶碗のうねり夏座敷 淳一 荒梅雨を来て三叉路の標石 剛司 青胡桃唐三彩のカッパ像 紅白 欠け甕に蓮を咲かせて骨董屋 孝子 (吟行日R.4.7.10 加藤剛司記) ![]() ![]() ![]() 令和3年8月 テレ吟行 ![]() テレ吟行とはジュンさん曰く「テレワークならぬ、銘々が仲間と一緒にいるつもりで、自宅の近くで吟行して」投句、選句をし、リモート句会で合評会をするというものです。 私の場合、昼間は自宅よりも仕事をしている墨田区にいる時間の方が長いので、専ら事務所から半径1キロメートル以内での下町吟行です。 昼休み、徒歩3分のスカイツリーへ。見慣れているので特に感動もなく、初めて写真を撮ってみるとやはり634メートルは高いと感激。足下を流れる北十間川には遊歩道 ![]() ![]() 隅田川に架かる吾妻橋や言問橋、隅田川沿いの牛島神社や水戸徳川家下屋敷跡が江戸の雰囲気を残していますが、その全てを首都高速6号線が貫いて台無しにしています。残念なことです。ここで昼休みも残り少ないことに気づき、慌てて帰路へ。45分のテレ吟行でした。 海を指す勝海舟像夏の雲 切子 下駄鳴らしスカイツリーへ生身魂 切子 (2021.7.26 関根切子記) 令和3年7月 犬山城下 犬山市においては、毎年4月第1土曜日・日曜日の2日間の犬山まつりがある。 犬山まつりの前日には例年、犬山文化協会文芸部主催で内藤丈草を偲ぶ俳句大会が催される。しかし今年度と昨年度はコロナ禍において俳句大会は中止となり、2年続きの誌上大会となった。 大会当日に城下を吟行した後、選者の先生方々に選をして頂くことを心待ちに参加している人たちには残念なことであった。 大会当日の吟行はほとんどの人が会場の場所柄、犬山城より本町通りを南下、もしくは犬山駅から本町通を北上して吟行される人が多い。 コロナ後には催会されるであろう俳句大会のために大まかなルート案内をすることにする。 ![]() ![]() ![]() 丈草句碑(犬山城正門前) 三光神社 先聖寺・唐門 涼しさを見せてやうごく城の松 丈草 (犬山城正門前) ながれ木や篝火の空のほととぎす 丈草 (先聖寺) ◆平成31年度第24回内藤丈草を偲ぶ俳句大会当日吟行句 格子戸を拭きこみて待つ春祭 千賀子 花散らす風や丈草座禅石 隆生 軒低き城下の路地や燕来る 勝子 紋白蝶出を待つ山車を祝いをり 妙好 つばめ来る城下に古き写真館 とし子 (2021.4.6.18 酒井とし子 記) 令和3年6月 徳川園・名古屋城 ![]() 2010年11月6日土曜日、俳人協会愛知支部の俳句大会が名古屋城近くのウイルあいちで開催され、当日講演された小澤實先生の案内係の栗田先生に矢野さんと熊澤がお供をしました。 朝、ホテルへお迎えに行きタクシーで徳川園へ、庭を散策後園内のレストランで昼食。その後名古屋城を案内して会場までお送りするというスケジュールでした。レストランからは鯉が泳ぐ庭や松の手入れの様子等も見られ、気さくにお話して下さる小澤先生と話が弾みました。 鯉泳ぐ池に乗り出し松手入 和代 小澤先生が宇佐美魚目先生を尊敬しておられる事や、栗田先生から小澤先生は季題の名手であるということも教えて頂き、貴重な体験でした。 ![]() 名古屋城では清正石、隅櫓、乃木倉庫等を案内致しましたが、当日は北西の隅櫓や乃木倉庫が開放中で、櫓から堀を泳ぐ鴨を眺めたり、倉庫の中をじっくりと見て頂けてよかったです。 隅櫓より見下ろしに鴨の陣 和代 俳句大会では矢野さんの句が大会賞となり忘れられない大会となりました。 一本の茶杓観に行く神の留守 孝子 先日写真を撮る為に名古屋城へ出かけましたが、緊急事態宣言の為人出は数える程で、緑滴る中ひっそりとたたずむ隅櫓や乃木倉庫は風情があって良かったです。 ![]() 鯱の無き天守に鳴けり梅雨鴉 和代 (吟行日 H22.11.6)(熊澤和代記) ![]() ![]() 令和3年5月 小さな庭の四季 我が家の小さな庭には華やかな園芸種でなく、地味な野草を好んで植えている。 春になると、草花の芽吹きを屈み込んでは眺めて楽しんでいる。真っ先に咲くのは二輪草で、これは10年ほど前に東京の句友Kさんから頂いたもので、毎年花の数をふやし、楽しませて頂いている。 朝の日に傾ぎてひらく二輪草 洋子 また娘が植えた破れ傘も白い生毛をつけた芽生えから緑が濃くなって、傘が広がっていくのを見るのも嬉しい。 やぶれ傘雫まとひて立ち上がる 洋子 春の庭には他に二人静、狐の提灯、立浪草、えびね欄、アマドコロ、チゴユリ、ヒメイズイ、菫など狭いところにひしめき合っている。また低木のしどみの花(草木瓜の花)は母が好んでいたこともあり、大切にしている。 夏には蛍袋、河原撫子、ゆすら梅の実、紫陽花が梅雨空を明るくしてくれる。 ゆすらの実摘むや夕日に手を伸ばし 洋子 長続きせぬ青空や額の花 洋子 夏から秋にかけては、女郎花が長い間、咲き継ぎ、この花にいつも蟷螂が来て獲物を待っているのを見るのも楽しい。 秋にはアサギマダラが好むという藤袴を植えてみたら、本当に飛んできたのは嬉しい。あとで町のアサギマダラを守る会の方に聞いたら、ここはアサギマダラの渡りの通過点だそうだ。 さらに吾亦紅や釣鐘人参等、丈の長い草花が小さな庭に賑わっている。 吾亦紅ひとつ紅濃き綾子の忌 洋子 冬になると、植えた覚えのない檀の実、万両、実南天等が庭を明るくしてくれる。 何の手入れもせず自然に任せている小さな庭も四季を通して息づき、癒やされている日々である。
令和3年4月 春の小諸懐古園(長野県小諸市) ![]() 2019年3月「しなの句会」発足。翌月4月13日、長野県小諸市の小諸懐古園のさくら祭へ出かけました。メンバーはしなの句会3名(当時)と関東支部からのゲスト6人。 園内に入ると早速寄生木ののった欅がお出迎え。 寄生木のふはりと欅芽吹きかな 幸子 懐古園は日本で唯一の穴城(城郭が城下町より低い)の小諸城址で、天守閣はもうないけれど野面積みの石垣は見どころの一つです。 春の空苔被ひたる野面積 清明 この時期はまだ桜の開花はほんの一分ほど、当日は梅が見ごろでした。 ![]() 見上ぐれば梅満開や懐古園 あきを 弓道の実演や野点、ガールスカウトによる募金活動など行われ、好天の園内はなかなかの賑わい。 残雪の浅間へ一矢放ちけり 一灯 声を張る募金の子らや花一分 ひろ子 懐古園は島崎藤村の詩「小諸なる古城のほとり」の舞台でもあります。 さえずりや遊子の道の道標 眞人 「小諸なる~古城のほーとりに~♪」と歌を口づさみつつ進んでいくと、 ![]() 虚子の句碑や、藤村の詩碑も見つけました。 たんぽぽや武器庫に褪せし木の大砲 一成 そして急に開けた景色となりました。展望台から眼下に千曲川を臨むことができます。 雪解水湛へて千曲川耀へり とみお 花の城青き千曲川を見下しに ゆう 雄大な景観に息をのむ一同でした。(吟行日2019.4.13)(奥山ひろ子記載) ![]() ![]() ![]() 千曲川 藤村詩碑 虚子句碑 令和3年3月 武蔵野の早春 ~深大寺と神代植物公園~ 栗田やすし先生が句集『海光』で俳人協会賞を受賞され、平成22年2月23日、京王プラザホテルで授賞式が行われた。翌日、先生ご夫妻と有志は前関東支部長の中野一灯さんと関東支部の方々の案内で20名ほど深大寺と神代植物公園を吟行した。 ![]() 調布駅前に集合し、バスに15分ほど乗り深大寺に着いた。まずせせらぎの流れている水車小屋を見学。未央柳、蕗の薹など早春の花が咲いていた。芹の清楚な緑色と小川の水とが光り合い小さな蛇が泳いでいた。蕗の薹を見たつけ時には、真先に細見綾子先生の句が浮かんだ。 蕗の薹食べる空気をよごさずに 綾子 清らかで不思議な花、蕗の薹。心のきれいな人でないとこのようには詠めないのではないか、そんなことを思いながら蕗の薹を写真に収めた。皆心躍らせながら深大寺の早春を満喫した。深大寺境内には句碑がたくさんある。高浜虚子の句碑、中村草田男の句碑、石田波郷と星野麥 丘人の師弟句碑、波郷の墓など見どころも多い。 ![]() 波郷句碑までの坂道落椿 隆生 梅が香に声の華やぐ深大寺 洋子 そして神代植物公園へ。広い園内をボランティアガイドの説明を受けながらの散策であった。福寿草が満開で栗田先生の受賞をお祝いしているかのように思えた。黄色の明るい輝きを見つける度に、大地にこぼれている幸せの微笑みを見つけたようで嬉しくなった。 福寿草かくも群れ咲く苑に来し やすし 武蔵野の光あふれし福寿草 一古 ![]() ここにも、あそこにも、と福寿草を見つけ、金縷梅をはじめとする樹々の間を縫い梅林へ。当時100種、180本の梅が自然の起伏を活かした園内に伸びやかに美しく綻んでいた。 調布の街へ戻り、一灯さんお薦めのレストラン貸し切りで食事会と句会が行われた。 この記事の抄出句は平成22年5月号の伊吹嶺誌に掲載されている。 そしてコロナ禍の今、沢木・細見両先生がお住まいだった武蔵野、両先生がこよなく愛した武蔵野とその一帯をまた訪ねてみたいと切に思う。(吟行日H.22.2.24)(伊藤範子記載) 武蔵野にひとつ見つけし蕗の薹 範子 句碑の句 萬緑の中や吾子の歯生え初むる 草田男 吹起る秋風鶴を歩ましむ 波郷 草や木や十一月の深大寺 麥丘人 ![]() ![]() ![]() 令和3年2月 瀧山寺鬼まつり 令和3年1月 熱田神宮界隈 初詣を兼ねて熱田神宮界隈を吟行した。メンバーは国枝隆生さん、安藤一紀さん、松井徒歩さん、松原和嗣さん、そしてわたし新井酔雪である。 |
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